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「繋ぐ」の呪縛~地方と都市を農作物で繋ぎたい人と農家の私~

農家は「繋ぐ」人に何を期待すればいいのだろう?
もっとも、一番現実的なことを言えば、「大量に仕入れてくれること」であるのだが。

新進気鋭の「繋ぐ」人たち

私が農業を始めたせいもあるのかもしれないが、頻繁に「繋ぐ」人と出会ったり、SNSでその存在を認識するようになった。

「地方と都市を繋ぎたいんです」

を合言葉のもとに、都市部のおおよそ20~40代と思しき新進気鋭の起業家たちが農家へアタックする。
彼らの「繋ぐ」という執念がどこから生まれているのかはわからないが、風呂の温度で言うと48度くらいはあるようだ。つまり、知らずに湯船につかると、火傷してしまうような水温なのである。

鎖で「繋がれる」?

さて、「繋ぐ」という言葉を考えたときに、思い浮かぶイメージはどのようなものなのだろう。たとえば、これだ。


手を「繋ぐ」。繋がりたい人と繋がれる人が手と手を取り合うようなイメージといえようか。しかし、私が思うに、

一軒の農家(≒鍵)に複数の鎖が「繋がれている」場合もある。つまり、一方的に農家に鎖がかけられる、すなわち繋ぐ側のエゴばかりが見えてしまうということだ。

消費者と直接「繋がる」ことができる時代

今や産直EC(消費者個人と農家が直接生産物を販売・購入できるオンラインシステム)を利用して、またSNSでファンづくりに成功している農家はエンドユーザーである消費者と自分で「繋がる」ことができるようになった。

つい最近までは農協や卸業者への販売のみで最終的に誰が食べているのか?(≒エンドユーザー)が見えない形態だった産業からすれば大きな変化ともいえるだろう。

「繋ぐ人」にビジネスとして求めること

では、農家自身で「繋がる」ことのできる今、私も含め農家は消費者と農家自身の仲立ちをする人、すなわち「繋ぐ」人に何を期待すればいいのだろう。
もっとも、一番現実的なことを言えば、「大量に仕入れてくれること」である。農作物はいくら消費者への直接販売で価値付けできるとはいえ、まだまだ価格が安いのが現状だ。しかも生鮮作物は鮮度が落ちると、商品価値が0になることも少なくない。そのため、農作物は「安いのに、ダメになりやすい(在庫を持てない)」という極めてビジネス的には販売がムズカシイ商品なのだ。

またいくら消費者と繋がれる時代になったとはいえ、今でも農家の売上の大半は農協や卸業者との間で生み出されていることにも注目したい。それは、やはり「大量に仕入れてくれる」からだ。例えば、ミニトマトを個人消費者が注文するとしても、それは多くても1kg程度の話である。ただ農協や卸業者は数十kg単位で取引してくれたりもするわけだ。
加えて、意外に梱包にも手間がかかる。1㎏の箱を何個も作るよりも、10kgの箱一つで済む方が効率が良いというのは、なにも農作物に限った話ではないだろう。

「繋ぐ」人と「繋がれる」人(まとめ)

確かに「繋ぎたい」という熱意は、私自身が農家として「繋がりたい」と思う気持ちと一致する部分も多々あると思う。それがあるからこそ、私も個人消費者への販売を力を望んでいるし、それを示すものとして手書きメッセージにも力が入る。
しかし、それを仲立ちを依頼してまで販路拡大に取り組むというアクションは、適正な価格や取引量が担保されていて初めて実現するものだと思えてならない。もしくは農協やこれまでの卸業者との取引では出会えないような顧客への販路が期待できるときであろう。

「繋ぐ」人が唱える「地方と都市を繋ぎたいんです」は一見、新規性がありチャレンジングなビジネスに思える。しかし、地方と都市を繋ぐだけでは、これまでの農協や卸売業者が行ってきたそれと大差がない。そして今日のエンドユーザーと農家自身で繋がれる時代では、なおさら「繋ぐ人」には規模の大きなロットでの発注を望みたくもなってくる。

最後に、異なる文脈ではあるが、やはり農業従事者は年々減少、また高齢化が進む。つまり、いくら繋ごうとしても、繋がれる側が一層少なくなっていくのである。

だからこそ、やはり繋がり方には繋がれる側としても慎重にならざるを得ないのだ。
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偉そうなこと言ってますが、正直いざ農作業をしていると「営業」「販売」まで考えるのって大変なんですよね。単純に農作業で手一杯になりがちなので。また販売に気がとられすぎると、農作物の品質が下がったりするという・・・。

となると、やはり「繋ぐ」人がいてもらわないと農業なんて続けられないなと思うことも多いのです。ざっといえば、生産者からすれば営業や販売の代行的な感じになるんですかね。

★日が長くなってきたので、そろそろ畑にも戻ろうかな・・・


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