朝の10分読書: 第18回 デズモンド・モリス『マン・ウォッチング』

マン・ウォッチャー(人間観察家)は、バード・ウォッチャー(鳥観察家)が鳥を観察するように、人間を観察する。

デズモンド・モリス『マン・ウォッチング』(小学館、2007年)(原著 Manwatching, 1977)、p.11

高校のとき、体育の時間、海外(たしかアメリカ)から帰国したばかりの同級生に、逸れてしまったボールを取ってほしくて、手のひらの指を下側に向けて「こっち、こっち」というジェスチャーをしたところ、ものすごい顔をされ、ボールをあさっての方向に蹴られたという思い出がある。

なぜかというと、アメリカでは「こっち、こっち」は手のひらの指を上にあげて行うもので、逆にすると、「あっちいけ」の意味になるからである。

人間のジェスチャーは、模倣からスタートしていることが多く、たとえば、雄牛の角を模したジェスチャーは世界中にあるが、その意味は国や地域によって異なる(たとえばイタリアでは「姦通」の意味になるそうだ)。なので、上記のような不幸が起きてしまうのである。

ジェスチャーに関して大事なことは、どのような信号を送っているつもりか、という送り手の意図ではない。受け手がどのような信号として受け取っているか、ということである。

同p.46


いいなと思ったら応援しよう!