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【7/31(金)まで】夏の星々(140字小説コンテスト2026)夏の文字で作った選考委員の作品を紹介します!

「季節の星々」は季節ごとの課題の文字を使ったコンテストです(春・夏・秋・冬の年4回開催)。

夏の文字 「器」
選考 ほしおさなえ 季節の星々選考委員会
応募期間 2026年7月1日(水) 0:00 〜 2026年7月31日(金) 23:59
作品数 ひとり3編まで

年間グランプリ(2022年度までは「星々大賞」)の受賞者(へいた/のび。/石森みさお/kikko/酒部朔日/祥寺真帆)と星々の140字小説担当の四葩ナヲコで結成する7名の「季節の星々選考委員会」のうち、各回4名が持ち回りで選考を受け持ちます。

選考委員も作品を執筆しました。
夏の課題文字「器」を使った作品をお楽しみください!

縁の欠けた皿に水を張り、野花を添えて花器にする。別れた恋人はそういう気質の人だった。そして一人で生きてきた。役目を終えたら死ねばよい、人生に別の意味を持たせることもない。そんな心持ちはまさに欠けた皿だったのだけれど。存外長生きした最期、私の白く欠けた骨に、野花を手向ける人はない。

石森みさお(夏 選考担当)

人間嫌いの男が強盗撃退用の鈍器として屋敷の玄関に花瓶を置き、一つでは心もとないので増やし、やがて庭で陶芸を始め、玄関も廊下も寝室も階段も窓際も庭も道も花瓶で埋め尽くした。以来誰も彼を見ていないが、三百年経って廃虚になった今も時々「できた!」という声の後、花瓶が増える。新作は花柄。

kikko(夏 選考担当)

水族館を「すいぞっかん」と言うのが、なんか良い。水族館はいのちを抱く大きな器。静かな夜、オオカミウオは思い出す。いつもの姉妹が来てくれた。姉は固く幼い妹の手を握っている。岩場に隠れた僕を探すのは姉の方だ。その時だけ、繋いだ手が緩む。僕はやがて発見される。すいぞっかん、楽しいかい。

酒部朔日(夏 選考担当)

小さい頃、とろろ汁の芋をするのがわたしの仕事だった。大きなすり鉢を足で挟んですりこぎを回す。お前がすると美味いと父も褒めてくれた。熱心、丁寧、働き者の器量良し。耳にしたことのない褒め言葉までごりごりすり鉢が歌う。一人暮らしの台所にも小さなすり鉢。ごりごり。自分のための胡麻をする。

へいた(夏 選考担当)

まあるい楕円形の皿だった。さっきまで眺めていた海の色に似ていた。泣きそうになったのは、パスタを作ってこれにのせたいという自分のなかの活力に気づいたからだ。旅先にも関わらず私はその食器を買った。この皿で食事をするとあの景色の味がする。おおらかで、生きる炎を灯してくれた青。

祥寺真帆

お客さま用の食器はなんでも五つでひと揃い。五人組のお客は現れず、使われないのがいてかわいそう。切子のタンブラーでこっそりココアを飲み、叱られた。今の部屋にお客さまは来ないので、お気に入りの食器はひとつずつ。あのタンブラーも連れてきた。毎朝、麦茶を注いでやると、きらきら光って喜ぶ。

四葩ナヲコ

「夏の星々」は7月31日(金)までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、過去の受賞作などは以下のリンクをご覧ください。)

140字小説コンテスト「季節の星々」

受賞作の速報はnoteやX(旧Twitter)でお伝えします。

優秀作(入選〜2次選考通過の作品)は雑誌「星々」(年2回発行)に掲載されます。
また、年間グランプリ受賞者は「星々の新人」としてデビューし、以降、雑誌「星々」に作品が掲載されます。
ご応募お待ちしております!


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