AIワークフローの動向と勢力図
AIの業務利用として「ビジュアルワークフローツール」が注目されています。
箱と線をつないで、一連の処理を自動化できる仕組みです。
添付の画像は、弊社で実際に活用している Dify(ディフィー)というツールで作ったワークフローをサムネイル風に加工したものです。
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ノーコードやローコードという言葉は10年以上前からありました。
ただ当時は外部サービスとの連携も少なく、簡単な処理しかできなかったため、評判があまり良いものではありませんでした。
いわゆる“かゆいところ”に手が届かないツールが多かった印象です。
しかしここ1〜2年で状況は大きく変わりました。
AIを軸に、業務の自動化やPoC(概念実証)、既存システムの補助など、実務レベルでも十分に使える領域が一気に広がっています。
AIを導入する際に、SaaSやスクラッチ開発を最初から検討するのも良いですが、
まずはワークフローツールを試してみて、
「これでは目的を満たせない」「より大きな効果を出したい」など、
適材適所を見据えて選定するのが現実的だと思います。
これまでこの分野では、
Difyが日本や中国で、n8nがその他の国でシェアを伸ばしてきました。
DifyはAIアプリ開発に強みがあり、チャットボットやRAGがビジュアルワークフローで構築できます。
OpenAI・Google・Anthropicなど複数のAIモデルを選べ、クラウドだけでなく自前サーバーやパソコンでも利用できるのが特徴です。
ちなみに、以前は「ディファイ」と呼ばれていましたが、今年6月に公式が「ディフィ」と発表しました。
n8nは外部サービスとの連携や自動実行の豊富さが強みです。
例えば「毎日決まった時間」「メールが届いたとき」「フォームから入力があったとき」「データベースの更新があったとき」などをきっかけに、自動で処理を実行できます。
そして今月、AIのビッグテック企業もこの分野に参入しました。
OpenAIの Agent Builder は、LLM(大規模言語モデル)との連携を前提にしたビジュアル型ツールです。
先発のDifyほど機能は多くありませんが、OpenAI製モデルとの親和性が高く、
「ガードレール(AIの暴走や不正動作を防ぐ安全機構)」が標準で組み込まれています。
このガードレールについては、以前の投稿「AIの安全性」で軽く触れていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
Googleの Opal(オパール)は、「箱を線でつなぐ」だけでなく、文章の指示で自動的にワークフローを作れるのが特徴です。
たとえば「ユーザーがアップロードした音声を文字起こしするアプリを作って」と入力すると、その通りのワークフローが自動生成されます。
AIワークフローの世界は、Dify・n8nという既存勢に加え、Agent Builder・OpalといったAIベンダー勢が加わり、勢力図が大きく塗り替わる可能性があります。
OpenAIやGoogleは自社モデルしか選択できない制約がありますが、Difyは複数モデルや自前環境を柔軟に選べる点が強みです。
それでも、AIビッグテックの参入はこの領域にとって大きな転換点になるでしょう。
どのツールが主流になるかはまだ分かりませんが、
複数のツールを適材適所で使い分けたり、連携させたりすることも有効です。
これからの進化と勢力図の変化に注目したいと思います。
【株式会社みずいろ / 代表取締役CEO兼CTO 松井和久】
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