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プロローグ

宇治市六地蔵奈良町 ほそだ内科クリニック院長の細田正則です。
1990年に祖父 細田忠四郎、父 細田四郎と同じく京都府立医科大学を卒業し、同年に医師免許を取得しました。
消化器内科を専門として研鑽を積んできましたが、好きなことは「胃カメラをすることと口腔内をみること」。
見えるものは全部読み取りたいと思っています。
医学部卒業から15年目ぐらいの頃から、いずれ開業して地域医療に継続的に関わりたいと考え、この開業コンセプトをあたためてきました。

当院のミッションは、
● 健康や老化・病気の源泉に眼を向け患者さんのヘルスケアパートナーになること
● 歯科口腔衛生の向上により健康長寿の実現をお手伝いすること
● 患者さんと他のドクターの役に立つこと。

まるで歯科医院のようなミッションですね?
でも医療機関の理念に医科と歯科の境界はないはずではありませんか?
今でこそ医師が歯科受診を勧めることも珍しくなくなりましたが、2010年頃まではまだ稀なことでした。

なぜ歯科医師でない私が、これほど歯科口腔にこだわるようになったのか。きっかけは幼少期の歯科受診体験にさかのぼります。人生で最初に出会った歯科医師は小学生の頃、京都市中京区の医院の院長先生でした。2人目は、医師と歯科医師のダブルライセンスを持つ大学病院の先生。関節リウマチの母の付き添いで通ううちに、子ども心にその二刀流の姿に憧れたのを覚えています。そして医学部6回生のとき、開口障害やクリッキング、顎二腹筋の痛みといった顎関節症を発症し、3人目の歯科医師にスプリントを作っていただきました。この持病はその後も周期的に悪化と寛解を繰り返すことになり、後の診療観に大きく影響することになります。

1990年に京都府立医科大学を卒業して医師免許を取得し、大学附属病院の研修医として医師人生を歩み始めました。決定的だったのは、内科医となったこの頃に出会った2つの症例です。ひとつは、あらゆる検査をしても原因不明だった「不明熱」の若い女性患者さんが、実は歯科口腔領域の感染症だったケース。内科医にも歯科口腔を診る習慣と知識が要ると痛感しました。もう一例は、消化器内科の日常診療で目にした光景です。当時ピロリ菌と消化性潰瘍の関連はまだ十分に解明されておらず、胃潰瘍・十二指腸潰瘍で入院・絶食となる患者さんは少なくありませんでした。絶食期間中は義歯を外して保管するのが当たり前で、経口摂食が再開し退院する頃には、入れ歯を戻すと合わなくなっていることがしばしばあったのです。「絶食なので入れ歯は外しておく」が多くの医科医療者の習慣になっていて、何の疑問も持っていなかったのでしょう。

「消化器は口腔に始まる」と語っていた内科医の父の影響もあり、研修医時代からすでに口腔内視診を診察の基本にしていた私は、内科を受診する患者さんに残存歯の少なさや口腔衛生の不良、適切でない補綴物が目立つことに気付きました。歯が悪い人、口腔衛生の良くない人は病気がちなのではないか?そう感じたことが、私が歯科口腔にのめり込むことになった原点とも言えます。


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