【訪問記】武雄市図書館に行ったら住みたくなった話 〜読書家として「諦めた」1つのこと〜
はじめに
「ここに住めたら良いのに…」
人生でそう思った瞬間が、あなたには何回あるだろうか?
いきなりの自分語りで大変申し訳ないが、筆者には2回ある。
①パリ・ルーヴル美術館(全展示を見たいと思った)
②新婚旅行のオールインクルーシブ宿(快適すぎた)
世界最大級の史跡、人生で一度きりのハネムーンとなれば、心を焦がす感動があっても驚きはしない。
しかし今回、佐賀県・武雄市にある武雄市図書館を訪問して、比肩するくらいの感動を覚えてしまった。

一生かかっても読み切れない本の数、本を見つけやすいユーザ目線の設計。そして静かな空間に、親切なスタッフ…まさに至れり尽くせりだったからだ。
そして見事(?)、3回目の「ここに住みたい」欲が発動した。
後ほど理由については詳述するが、武雄市図書館は遠方からでも訪れる価値のある施設だと断言できる。
しかし大都市圏から離れた佐賀県に位置するため、多くの人にとって、訪問に大きなハードルがあるのも事実。
だからこそ「行ってみたい」「気になる!」と感じた読書家・本好きの背中を1㍉でも後押ししたいと思って、このnoteを書くことにした。
感想をお伝えする前に、先に断っておきたいことがある。
じつはこの武雄市図書館、施設内の2ヶ所しか撮影できないのである…!
そして先ほど、2枚のうち1枚を使ってしまった…!
写真でビジュアルに訴えるな。文章でココロをつかめ。
ライターとしての力量が大いに試されているが、どうかお手柔らかにお願いしたい・・・m(_ _)m

訪問のきっかけは1冊の書籍

「武雄市図書館に行きたい」と思ったのは、以下の本を読んだのがキッカケである。
自治体が民間企業(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に運営委託した経緯や元市長の考えを紹介している1冊だが、度肝を抜かれたのがそのスピード感。
彼は着想を得てから、わずか1年ちょっとで運営をスタートしている。
旧態依然として動かない行政が多い日本において、すばやく行動して形を残した元市長。
その結果、生まれ変わった図書館とは、いったいどのような場所なのだろうか…?
シンプルに好奇心がかきたてられ、「この目で見てみたい!」という思いがふつふつと湧いてきたのである。
武雄市図書館に住みたくなった理由

わたしが武雄市図書館に住みたくなった理由(いわゆる「推しポイント」)は、ズバリ、以下の7つである。
1.蔵書の数が半端じゃない
2.本棚に検索機がたくさん付いている
3.本を探しやすいジャンル分け
4.DVD、マンガあり
5.ホスピタリティがすばらしい
6.すみわたるような静けさ
7.図書館の本を隣接するスタバで読める
1.蔵書の数が半端じゃない
百聞は一見にしかず。ということで、2枚しかない写真のうち、とっておきの残り1枚をお見せしよう。
ジャジャジャジャーン!!!

写真1枚で想像力を働かせるよう強制して申し訳ないが、この本棚の裏側とか、奥の方とか、さらにその奥とか、はたまたその裏側とか…
あらゆるところに本が埋め尽くされているのだ…!
そもそも1つの本棚が、首を上に58℃くらい傾けないと全て視界に入らない。そんな本棚が、そっこらじゅうにひしめいている。
本、本、本。どこもかしこも、本だらけ。
ちなみにこの写真は2階で撮影しているため、下のフロアでも同じ現象がもれなく発生する。
武雄市民、自宅に本棚いらないよ。だって図書館に来れば、何でもあるもん。古い本だけでなく、新しい本もかなりの量が置いてあるし。
本気でうらやましいと思った。
2.本棚に検索機がたくさん付いている
そもそも本屋とか図書館って、本の検索機が少なくないだろうか…?
💡本を見つけるのに、まず検索機を見つける必要
→見つかったら見つかったで、別の人が使っている
→1冊の本を見つけたら、また別の本を探したくなる
→検索機を…(以下、繰り返し)
…みたいな現象が頻繁に起こる。地味にストレス。
でも武雄市図書館は、そこかしこに検索機があった。体感としては「あ、ここにも」「また見つけた」という感じ。
パッと検索して、すぐに読みたい本にありつけるのは、読書家にとっての理想郷。素晴らしきユーザー目線にアッパレ!
3.本を探しやすいジャンル分け
図書館における本の分類について考えたことがあるだろうか?
「日本十進分類法」に規定されている3桁の数字に基づいて分類されることが多いのだが、問題点も多い。
カンタンに言うと、利用者がピンと来ないのだ。
たとえばガーデニングの本が「産業」ジャンルに置かれてしまう。利用者からすると、見つけるのに朝から晩までかかりそうな難易度である。
しかし、武雄市図書館は違う。
エッセイ、教育、サブカルチャー、ブログ、インターネット。
だれが見ても分かるような分類法を採用しており、読みたい本が秒で見つかる。
これまたユーザー目線の仕組みに、心をつかまれました…!
4.DVD、マンガもある
本だけでも一生かかって読みきれないのに、DVD・マンガも結構な数が置かれていた。
いやいや、そこまでカバーしとるんかい…と思ってしまった。
2階にはDVDを視聴できる専用スペースがあったし、『キングダム』など有名なマンガも普通に置かれていた。
これなら本を読むことが苦手な人でも、DVDやマンガが読めるから「図書館に行こうかな」「本も読んでみようかな」と思えるのではないだろうか。
読書がより身近に感じられる空間だと感じた。
5.ホスピタリティがすばらしい
ハード面だけでなく、ソフト面も良かった。
高い棚にある本が取れずに困っていると、スタッフの方がヘルプに来てくれるのだ。
ここはリッツ・カールトン?いやいや、完全無料の公共施設です…!
印象的だったのが、電光掲示板に表示されているメッセージ。
「高い棚にある本をご希望の方は、スタッフまでお声がけしてください」
見た目だけでなく、使い勝手にも配慮されている。利用者としては、その心意気がうれしいのだよ…(歓喜)
6.すみわたるような静けさ
平日だったからかもしれないが、図書館の中は「静寂」のひとこと。
「どのくらい静かなん?」と聞かれそうなので、説明すると…↓
・遠くで咳払いしている人がわかる
・スタバでお皿の重なっている音がきこえる
・ノイキャンイヤホンがいらない
都会のカフェってぜんぜん静かじゃなくて、ワイガヤで騒々しい。リラックスしに来ているのに、心が休まらない。これなら自宅で良いじゃん…って。
でも、武雄市図書館は違う(2回目)。
YouTubeの作業BGMとかにありそうな、適度な雑音にあふれている空間。適度なdb(デシベル)が居心地の良さを何倍もグレードアップしている。
こりゃすげぇ…と唸ってしまった。
7.図書館の本を隣接するスタバで読める
スタバでは、併設されている蔦屋書店の本はもちろん、図書館の本も読めてしまう。
図書館併設のスタバに行ったことがなかったので、念のためスタッフの方に大丈夫か確認したら、「キョト〜ン」とされた。
これって、当たり前なのだろうか…?(恥ずかしい)
常識(?)を超えてくる利便性に、こちらも「キョトン」で返してしまった。
運営方法には賛否両論あるようだが、個人的には住みたくなるレベルで良かった。
補足として…
・年中無休→いつでも行ける
・営業時間も9:00〜21:00→毎日通える
・こども図書館もある→教育にも良さそう
いやいや、ホント神。住みたくなるよ、コレは…!
読書家としての「気づき」

武雄市図書館を訪問した後、読書家として大きな心境の変化が2つあった。
1.多読とは「終わりなき旅」だ
2.本との出会いは「奇跡」である
多読とは「終わりなき旅」だ
1つ目は、シンプルに「諦め」である。
「世の中にはたくさんの本があるが、すべて読むことは不可能である」
頭のなかでは分かっていたつもりだった…しかし押しつぶされそうになる蔵書を前にすると、手触り感がまったく違うのである。
たとえば、1つの棚を見上げる。
約10段あるのだが、1段に30冊近い本が所蔵されているため、1つの棚だけで300冊前後の書籍がある計算だ。
この300冊の集合体が、永遠と連なっているのである…!
かたや、こちらは年間(たった)200冊を読んで「たくさん読めた〜♪」と大満足している一兵卒。
多読しまくっても、1年かかって読み終えられるのは、たった1つの棚だけ…
これを「諦め」と言わずして、なんと表現できるのか?
…と思ったところで、脳裏をよぎったのが以下の書籍の内容である。
諦めるとは仏教用語で「明らかに観る」という意味で、ポジディブな要素を含んでいる。
だから「諦める」というのは悪いことではないのだ。
数を追いかける読書にゴールは存在しない。だから別の目的を持って、読書という行為に向き合いたいと思う。
本との出会いは「奇跡」である
一方で、星の数ほど本が存在する世界において、自分にピッタリの本に出会えるのは「奇跡」に近いと思う。
ある人が1冊の本を手に取り、すべて読み、心の琴線に触れて、お気に入りの1冊になる…それって、いったいどのくらいの確率なのだろうか。
天文学的な値ではないにしても、ちょっとした懸賞に当たるよりは珍しいのでは?と思ってしまう。
人との出会いも縁ならば、本との出会いも縁である。
これが圧倒的な本の物量を目の前にして、一介の本好きが感じた素直な思いである。
ツナグ図書館の活動を通じてご恵贈いただいた本を書評しているが、これまた素晴らしい縁なので大切にしていきたい。
書評記事のまとめは、コチラ↓↓↓
訪問したい方へのアドバイス

以上が、住みたいくらい良かった武雄市図書館の推しポイントと、読書家としての気づきである。
ここまで読んで、興味は持ったけど「佐賀?武雄温泉?ちょっと遠いんだよな・・・」と思った方へ。
じつは佐賀空港からリムジンタクシーがあり、1時間くらいで到着するので、アクセスは思ったよりも悪くなかった。
料金は1人4,000円(2人目以降は半額)。Web予約もできて楽チンだし。
武雄温泉駅前には、ちょっとした本屋(武雄 旅 書店)もあるので、読書三昧もよし。

読書目的だけはちょっと…思うなら、温泉・サウナで有名な「御船山楽園ホテル」を訪ねるも良し。

訪問を考えている方の参考になれば、読書家&noter冥利につきる。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
武雄市図書館に行きたいと思った方・行ったことがある方は、ぜひコメント・𝕏のDMでお知らせください。
読書好きの方とつながれるとうれしいです!
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「小説のアウトプット、どうやるの…?」
— ほしくん|Audibleオタク (@hoshi_books) April 30, 2025
おもしろかった。考えさせられた。ありきたりな感想しか書けず、悩んでいた。でも本書を読んでスッキリ解決。①ありのままの感情を、②自分の言葉で表現し、③よかったところを具体的に挙げる。そうそう、これが知りたかったんよ…!となること間違いなし👇 pic.twitter.com/hg4rjJGVNW
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