秀吉の奥歯を見て、523段登ってお墓参り
京都の豊国神社に行きました。
まずはお参り。
ひょうたんの絵馬を書いて、御朱印もいただきました。
御朱印をいただきながら、
「秀吉って神様になったんだ」と娘。
昔は、人が神様になるってなんだろうと思っていたけれど、
大事な人を特別に思う気持ちは、今なら少し分かる気がします。
そのあと、宝物館へ。
そこで見たのが、
秀吉の奥歯。
奥歯です。
あの、豊臣秀吉の。
何百年も前に生きていた人なのに、歯が残っている。
肖像画や甲冑を見るのとは、またちょっと違います。
急に「本当にいた人なんだな」という感じがする。
しかも!
もらったリーフレットには!!
その歯から秀吉の血液型が分かっている、という説明までありました。
秀吉、ほにゃらら型。
(ネタバレ感あるので、ここでは伏せておきますね。)
そんなところまで分かるんだ。
さらに、秀吉が使っていた枕もありました。

歯とか、枕とか。
歴史の教科書の中にいる人なのに、急に生活していた人として近くなる。「ここに頭を乗せて寝てたのか」
と思うと、なんだか妙にリアルでした。
豊国神社を出たあとは、方広寺の大鐘を見て、歩いて豊国廟へ向かいました。
その途中、娘が急に、
「これ! 鏡石じゃない?!!」と。

ものすごく大きな石が、普通に道沿いにありました。
特別な展示室にあるわけでもなく、本当に道の途中に、
どーん。
娘はすぐ反応。
だてに城跡ばっかり見に行ってない。
そのときは「鏡石っぽいね」と見て、そのまま豊国廟へ向かいました。
すると受付のおじさんが、
「途中に大きな鏡石があるから、あれは見た方がいいよ」
というようなことを教えてくれて。
私たち、
「あ! 見た!」
さっき娘が見つけた、あの石でした。
方広寺の大仏があったころに使われていたという鏡石だったんです。
娘、当たってた。
そして、豊国廟へ。
ここからが大変です。
入口には杖が置いてありました。
最初は、
「いや、杖はいらないでしょ」
と思っていたんですが、娘が面白がって、私たち全員に一本ずつ持たせてくれました。
結果、これが助かった。
石鳥居から、秀吉のお墓がある一番上まで523段。
マンションでいうと、だいたい30〜35階分くらいです。
ひたすら階段。

私は途中からハーハー、ぜーぜー。
でも娘は早い。
その娘についていくパパもすごい。
私だけ少し遅れて、ようやく一番上に到着しました。

そこに立つ五輪塔は、大きくて、立派でした。
すごい。
ここに、あの豊臣秀吉が眠っている。
そう思うと、なんだか信じられないような気持ちになります。
教科書や歴史の中にいる人物が、急にすぐ近くにいるような感覚、再びです。
ピラミッドも、古墳も、どうしてお墓があんなにも大きくなっていったのか。
ここに立つと、少しだけ分かるような気がしました。
しかも、この五輪塔は日本で一番大きいともいわれるもの。
これだけの石を、こんな高いところまで運び、ここに建てた。
その事実まで考えると、ただ「大きなお墓」というだけでは終わらない。
秀吉という人が生きた時代や、その死後まで続いた存在の大きさを、石そのものから突きつけられるようでした。
また、そこからは、遠くに清水寺も見えました。
階段も長いし、敷地もかなり広い。
それなのに、人がいない。
こんなにすごい場所なのに、びっくりするくらい静か。
ちょっとした穴場でした。
さっきまで宝物館で、
秀吉の奥歯を見て、
枕を見て、
「ほにゃらら型なんだ」
なんて話していたのに、
今度は、その本人が眠っている場所まで523段登ってきた。
お墓の前で娘が、
「豊臣兄弟見てます! すごいおもしろいですね!」
と声をかけていました。
それから最後にもう一度、家族で静かにお参り。
そして、また階段を下ります。
下まで戻って、改めてご挨拶をしていたときのこと。
娘の花柄のワンピースに、小さな紫色のちょうちょが止まりました。
すぐ飛んでいくのかと思ったら、ワンピースの花から花へ移りながら、ずっと娘のそばにいる。
娘もじっとしていました。
私たちも、そのまま見ていました。
秀吉の奥歯を見て、
枕を見て、
大きな鏡石を見て、
523段登ってお墓参り。
最後は、娘の花柄のワンピースに小さなちょうちょ。
この日の秀吉めぐりは、なんとも不思議な終わり方でした。
