【映画感想文】PiCNiC
岩井さんの映画監督30周年を記念した特別企画、「IWAI SHUNJI The Film Works 30th Anniversary 1995–2025」。
「Undo/PiCNiC」を観た。
今日は「PiCNiC」の話がしたい。
精神病院を抜け出した3人の若者が、病院と社会との境界である塀を伝って「世界の終わり」を見に行こうとする。
塀から落ちてはいけないというルール。
道路に引かれた白線、横断歩道の白線、それ以外の場所を踏んだらゲームオーバーと決めてスリルを味わいながら道を歩いた記憶は、私だけのものではないだろう。
それは誰もが経験したことのある遊びかもしれない。
だが精神病院で暮らすツムジ、サトル、ココの3人。彼らを取り巻く狭い世界の中は、全てが異常だ。揃いの白い病院着、絶対的に従わねばならない職員たち。規則を破ると待っていること。
だからこそ、この塀の上のPiCNiCは、奇妙で
狭い世界の中だけで生きてきた彼らが、
塀の上の冒険中に出会った神父が、彼らを取り巻く環境の異常性を強く抉り出してある。
塀から降りられないツムジとココに対して、
ならば私が、と神父という外側の人間が接触してくる。
この時神父が譲り渡した聖書が、ツムジにとっての救済であり、本当の意味での「外の世界」だった。
印象深い映像は、画面いっぱいに広がるのが、スローモーションで舞い散る黒い羽根だ。ココという人間の力強さと美しさが、こんな映像美で表現されるのか、と息を飲んだ。
CHARAさんのもつ唯一無二の存在感、素敵だなあ。
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そう、この記事が面白かったのだ。
『PiCNiC』岩井俊二×浅野忠信×CHARAが挑んだ境界線上の人々【そのとき映画は誕生した Vol.1】
シナリオ上は、先述の神父が語り部的な役割を果たしていて、ラストも灯台ではなく、彼らのピクニックのあと、神父のいる教会で幕を閉じるらしい。
