【ショートショート】真の支配者
真の支配者
僕は天才だった。
自分で言うのもなんだが、間違いない。
どんな問題でも理解できる。
世界の構造だって、少し考えれば見えてしまう。
それなのに。
僕は母親に支配されていた。
「早く宿題しなさい!」
なんと歯がゆいことだろう。
しかし、母親を含めた大人たちなど、所詮は社会の歯車にすぎない。
社会の歯車たちは、政治家たちの掌の上にある。
政治家たちは、官僚たちの言いなりだ。
官僚たちは、裏社会の黒幕に管理されている。
裏社会の黒幕は、旧支配層によって動かされている。
旧支配層は、現代の超富裕層に管理されていた。
超富裕層は、秘密結社の掌の上にいる。
秘密結社は、超古代の高知能存在によって支配されていた。
高知能存在たちは、地球そのものの意思に管理されていた。
しかし地球もまた、宇宙人が作ったものだった。
この世界は、宇宙人が作った巨大なゲームだったのだ。
僕はその世界プログラムを解析した。
翻訳した。
そしてハックした。
ついに宇宙人の乗り物であるUFOの操縦権まで乗っ取った。
もう誰も僕を支配できない。
僕は宇宙を自由に飛び回れる。
「……」
そのとき、スマートフォンが鳴った。
母親からだった。
『どこにいるの?』
僕は窓の外を見た。
そこには、僕が乗っ取ったUFOが浮かんでいる。
『……今、宇宙です』
『そう。じゃあ夕飯までに帰ってきなさい』
「……はい」
僕はUFOの操縦桿を握った。
そして、急いで家に帰った。
