詩 | すべて もとどおり |シロクマ文芸部
波の音に似ている
一定のリズムで訪れる
ザバーン ザバーン
今日もこの道を行き交う
せわしない車の群れ
舗装のあまい凸凹道に
何食わぬ顔でタイヤが飛び込む
ザバーン ザバーン
あの日聞いた波の音に似ている
波は何度もやってきて
ためらいもなく
波打ち際で砕け散る
ザバーン ザバーン
凸凹道の泥水も
なにごともなかったように
またそこに溶ける
あんな大きな音が
嘘みたいに
一瞬で壊れて
一瞬でまとまる
何度も壊れて
何度もまとまる
すべて もとどおり
波の音が私の鼓膜に
そっと耳打ちしている
