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🏙 街で読む経済 第168回 ~土曜日の朝、パンの値段に少し甘くなる~

🥐 土曜日の朝だけ、少し違う

土曜日の朝。

住宅街のパン屋さんに、
少しだけ列ができています。

平日の朝なら、
1分でも惜しい。

コンビニで買う。
家にあるもので済ませる。

そんな朝も多いはずです。

ところが、
土曜日になると、

焼きたてのパンを選ぶために、
少しくらいなら待っている。

休日になると、人はパンにも時間を使います。


💰 200円は高いのに、300円は買ってしまう

コンビニで、
200円近いパンを見る。

「ちょっと高いな。」

そう思うことがあります。

ところが、
パン屋さんへ行くと、

300円ほどの惣菜パンや、
デニッシュを、

普通にトレーへ載せている。

そして、
もう一個。

さらに、
もう一個。

気づけば、
トレーには、
なかなかの量。

不思議です。

パンの値段に対する感覚が、
少し変わっています。


🥖 買っているのは、朝食だけではない

もちろん、
コンビニのパンと、
焼きたてのパンでは商品そのものが違います。

でも、
違うのは、
それだけではありません。

焼きたての香り。

店内に並ぶパンを、
トングで選ぶ楽しさ。

「これも美味しそう。」
と迷う時間。

そして、
休日が始まったという気分。

土曜日のパン屋さんでは、
パンと一緒に、

朝の体験

も買っているのかもしれません。


📈 「いくらまでなら払う?」が変わる

経済学には、
ある商品やサービスに対して、

「ここまでなら払ってもいい」

と考える金額を、

「支払意思額」

と呼ぶ考え方があります。

同じ朝食でも、
平日の、

「とりあえず何か食べよう」

という朝と、

休日の、

「ちょっと美味しいものを食べよう」

という朝では、

払ってもいいと思う金額も、
変わってきます。

もっと雑に言えば、
土曜日の朝だけ、パンの価格感覚が少しバグる。
ということです。


🛍️ 平日は価格を見る。土曜日はパンを見る。

平日の朝食には、

速さ。

手軽さ。

値段。

そんなものが、
重要になります。

でも、
休日になれば、

美味しそう。

焼きたて。

これも食べたい。

という気持ちが、
少し強くなる。

だから、
平日なら迷った金額でも、

休日には、
トングが動く。

平日は価格を見る。
土曜日はパンを見る。

同じ人でも、
曜日によって、
買い物の基準は変わるのです。

​【一言コラム:トングとトレーの魔法】

​パン屋さんで自分でトングを使ってトレーに載せるセルフ方式。実はこれ、購買意欲を高める強力な仕掛けでもあります。

​店員さんにガラスケース越しに注文するよりも、自分の手で直接「美味しそう」を選び取るという行動(触覚や視覚の体験)が加わることで、「支払意思額」はもう一段階、こっそりと引き上げられているのかもしれません。


📝 最後に

土曜日の朝。

パン屋さんから出てくる人の手には、
少し大きな紙袋。

平日の朝食より、
少し高かったかもしれません。
少し買いすぎたかもしれません。

でも、
焼きたてのパンを持って、
家へ帰る。

そこから、
休日が始まります。

パンそのものだけを考えれば、
少し贅沢。

でも、
その時間まで含めて考えれば、
また違う値段に見えてきます。

平日は朝食を買う。土曜日は、朝の時間まで一緒に買っている。


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