なぜ人は分かっていたのに後悔するのか
前回の記事では、住宅購入で後悔した人たちの声を50件ほど調べた話を書きました。
収納不足。
生活動線。
住宅ローン。
修繕費。
騒音。
駐車場。
周辺環境。
調べれば調べるほど、「同じような後悔が繰り返されている」ことに驚きました。
そして、もっと意外だったことがあります。
それは、後悔した人たちは何も知らなかったわけではない。ということです。
今回は、その理由について考えてみたいと思います。

後悔する人は知識不足だと思っていた
最初は、後悔する人は知識が足りなかったのだと思っていました。
収納の大切さを知らなかった。
住宅ローンのリスクを知らなかった。
生活動線の重要性を知らなかった。
だから後悔した。
そんなイメージでした。
でも実際に調べてみると違いました。
収納不足で後悔した人は、収納が大事なことを知っていました。
住宅ローンで苦労している人も、ローン返済が長く続くことを知っていました。
生活動線で後悔した人も、家事動線という言葉を知っていました。
みんな知っていたのです。
それなのに後悔している。
これは少し不思議でした。
「知っている」と「自分事」は違う
後悔している人たちの話を何度も読み返してみました。
すると、ある共通点が見えてきました。
それは、「知っている」と「自分事として考えている」は全く違うということです。
例えば収納。
収納が大事なことは誰でも知っています。
でも、5年後に子どもが小学校へ入学した時。
10年後に部活が始まった時。
その時の家の中までは想像していない。
例えば住宅ローン。
35年ローンが長いことは知っています。
でも、
転職。
教育費。
親の介護。
そこまで考えている人は少ない。
例えば生活動線。
家事動線という言葉は知っています。
でも、
雨の日。
泥だらけで帰宅した日。
大量の買い物をした日。
その時の動きを具体的に想像することは少ない。
知識として知っていることと、実際の暮らしの中で起きることを想像していることは、まったく別の話だったのです。

自分の家探しでも同じことが起きていた
実は、自分も同じでした。
家探しを始めた頃は、
価格。
駅距離。
間取り。
そんなことばかり見ていました。
でも先日、物件情報を見ていた時に自分でも少し驚きました。
気付いたら玄関の広さを見ていたのです。
ベビーカーは置けるだろうか。
雨の日に子どもの靴を脱がせるスペースはあるだろうか。
買い物帰りの荷物は置きやすいだろうか。
以前なら気にもしなかったことです。
家探しを始める前は、
「広いか」
「新しいか」
「駅から近いか」
ばかり考えていました。
でも実際に暮らしを想像すると、毎日使うのはもっと地味な部分でした。
後悔の正体は想像不足かもしれない
後悔事例を読んでいて感じたのは、知識不足よりも、想像不足の方が近いのではないかということです。
そして、その想像不足にはいくつかの共通パターンがありそうでした。
収納が足りなかった。
生活動線が悪かった。
住宅ローンが苦しかった。
修繕費が想定より高かった。
周辺環境が思っていたのと違った。
どれも購入前から存在していた問題です。
ただ、その時は深刻に感じなかった。
実際に住み始めて、毎日繰り返し体験することで、初めて大きな問題になった。
だから家探しで本当に大事なのは、物件のスペックを見ることだけではなく、未来の暮らしをどれだけ具体的に想像できるかなのかもしれません。
私自身もまだ家探しの途中です。
だからこそ、後悔した人たちが何を見落としていたのかを、一つずつ整理してみたいと思っています。

次回予告
調べていくと、後悔の原因は無数にあるようでいて、実は似たパターンに分かれていました。
特に多かったのは、
収納不足
生活動線
住宅ローン
修繕費
周辺環境
です。
そして面白いことに、どのテーマでも共通していたのは、「知らなかった」のではなく、「知っていたけど、自分の生活に当てはめて考えていなかった」ということでした。
次回は、その中でも特に多かった「収納不足」について整理してみたいと思います。
収納不足で後悔した人たちも、みんな収納が大事だと知っていました。
それなのに、なぜ後悔したのか。
実際の後悔事例を見ながら、「収納は広さではなく、場所が大事だった」
という話を書いてみたいと思います。
