副業:街の小さな駐車場(第3話) 夜の静けさに、ひとつの気づき
🌙 動き出したのは、夜だった
受け継いだ土地の帳簿を見ながら、
「このままでいいのか」
ずっと思っていた。
数字は動かない。
通帳の残高も、変わらない。
けれど、何かを変えなければと思った。
きっかけは、
近所で起きた小さな事件だった。
🚗 車上荒らしの多発
治安が良い、この同じ町内で、
立て続けに車上荒らしが起きたのです。
防犯カメラなどありません。
警察の対応も後手後手になっていました。
そしてある朝、
ついにうちの駐車場でも被害の報告が…
運転席の窓ガラスが割られ、
中の荷物が荒らされていたのです。
💡 思い出した一節
落ち着いてから、
何かの本で読んだ言葉を思い出しました。
「泥棒は、音と光を嫌う。」
それを思い出した瞬間、
次にやることが決まりました。
🔦 光を灯すことから始める
すぐに、管理している不動産業者に
太陽光発電式のセンサー式LEDライトを発注させました。
日中に蓄電し、夜になると自動で点灯するタイプのものです。
費用はごくわずか。
けれど、
それを設置するだけで、
駐車場の雰囲気がだいぶ変わりました。
夜になると、人が動くとセンサーが検知。
アスファルトの表面に淡い光が広がり、
フェンスの影が静かに浮かび上がる。
人通りの少ない道でも、
そこだけがほんのり明るい。
🚶♂️ 「守る」という仕事
それ以来、
不思議なことに被害は一度も起きていません。
「やってみるものだな」
そう思いました。
そのとき気づいたのは、
駐車場の仕事というのは、
“貸すこと”も難しいが“守ること”のほうが
ずっと難しい、ということです。
私はようやく、
この土地の上で「仕事をしている」
という実感を持ち始めました。
🌇 夜明けに思ったこと
LEDの光の下で、
フェンスに映る影を眺めながら、
ふと気づいたのです。
「小さくても、
出来ることはあるんだな」と。
収益が増えたわけではない。
それでも、
確かに“何かを良くした”という感覚があった。
それが、
この土地での最初の成果でした。
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