見出し画像

披露宴のあとの、静かな時間。|KOYO.RION 沖縄編 第8話

2026年6月26日、沖縄で迎えた次男こうようとりおんの結婚式。
にぎやかな披露宴が終わり、家族4人で過ごした静かなホテルの夜。
父DECKYが、結婚式が本当に終わったことを少しずつ実感していく時間を振り返ります。



披露宴がお開きになっても、

すぐにすべてが終わるわけではなかった。

さっきまで三線や太鼓の音が響き、

笑い声でいっぱいだった会場。

そこから少しずつ人がいなくなっていく。

僕はその景色を見ながら、

「ああ、終わったんやな」

と、ようやく実感し始めていた。


「おめでとう」が、まだ続いていた

披露宴が終わると、
こうようとりおんの周りには、まだたくさんの人が残っていた。

家族。

親戚。

友人たち。

何度も「おめでとう」という声が飛び交う。

最後には、みんなで写真も撮った。

家族で。

兄弟で。

親戚も一緒に。

披露宴の中では、ゆっくり話せなかった人たちとも、
ロビーに出てから少し話をする。

久しぶりに会った人同士の会話もあちこちで続いていた。

まだ結婚式の空気は残っている。

でも、少しずつ終わりに向かっているのが分かった。

さっきまで笑い声でいっぱいだった場所から、人が少しずつ帰っていく。
そのときになって、ようやく「終わったんやな」と感じ始めた。


さっきまで笑い声でいっぱいだった場所から、人が少しずつ帰っていく。そのときになって、ようやく「終わったんやな」と感じ始めた。


若い人たちは、そのまま次の時間へ

こうようたちの友人は、
そのまま二次会へ向かうようだった。

まあ、そこは若い人たちだけで楽しめばいい。

親が一緒に行っても、
たぶん気を遣わせるだけやろうし。(笑)

それに、最後に支払いだけこっちへ回ってくるようなことになっても困る。

そんなことを考えながら、
僕たちは会場をあとにした。

式が始まる前は、
あれだけ天気ばかり気にしていた。

雨はどうや。

空はどうや。

台風はどうなる。

そんなことばかり考えていたのに、

帰る頃には、
不思議なくらい台風のことを考えていなかった。


ハレクラニへ戻る

帰りは、りえの運転だった。

車の中も、
行きとはまったく違っていた。

朝は天気を気にしながら会場へ向かった。

今はもう、結婚式が終わっている。

こうようとりおんは夫婦になった。

その事実が、
車の静けさの中で少しずつ僕の中に入ってきた。

ホテルへ戻る頃には、
雨もかなり落ち着いていたように思う。

昼間までの空が嘘みたいだった。

朝とは違う、静かな帰り道。
結婚式が終わったことを、車の中で少しずつ実感していた。


朝とは違う、静かな帰り道。結婚式が終わったことを、車の中で少しずつ実感していた。


この一日を、まだ終わらせたくなかった

ホテルへ戻っても、
すぐ部屋へ帰ろうとは思わなかった。

旅行へ行くと、
僕とりえは最後の夜にホテルのバーへ行くことが多かった。

カウンターに座って、
バーテンダーさんと話をして、

その日の気分で飲み物を選ぶ。

僕は、あの時間が好きだった。

今の僕は酒を飲まない。

だから以前とまったく同じ楽しみ方はできない。

でも、

バーという場所が好きなのは変わらなかった。

少し暗い照明。

静かに流れる音楽。

グラスが触れる小さな音。

飲むためというより、

その空間に座っている時間が好きなんやと思う。

この日は、

りえ。

かずき。

まっきー。

そして僕。

4人でバーへ行った。

それぞれ好きな飲み物を前にして、
結婚式の話をした。

披露宴のような大きな笑い声はない。

誰かがずっと話し続けるわけでもない。

でも、

それくらいがちょうどよかった。

披露宴のにぎやかさから一転して、家族4人で過ごす静かな夜。
僕には、この余白も結婚式の一部だった。



何もしない時間も、悪くない

部屋へ戻る。

りえは翌日の準備をしたり、
身支度を整えたりしていた。

僕はソファに座って、
広い部屋をぼんやり眺めていた。

朝から長い一日だった。

雨を心配して。

会場へ向かって。

奇跡みたいに青空が出て。

挙式があって。

披露宴でたくさん笑って。

そして今は、
音の少ないホテルの部屋にいる。

朝から起きたことを順番に考えると、
なんだか一日とは思えないくらいだった。

こうようとりおんの結婚式が終わった。

たぶん僕は、

披露宴がお開きになった瞬間よりも、

こうして静かな部屋に戻ってからの方が、
そのことを強く感じていた。


結婚式が終わった夜

こうようとりおんにとっては、

夫婦として始まった日。

僕たちにとっては、

息子の結婚式を無事に見届けた日。

朝から心配していた台風も、
最後にはこの一日の脇役になっていた。

楽しかった。

よう笑った。

無事に終わってよかった。

そのくらいでいい。

特別な言葉にしなくても、

静かな夜に残っていた気持ちが、
僕にはこの日の全部だったように思う。

明日は、ハレクラニを出る。

沖縄の旅も、
少しずつ帰る方向へ動き始める。

でも、この夜だけはもう少し、

結婚式の余韻の中にいたかった。

いいなと思ったら応援しよう!