見出し画像

広島2025

BBCが「【原爆投下80年】広島で何があったのか……被爆者の最後の世代に聞く」という動画をつくっていて、コンパクトにまとまっている。音声は英語だが日本語字幕でわかりやすい。

そして今日の式典。

広島県知事の挨拶よかった。

草木も生えぬと言われた75年からはや5年、被爆から3代目の駅の開業など広島の街は大きく変わり、世界から観光客が押し寄せ、平和と繁栄を謳歌しています。しかし同時に、法と外交を基軸とする国際秩序は様変わりし、剥き出しの暴力が支配する世界へと変わりつつあり、私達は今、この繁栄が如何に脆弱なものであるかを痛感しています。

このような世の中だからこそ、核抑止が益々重要だと声高に叫ぶ人達がいます。しかし本当にそうなのでしょうか。確かに、戦争をできるだけ防ぐために抑止の概念は必要かもしれません。一方で、歴史が証明するように、ペロポネソス戦争以来古代ギリシャの昔から、力の均衡による抑止は繰り返し破られてきました。なぜなら、抑止とは、あくまで頭の中で構成された概念又は心理、つまりフィクションであり、万有引力の法則のような普遍の物理的真理ではないからです。

自信過剰な指導者の出現、突出したエゴ、高揚した民衆の圧力。あるいは誤解や錯誤により抑止は破られてきました。我が国も、力の均衡では圧倒的に不利と知りながらも、自ら太平洋戦争の端緒を切ったように、人間は必ずしも抑止論、特に核抑止論が前提とする合理的判断が常に働くとは限らないことを、身を以て示しています。

(中略)

抑止力とは、武力の均衡のみを指すものではなく、ソフトパワーや外交を含む広い概念であるはずです。そして、仮に破れても人類が存続可能になるよう、抑止力から核という要素を取り除かなければなりません。核抑止の維持に年間14兆円超が投入されていると言われていますが、その十分の一でも、核のない新たな安全保障のあり方を構築するために頭脳と資源を集中することこそが、今我々が力を入れるべきことです。

湯崎知事あいさつより

そして、石破首相のメッセージもよかった。

2年前の9月、広島平和記念資料館を、改装後初めて訪問しました。80年前のあの日、立ち上るきのこ雲の下で何があったのか。焦土となり 灰燼かいじん に帰した街。黒焦げになった 無辜むこ の人々。直前まで元気に暮らしておられた方が4000度の熱線により一瞬にして影となった石。犠牲者の多くは一般市民でした。人々の夢や明るい未来が瞬時に容赦なく奪われたことに言葉を失いました。

 広島、長崎にもたらされた惨禍を決して繰り返してはなりません。非核三原則を堅持しながら、「核兵器のない世界」に向けた国際社会の取り組みを主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命であります。

石破首相あいさつより

「非核三原則堅持」明言してくれた。

結びに、ここ広島において、「核戦争のない世界」、そして「核兵器のない世界」の実現と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを改めてお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊の安らかならんこと、併せて、ご遺族、被爆者の皆様並びに参列者、広島市民の皆様のご平安を心より祈念いたします。

 「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」。公園前の緑地帯にある「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」に刻まれた、歌人・正田篠枝さんの歌を、万感の思いを持ってかみしめ、追悼の辞といたします。

石破首相あいさつより

最後の短歌の引用も含め、自分の感慨や思いが反映された挨拶だった。側近が用意したメッセージを読むだけの首相が続いていたので、久々に嬉しかった。

短歌に映画『ひろしま』の場面を思い出した。月岡夢路さん演じる先生が被爆して生き残った児童たちを連れて川に逃れ、流されていく場面……広島市民と教職員組合が全面協力したロケで、市民のNO MORE HIROSHIMAの思いが籠もった壮絶な映画作品だ。私はNHK BSの放送で見たが、月岡夢路さんの記念財団サイトから無料動画で見られる(残念ながら月岡さんご本人の思想は共感できないのでリンクは張らない。ご容赦)。

戦後80年の節目の年に非核・反戦平和の誓いを新たにした8月6日。

いいなと思ったら応援しよう!