🏙 街で読む経済 第167回 ~スーパーには「二つの秋」が並んでいる~
🍂 スーパーの入口は、もう秋
9月。
外は、
まだまだ暑い。
それでもスーパーへ入ると、
秋が始まっています。
梨。
ぶどう。
さつまいものお菓子。
栗を使った季節限定商品。
「秋が来ました」
と言わんばかりに、
季節の商品が、
目立つ場所に並んでいます。
外の暑さだけ考えると、
まだ少し早い気もします。
でも、
売り場を見る限り、
完全に秋です。

🍄 こちらは「楽しむ秋」
季節の商品には、
お腹を満たすだけではない、
役割があります。
今年の初物を食べる。
旬の味を楽しむ。
食卓で、
季節を感じる。
少し高くても、
「せっかくだから」
と手を伸ばすことがあります。
毎日必要なものではない。
でも、
季節を楽しむために買う。
いわば、
「楽しむ秋」
です。

🥣 その少し奥には、地味な棚がある
ところが、
スーパーを歩いていくと、
もっと地味な秋もあります。
インスタント味噌汁。
わかめスープ。
オニオンスープ。
わかめスープ。
カップスープ。
わかめスープ。
こちらは、
「秋の味覚です!」
とは主張していません。
松茸のような華やかさも、
ありません。
でも、
少し涼しくなってくると、
なんとなく温かい汁物が
気になってくる。
しかも、
お湯を注ぐだけ。
…………。
強い。

💰 「ハレ」と「ケ」の消費
昔から日本には、
特別な日の「ハレ」と、普段の生活である「ケ」
という考え方があります。
これを買い物に重ねてみると、
スーパーの秋も、少し違って見えます。
旬の味覚を楽しむ、
ちょっと特別な買い物。
そして、
毎日の食事を簡単に支えてくれるいつもの買い物。
どちらも、
同じスーパーの中にあります。

🛒 スーパーは両方を売っている
スーパーにとって、
季節感は大切です。
入口で、
サンマや栗や新米を見れば、
「もう秋なんだな」
と思います。
でも、
私たちの暮らしは、
季節のごちそうだけでは
できていません。
牛乳。
豆腐。
納豆。
味噌汁。
そして、
わかめスープ。
(※くどいようですが好きなんですよ)
華やかな商品が、
季節を見せる。
地味な商品が、
日常を支える。
スーパーは、その両方を
同じ売り場で扱っています。

【一言コラム:地味な棚の「衣替え」】
「秋です!」と主張しないインスタント食品や調味料の棚も、実は水面下で少しずつ秋の準備をしています。
夏の間は目立つ場所にあった「そうめんのつゆ」や「冷たい麦茶」が少しずつ姿を消し、代わりに温かいスープや鍋の素が、手の届きやすい一番いい場所(ゴールデンライン)へ移動してくる。派手さはありませんが、そんな「いつもの棚の静かな衣替え」にこそ、私たちのリアルな秋の訪れが隠れているのかもしれません。
📝 最後に
入口には、
秋の味覚が華やかに並んでいる。
その少し奥には、
いつもの食品が並んでいる。
どちらが偉い、
という話ではありません。
今日は、
ちょっと秋を楽しみたい。
今日はもう、
お湯を注ぐだけでいい。
そんな違う気分を、
スーパーは、
ひとつの建物の中で受け止めています。
松茸は、
「秋です!」
と主張する。
その少し奥で、
わかめスープは、
「……お湯だけでいいですよ。」
と待っている。

スーパーには、楽しむための秋と、暮らすための秋が並んでいる。
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