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おばあちゃんの右ストレート


私はおばあちゃん子だった。
優しくて温和なおばあちゃん像ではなく、
佐賀のがばいばあちゃん(島田洋七さんの小説)の様な人だ。
 
歯に衣着せぬ物言いで。
ズバズバ心に語りかけてくる。
昔は家の近くに住んでいたので、小学校の帰りに毎日通っていた。

おじいちゃんが大工の親方だった為。
おばあちゃん家の横は、大きなテントで囲われた、
【現場】と呼ばれる場所があった。

ここに業務用の大きな冷蔵庫があり、
好きなだけキンキンに冷えたジュースが飲める事も毎日通った理由のひとつだった。

怪我をしても、
「ツバ塗っといたら直る」
おばあちゃんのあるあるフレーズから。

「早死にするからスポーツの部活動なんかするな!」
というオリジナルのフレーズ。

「ケツの穴から手をつっこんで奥歯がたがたいわせたろか!」
このフレーズを日常生活の中で、あれほどナチュラルに使いこなしている人を、おばあちゃん以外にはまだ見た事がない。
 
いつもハキハキ大きな声。
三輪車に乗っけてもらい、よくたこ焼きを買いに連れていってくれた。
 
色々と大きな声で怒られもしたが、大好きなおばあちゃんで、
自他ともに認めるおばあちゃん子だった。
 
思い出話の後には、決まって悲しい結末がセットだが、

まだおばあちゃんはバリバリ生きているので、

今日の内容はハッピーエンド。

更におばあちゃんが好きになった話。

 
数年前、まだ授乳期の息子を連れて
2年振りにおばあちゃんに会いにいった。
 
親族が集まる中、泣きじゃくる我が子に、
妻が、
授乳ケープ(授乳時に上半身を隠す布。外出先や周囲の視線が気になる場所での授乳に必須のアイテム)を使って授乳を行ったまさにその時だった。


おばあちゃんの怒号が飛んだ。


『『「お前らは真っ暗闇で飯なんか食えんのか!!??』』

脳みそに直接右ストレートをくらった気分だった。

この発言には、正直賛否あるとも思う。
色んな人の視点があり。
考えがある。

でも、私には
こんなに【相手の気持ちになって物事を考えられる人】なんているのか。
と衝撃を受けた。

赤ちゃん側の目線になって、授乳ケープで授乳してもらう気持ちなんて、
考えた事もなかった。

相手目線で考えるという習慣は、
私も営業職が故。
多少の造詣があると自負していたが、おばあちゃんには到底及ばなかった。

この衝撃以来、
私は子供の目線で物事を考える様に努力している。

こんなでっかい人間にちょっとでも怒られたら怖いやろうな。。

下から見た自分は、子供からどんな風に映ってるんだろう。。

目線を低くしてお話する機会がグンと増えた。

いつも色々な気づきを与えてくれる。


益々おばあちゃんが好きになった話。

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