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50~60年代の隠れた名匠の仕事

先日の市川崑の話で思い出したのですが、この時代の日本映画は大島渚、今村昌平などといった新しい才能が出てきましたが、黒澤明、木下恵介といった巨匠もまだまだ元気、市川崑、小林正樹などが代表作を発表。現在でも彼らの作品は、名画座で触れることは多いかと思います。しかし、現在では名前を聞くこともない監督たちがいるも確かです。そんな中からおすすめの作品5本をご紹介します。

「夜の河」吉村公三郎 1956年

京都の老舗染物工場を親から引き継いで仕事に走り回る女性を描いた作品で、お仕事ドラマ、大人の恋愛ドラマとして、現代に観てこそ共感できる作品かも? 主演の山本富士子が、この作品でスターになったらしいです。彼女となんとか肉体関係を持とうと策を講じるおっさんたちの必死さもコミカルで素敵です。

「荷車の歌」山本薩夫 1959年

全国の農村婦人のカンパで作られた作品で、このタイトルなので観る前は「さぞかしかたい作品なのかな?社会派の山本薩夫だし」と身構えてしまいました。観てみると、とんでもなくダメな色男(三國連太郎)と結婚してしまった女が、それを克服していく話でした。家に転がり込んでくる三國の愛人・浦辺粂子の性悪さにはさすがに笑った。

「黒い画集 あるサラリーマンの証言」堀川弘通 1960年

たいそうなタイトルですが、何のことはない、浮気をした中間管理職の男が、それがバレたくなくて、嘘に嘘を重ねて転落していく話です。まぁ、松本清張原作なので、殺人事件が絡んでくるわけで面白いミステリーです。それにしても小林桂樹はこういう小者を演じるのがすこぶる上手いですね。

「五番町夕霧楼」田坂具隆 1963年

京都で遊女となる北陸出身の女性の話です。この話のミソは、彼女の幼馴染で淡い恋仲になる若い僧侶が金閣寺を燃やしてしまうところ。そう、三島由紀夫の「金閣寺」の裏話的な物語なのです。田坂具隆監督×佐久間良子のコンビは、その後「湖の琴」という作品がありますが、そちらの妄想シーンは演出がぶっ壊れていて、ある意味必見です。

「紀ノ川」中村登 1966年

和歌山県の紀ノ川沿いの旧家を舞台に、そこに生きる母娘孫三代の女性を描いたいわば超大作。母役の司葉子もさることながら、見どころは娘の岩下志麻。大正デモクラシーか昭和初期の中で自由に生きる最先端の女性像を生き生きと演じています。洪水のシーンなどダイナミックなシーンも多いので、機会があれば劇場で観てほしい一作です。

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