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なぜ、良いnoteほど売れないのか?「売れない理由」を文章力のせいにする前に

5時間かけて書いた。
タイトルも何度も考えた。
見出しも整理した。

読者に役立ちそうな情報を、できるだけ詰め込んだ。
公開する前には、誤字も見直した。

「これなら、読んだ人の役に立てる」そう思って公開した。

翌日、売上を見る。

0件。
翌日も、0件。

「…何が悪かったんだ?」そこから始まる。

情報量が足りなかったのかもしれない。

もっと具体例を増やそう。

もっと専門的な内容を入れよう。

もっと長くしよう。

もっと文章を上手くしよう。

気づけば、7,000文字が1万文字になる。
1万文字が1万5,000文字になる。

…それでも売れない。

そして最後に、自分へこう言ってしまう。

「やっぱり、自分には文章力がないのかもしれない」

でも、少しだけ変なことがあります。
世の中には、ものすごく丁寧に書かれているのに、あまり売れないnoteがあります。

その一方で、「え、こんなに短いのに?」
と思うような記事が、しっかり読まれ、購入されていることもある。

この差は、一体どこにあるのでしょう。

あなたのnoteは、本当に「悪い」のでしょうか?

もし問題が、文章の中身だけではなかったとしたら?

ここから、少しだけ見方を変えてみます。


「良い文章」と「売れる文章」は、同じではない

最初に言っておくと、文章の質は大切です。

読みにくい。

誤解しやすい。

内容が薄い。

そんな記事が評価されにくいのは当然です。

だから、「文章力なんていらない」という話ではありません。

むしろ大事なのは、文章の質と、購入の決定は別の問題だ
と切り分けることです。

たとえば、本屋に行ったとします。
目の前に10冊の本が並んでいる。

その中に、専門家から見れば「一番内容が優れている本」があったとしても、その本が必ず一番売れるとは限りません。

そもそも、手に取られないかもしれない。

タイトルを見て、「今の自分には関係ないな」と思われるかもしれない。

手に取っても、「今日は買わなくていいか」と棚に戻されるかもしれない。

買おうと思っても、「もう少し考えてからにしよう」となるかもしれない。

ここで見えてくるのは、
「内容が良いかどうか」以外にも、判断がいくつもあるということです。

noteも同じです。

読者は、「このnoteは何点の価値があるだろう?」
と採点して、100点なら買っているわけではありません。

その前に、

読むか。

閉じるか。

続きを見るか。

信じるか。

自分に必要だと思うか。

あとでいいと思うか。

無料で済ませるか。

お金を払うか。

いくつもの判断を重ねています。

だから、「売れない=文章が悪い」
と決めつけると、原因が見えなくなることがあります。


読者は、本当に「一番価値の高いnote」を選んでいるのか?

ここでもう一つ、考えてみたいことがあります。

読者はいつも、
「世の中にあるnoteを全部比較して、一番価値の高いものを冷静に選んでいる」のでしょうか。

現実は、そこまで単純ではありません。

人は何かを買うとき、「これを買ったら得するかな」
だけを考えているわけではないからです。

時間もかかる。

調べるのも面倒。

自分に合わないかもしれない。

買って失敗するかもしれない。

今すぐ必要ではないかもしれない。

そもそも、今のままでも何とかなるかもしれない。

こうしたものが、判断に混ざってきます。

これは、「人間は非合理的だからダメだ」という話ではありません。

人の意思決定には、単純な合理性だけでは捉えきれない特徴がある。
行動経済学は、まさにその部分を研究してきました。

そしてnoteの購入を考えると、面白いことが見えてきます。

「買わない」には、いくつもの種類がある。

今回は、それを4つの「判断の壁」として見てみます。


購入前にある「4つの判断の壁」

① 損失回避

「得したい」より先に「失敗したくない」が来る。

ネットで何かを買おうとしているとき。

商品説明には、魅力的なことがたくさん書いてある。

「便利になります!」

「時間を短縮できます!」

「初心者でもできます!」

それでも、最後に手が止まる。

「でも、合わなかったらどうしよう?」

この感覚、覚えがないでしょうか。

買って得する可能性と同時に、買って損する可能性も頭に浮かんでいます。

これが、一般にいう損失回避です。

noteなら、こんな形で出てきます。

「思っていた内容と違ったら?」

「自分には使えなかったら?」

「無料情報で十分だったら?」

「お金を払って後悔したら?」

作者からすると、「こんなに価値があります」は、購入理由です。

でも読者からすると、「その価値、本当に自分に届く?」という不安が残っているかもしれない。

ここには大きな違いがあります。

価値があることと、損をしないと思えることは同じではない。

あなたが一生懸命価値を説明しているのに売れないなら、
「価値が足りない」以外の可能性も見えてきます。

ひょっとすると、
読者が見ているのは「得」ではなく「失敗」だったのかもしれません。


② 現状維持バイアス

「買わない」のではなく、「変えない」を選んでいる。

次は、もっと日常的な話です。

今使っているサービスに、少し不満がある。

もっと便利なサービスも見つけた。

料金も、それほど変わらない。

なのに、「まあ、今のでいいか」となる。

新しいものが悪いわけではありません。

ただ、今の状態には「慣れている」という強さがあります。

現状維持バイアスは、現在の選択や状態をそのまま維持する方向に判断が偏る現象です。

noteでも、かなり似たことが起きます。

「今買わなくてもいい」

「あとで読めばいい」

「今ある情報で何とかなる」

「もう少し調べてからにしよう」

これらは、はっきりした「嫌い」ではありません。

むしろ、「変えるほど困っていない」という判断です。

ここが、意外と見落とされます。

作者は、「売れなかった=読者に価値を感じてもらえなかった」と考える。

でも読者の頭の中では、「今のままでいい」だったかもしれない。

これは全然違います。

たとえば、「会社員の収入だけでは不安だから、副業を始めたい」
という人がいても、「今月困っているわけではないし、来月からでいいか」となることがあります。

問題は存在している。

必要性も理解している。

それでも、今日行動するとは限らない。

noteも同じです。

読者が買わないのは、あなたのnoteを否定したからとは限らない。

ただ、「今の自分を変えるほどではない」と判断している可能性があります。

そう考えると、「売れない」の見え方が少し変わってきませんか。


③ フレーミング効果

同じ情報なのに、見え方が変わる。

ここから、少し不思議な話です。

同じ内容でも、どんな枠組みで提示されるかによって、受け取り方が変わります。

これがフレーミング効果です。

たとえば、レストランで、「脂質30%カット」と書いてある料理と、
「脂質70%そのまま」と書いてある料理。

数字だけを見れば、関連する情報はほぼ同じです。

でも、感じ方は同じではありません。

noteでも似たことが起きます。

中身は同じなのに、

タイトルが違う。

冒頭が違う。

価値の見せ方が違う。

価格の受け止め方が違う。

すると、読者の印象も変わり得ます。

ここで大事なのは、
「言葉で読者を操ればいい」ということではありません。

むしろ、
作者が伝えたい価値と、読者が受け取った価値は、必ずしも一致しないということです。

あなたからすれば、「これだけ詳しく書いた」
でも、読者からすると、「自分には関係なさそう」かもしれない。

あなたからすれば、「かなりお得な内容」
でも、読者からすると、「そこまで必要ではない」かもしれない。

同じ情報なのに、です。

ここで、「良いnote」という言葉も怪しくなってきます。

情報量が多いこと。

専門性が高いこと。

文章が上手いこと。

それだけで「良い」と言い切れるのでしょうか。


④ 現在バイアス

「いつか必要」より、「今ほしい」が強くなる。

最後は時間の話です。

たとえば、「半年後に役立つ情報」と、
「今日の悩みを解決する情報」がある。

どちらも価値はあります。

でも、人は将来のメリットと、今得られるメリットをいつも同じ重さで判断するわけではありません。

noteに置き換えると、「いつか役立つ」と、
「今の自分に必要」では、意味が違ってきます。

たとえば、「将来、独立するときに役立つnote」と、
「今月の売上を作るために悩んでいる人向けのnote」があったとします。

同じ情報量でも、受け手が感じる時間的な距離が違います。

もちろん、「今すぐ役立つnoteなら必ず売れる」という話ではありません。

人によって状況も違います。

タイミングも違います。

ただ、読者が「これは今の問題なのか?」を判断している
という視点は、持っておいたほうがいい。

作者は、「長期的に役立つ情報だから価値が高い」と考えている。

でも読者は、「それは分かった。でも、今じゃない」と考えているかもしれない。

そして、「今じゃない」は、かなり自然な形で、「今回は買わない」につながります。


4つの壁を並べてみる

ここまでの話を、難しい言葉ではなく並べてみます。

損失回避「買って失敗したくない」

現状維持バイアス「今のままでいい」

フレーミング効果「価値はあるかもしれないけど、そう見えない」

現在バイアス「必要なのは分かる。でも今じゃない」

どうでしょう。

この4つ、一つも、「このnoteには価値がない」とは言っていません。

ここが面白いところです。

価値があっても買われない。

必要だと思っていても買わない。

興味があっても先送りする。

失敗が怖ければ止まる。

つまり、「売れない」という結果だけを見ても、原因は分からない。

そこには、読者が何かを判断した瞬間があるからです。


では、「良いnote」とは何なのか?

ここまで来ると、最初の問いが少し変わってきます。

「どうすれば売れるnoteを書けるのか?」ではなく、
「そもそも、良いnoteって何なんだ?」という問いです。

情報量が多いnote。

文章が上手いnote。

専門知識が深いnote。

もちろん、それぞれ価値があります。

でも、それだけではありません。

読者にとっての価値は、「価値がある」だけでは成立しない。

その価値を、「自分に関係がある」と認識できるか。

「今の自分に必要だ」と感じられるか。

「買っても大丈夫そうだ」と判断できるか。

そこまで進んで、ようやく購入という選択肢が現れます。

ここまで読んで、「あれ?」と思った人もいるかもしれません。

そうなんです。

良いnoteを書くことと、
読者が良いnoteだと判断できることは、別問題なんです。

ここに、今回のテーマの本当の入口があります。


あなたのnoteは「価値がない」のではなく、「どこかで止まっている」のかもしれない

少し厳しい話をします。

売上が0だった。

だから、「自分のnoteはダメだった」と結論を出す。

でも、その結論は早いかもしれません。

実際には、

タイトルを見たところで離れた。

読んだけれど、自分には必要ないと思った。

内容には興味があったけれど、買うのは怖かった。

必要性は感じたけれど、今じゃないと思った。

無料部分までは読んだ。

でも、その先に進む理由を見つけられなかった。

こうした可能性があります。

全部、同じ「売れなかった」です。

でも、原因は全部違います。

ここを混同すると、「もっと文章を良くしよう」という結論に戻ってしまう。

そしてまた、文字数を増やす。

情報を増やす。

説明を増やす。

でも、読者が止まった場所は、そこではなかったかもしれない。

これが、「良いnoteなのに売れない」という現象を難しくしている理由です。


見るべきなのは、「書いたもの」ではなく「読者の判断」

noteを書くとき、僕たちはどうしても自分の側から考えます。

何を書いたか。

どれだけ時間をかけたか。

どれだけ調べたか。

どれだけ有益な情報を入れたか。

でも、読者が見ているのは、あなたがどれだけ頑張ったかではありません。

そのnoteを、

自分に必要だと思ったか。

信用できると思ったか。

今読む理由があると思ったか。

お金を払う理由があると思ったか。

そして、「今回はやめておこう」と判断したか。

ここです。

だから、売れない理由を探すなら、「もっと良い文章を書くには?」
だけではなく、「読者はどこで、何を判断したんだろう?」と考えてみる。

この問いに変えるだけで、見えるものが変わります。


そして、ここからが本当に面白い

ここまで読んだあなたなら、もう一つ気づいているかもしれません。

読者は、いきなり、「買う」か「買わない」かを決めているわけではない。

その前にも判断があります。

そもそも、「このnoteを見てみよう」と思うかどうか。

ここを通らなければ、その先の購入判断は存在しません。

どれだけ中身が良くても。

どれだけ専門性が高くても。

どれだけ時間をかけて書いても。

クリックされなければ、読者の判断の土俵にすら乗らない。

すると、最初の問いがさらに一つ手前へ戻ります。

読者は、一体どこで「見る」と決めているのか?

なぜ、あるnoteは気になって開かれるのか。

なぜ、別のnoteは内容を見る前に素通りされるのか。

その差は、本当に文章力だけなのか。

そして、あなたのnoteが売れない原因は、
「買わない」と決められた場所にあるのでしょうか。

それとも、そのずっと前。

「このnote、ちょっと見てみよう」と判断される場所に、すでにあるのでしょうか。

まだ、ここでは答えを出しません。

ここ持って帰ってほしいのは、一つだけです。

売れない理由を探すなら、記事を書いた自分ではなく、記事を読んでいる読者の「判断」を見なければならない。

あなたのnoteは、本当に「読まれたあと」に売れなかったのでしょうか。

それとも、もっと手前で既に、何かが起きていたのでしょうか。

じゃあ、読者は一体どこで「買わない」と決めているんだ?

そもそも、読者はどこで「このnote、見てみよう」と決めているんだ?

次回、なぜ、あなたのnoteは「クリックされる前」に負けているのか?


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