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『急に家賃を上げます』と言われたら。不動産の仕事をしてきた私が、そっとお伝えしたいこと

不動産の仕事をしていると、
「こんな相談、実はよくありますね」という話に出会います。

そのひとつが、「急に家賃を上げると言われたんですが……」
という相談です。

ある日、借主さんのところに届いたのは、
「〇〇月から家賃を上げます」という通知でした。
今まで10万円だった家賃が、16万円になります、という内容です。

数字を見た瞬間、だいたいの人は一度、手紙を置きます。
そして、もう一度読み直します。
それでも、金額は変わりません。

理由として書かれていたのは、「近隣の相場が上がっているから」
という説明。
もっともらしく聞こえますが、借りている側からすれば、
昨日までと何も変わっていないのに、という気持ちになります。

こういう話が起きやすいのは、
建物の所有者が変わったときです。
新しい持ち主は、「せっかく買ったのだから、収益を上げたい」
と考えます。
その流れで、まず話題にあがるのが「家賃の見直し」です。

ここで、不動産の現場にいる立場から一つだけ言えることは、
家賃は、数字だけで決まるものではありません。

立地、見えやすさ、使い勝手、
そして、「どういう前提で借りたか」。
そうした条件の積み重ねで、家賃は決まります。

たとえば、
表通りに面した店舗・事務所と、
半地下で入口も目立たない店舗や事務所。視認性ですね。
不動産の感覚では、同じ相場になることはないのです。。

だから、もし
「家賃を上げます」と言われても、
その場で答える必要はありません。

電話がかかってきたら、
「書面でください」
「検討してからお返事します」
それだけで十分です。

書面でもらえば、落ち着いて考えられます。
本当に周りと比べて高いのか。
その物件は、条件が似ているのか。

また、契約してからあまり時間が経っていない場合、
「急に不相当になった」と言われても、
現実的とは言えないことも多いのです。

大切なのは、感情的にならず、
静かに、筋の通った形で伝えることです。

「今回は納得できません」
「今の条件で続けたいです」
それを文章にして伝えるだけで、
相手の反応が止まることもあります。
なぜなら、家賃の値上げには貸主・借主の合意が必要だからです。

もし、更新のタイミングでまた言われたら。
そのときは、そのときで考えればいい。
条件が合わなければ、出るという選択肢もあります。

借りている場所は、
「我慢して居続けなければならない場所」ではありません。
選べる立場でいること。
それが、いちばんの安心につながります。

慌てずに 選べる立場と 知る安心を


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