#AIの活かし方|AIに任せると、自分が見えてくる「ミラー現象」
こんにちは、ひゅーです。
わたしは、業務改善が本業のサラリーマン。noteでは、「考察と思考整理を楽しむ。」をテーマに、AIやIT・分析といったすこし難しそうなことを、わかりやすく深掘りしながら、ゆるーくお伝えしていきます。
スキルが動かない
AIエージェントには「スキル」というものがある。ざっくり言えば、手順書。「こういうときは、こう動いて」をまとめた、レシピみたいなもの。エージェントは状況を見て、棚から必要なレシピを取り出して動く。複数あるスキルから、自分で選んで実行していく。なかなか賢い。
——はずなのだ。
今回は、会話の区切りで「記録を残す」スキルを作ってみた。指定の場所に、日付と時刻、いまやったことを書く。手順としてはシンプルなもの。でもこれがあると、次のセッションは前提を引き継いで動ける。オートセーブのような役割になる。
なのに、動かない。
区切りが来ても、しれっと素通りしていく。2割くらいは動くけどだいたい動かない。書かれるはずの欄は、空のままだ。書くか書かないか、エージェントとのにらみ合いが続く。
「このスキルを使って記録して」と直接言えば、ちゃんと記録してくれる。手順の中身は問題ないようだ。スキル本体を読み返してみる。たしかに「区切りで動く」と書いてある。書いてあるんだけど。その「区切り」がどこなのか、エージェントから見るとわからない。かも?

ああ、そうか。
手順を書くこと自体は、いつも割と簡単だ。やってることをそのまま書き出せばいい。スキルで難しいのは「いつ動くか」の判断のほう。
だからたぶん、スキルの価値は手順よりも判断のほうにある。
AIに足りないのは判断のほう
AIに何かを任せようとするとき、必要なのは手順ではなく判断のほうだ。手順だけ渡しても、AIは動けない。判断ロジックがないと、ただの作業マニュアルで止まる。
で、ここで話は自分に折り返してくる。自分の判断、意外と言葉にできない。普段は感覚で処理しているからだ。AIに任せようとして初めて、自分が何で判断していたかを、見つめ直すことになる。これは一種の「ミラー現象」だ。
AIに任せる作業は、外向きに見えて、内向きの作業だった。自分の仕事を言葉にし、思考の解像度を確かめる。AIは、そのための「鏡」になる。

判断を言葉にするフレームワーク
じゃあ、どうするか。
自分の判断を言葉にするには、どこを切り出して書くかを決める必要がある。書き方のフレームワークを整理した。指示は必要最小限が基本なので全部を取り入れる必要はない。問題があれば検討のスタンス。
いつそれをやっているか
動き出すきっかけ。フック。
時刻なのか、状態変化なのか、外部からの呼び出しなのか。
どんなときにそれを選ぶか
いくつかの選択肢の中から、これを選ぶ条件。
状態のフラグや、外からのシグナル。
選択肢から何を優先するか
同時にキックされたとき、どちらを先に走らせるか。
優先順位の軸。緊急度なのか、依存関係なのか。
何を見て判断を確定させているか
最終的に「これでいい」と決める材料。
観察ポイントや手元のデータ。
やらないと決める基準は何か
動かないことを決める条件。
ここを書いておくと、誤動作が減る。
例えば、最初の「区切りで記録するスキル」が動かなかったのは、「区切り」という言葉が曖昧だったからだ。エージェントから見ると、どこが区切りなのか判断する材料がない。解決策は、キーフレーズで動かすこと。「次の話題」「ここまでにする」「一旦まとめる」。具体的な合図に置き換えれば、エージェントは判断できる。
今回はnextと入れた時に区切りとするようにセット。まあ一手間かかるが未実行はなくなった。加えてタイマーで一定時間で実行も入れて、休憩でも動くようにしてだいぶ使い勝手が良くなった。

ぼんやりした「区切り」を、具体的なイベントに置き換える。これはイベント駆動と呼ばれる考え方で、AIエージェントの設計では基本パターンのひとつ。残りの4項目も、必要に合わせて一つずつ言葉にしていくとさらに良くなると思う。
判断の設計図は、そうやって少しずつ埋まっていく。
自分の仕事を見直す機会
人に仕事を任せるときも、似たことは今までも起きていた。
「で、判断基準は?」と聞き返される瞬間。
振り返るとあれは、自分の判断を言葉にするきっかけになっていた。ただ、人に任せる場面って人生でそんなに多くない。チームを持ったとき、新人を育てるとき、引き継ぐとき。そんな場面でしか発生しなかった。
それが、AIの時代になって、明らかに増えている。プロンプトを書くたび、エージェントのスキルを書くたびに、「自分の判断は何だったか」を言葉にすることになる。
「自分の仕事を見直す機会」が、人生に数回から、毎日に増えている。
そしてこれからは、自分の仕事を伝える技術が、もっと求められる。いま何をしたいのか。どういう判断で動いているのか。それを的確に言葉にできるかできないかで、AIから引き出せるものが変わってくる。
わたしは、自分の判断を、的確に表していきたいと思う。その技術と重要さを理解して一つずつ。プロンプトの一行ごと、スキルの一行ごと、自分の判断を言葉にしていく。
言葉にすればするほど、「AIという鏡」は、自分の判断をくっきりと映し返してくる。それが、これからの毎日になる。

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