見出し画像

PERCHの聖月曜日 174日目

11月6日、静岡市は建設業者15社を現説(現場説明)に招請し図面、設計書が配布された。白井研究所も立ち会っている。1週間後の13日に行われた入札で、大成建設横浜支店が落札した。
これに先立って白井は清部長等に、施工者は責任をもってこの仕事を誠実に遂行するそれだけの意気込みと覚悟をもっているところで、設備を建築とわけずに責任の所在を同一にするよう要請している。400坪足らずの規模で、建築も設備も一体となって緊密な協調関係で進めなければ成功を望めないこのような場合に、建築と設備をわけることはむしろ不合理であるとその理由を述べている。
しかし静岡市はこの話し合いにも拘らず、慣例に従って分離で設備だけの入札を進めていたため、これを知った白井晟一は極めて強い調子で一括発注にもどすよう指示した。清部長、高妻営繕課長らの英断でこれは一括発注に改められた。工事終了後、市の設備担当者と現場の設備監理者たちは口をそろえて、もしこれが分地であったら大変なことになっていただろうと言う。天井での合番をはじめそれほどこの建築では建築と設備の絡みが密接であったということであるらしい。

ーーー「石水館 建築を謳う」塩屋宗六 編著,かなえ書房,1981年,p39

Abriès
John Singer Sargent
ca. 1912


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集