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あんこ屋の歴史から見る、弊社の経営方針

こんにちは。
板谷です。

前回の記事に、
3代続く中で、どのような工夫をし、どのような考えで生き残ってきたのか。
また、経営面のことや、あんこに対するこだわりも聞いてみたい、というコメントをいただきました。

今回は、そのコメントをきっかけに、あんこ屋の歴史をたどりながら、そうした時代背景の中で弊社がこれまで取ってきた経営方針について書いてみようと思います。

あんこ屋はどのように生まれたのか

現代のような甘いあんこは、
江戸時代に砂糖が広く流通するようになってから成立したと言われています。
もともとは和菓子屋さんが、
それぞれ自家製であんこを炊いていたそうです。

明治の文明開化を経て大量生産の時代に入ると、あんこを専門に製造する機械が生まれ、あんこだけをつくる業者も現れるようになりました。これが、現在の「あんこ屋」の始まりだと考えられます。(ちなみに当時は砂糖が入っていない生餡(こしあんのもと)のみを作る仕事でした。)

戦時中、食料統制が行われ、砂糖の使用も大きく制限されました。そのため、多くのあんこ屋は一度、休業や廃業を余儀なくされたとされています。

戦後はあんこ屋の最盛期

1960年代の弊社

そして戦後。
物流が戻り、砂糖が再び流通するようになると、人々は強く甘いものを求めるようになりました。

この時代に、チョコレートやあんこが非常によく売れ、あんこ屋にとっての最盛期だったとも言われています。まさに、作れば作るほど売れた時代でした。

その流れの中で、戦後に再開するあんこ屋もあれば、新たに創業する会社も生まれました。弊社も、そうした戦後の時代の中で生まれたあんこ屋です。

あんこ屋が減っていった背景

その後、数十年、新規に創業したあんこ屋の話は聞きません。
一方で洋菓子の広がりや、あんこの売価に対して製造設備の負担が大きいことなどもあり、廃業するあんこ屋が増えていきました。
福岡市でも、30年前には20軒ほどあったあんこ屋が、今では3軒しかありません。

あんこ屋の歴史には、戦後復興、高度成長、洋菓子文化の広がり、設備投資、価格競争といった時代の流れが色濃く刻まれています。
そして、そうした時代の中で、各社はそれぞれ異なる経営判断を重ねてきたのだと思います。

弊社が取ってきた経営方針

このような流れの中で、弊社が取ってきたやり方は、少し独特かもしれません。

まず弊社は、多くの会社が廃業する中、
他社がすでに深く入っている先に対して、
安さで勝負したり、無理に入り込んだりすることを、基本的にはしてきませんでした。
いわゆる正面からの奪い合いを避け、
取引があるお客様と一緒に成長していくことを大切にしてきました。

実際、取引開始当初は小規模だったお客様が、その後大きく成長され、結果として弊社も一緒に成長させていただいた、というケースがいくつもあります。ある意味では幸運とも言えるかもしれません。ただ、その幸運を支えたのは、安定して質のよいあんこを届け続けてきたことだと思っています。

そのように信頼関係を積み重ねていくと、たとえ他社が営業をかけてきたとしても、簡単に取引が切り替わることはありません。価格だけでは動かない関係を築いてきたことは、弊社にとって大きな財産です。

また、近年はあんこ屋そのものが減っており、廃業されるところも少なくありません。そうした中で、無理に他社の得意先へ踏み込まなくても、敵対していなければ、廃業時、取引先が自然と受け継がれることもあります。

さらに、多くのあんこ屋が今なおホームページを十分に整備していない中で、弊社は簡単ではありますがホームページを持っていることで、県外のお客様からお問い合わせをいただくこともあります。そうした積み重ねによって、現在の弊社の安定した経営が成り立っているのだと思います。

十勝での小豆収穫の様子


もう一つ、大切にしてきたのが原料産地との関係です。小豆の良し悪しは、あんこの品質を大きく左右します。昨今の気候変動で先が読めない中、良質な小豆は限られています。そのため弊社では、産地の方々やJAの皆さまと継続して関係を築くことを大切にしてきました。毎年北海道を訪ねたり、産地の方がこちらに来られた際にお会いしたりしながら、質のよい小豆を安定して仕入れられる関係をつくってきました。

安さではなく、
信頼と品質を積み重ねる


安さで勝つのではなく、信頼と品質を積み重ねること。時代の流れに振り回されるのではなく、その中で自分たちなりの立ち位置をつくること。それが、弊社がこれまで取ってきた経営方針だったのだと思います。

弊社は中規模のあんこ屋です。
大量生産で価格勝負をするよりも、回転焼やパンなど、あんこを主役にした商品に合わせて、そのお店に合ったあんこをつくることを得意としています。
これからも、お客様にとってかけがえのないパートナーであり続けられるよう、あんこ屋を続けていけたらと思います。
あんこ屋の仕事は、外からは見えにくい部分も多いと思います。
また、少しずつ書いていけたらと思います。

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