【医学部浪人】浪人を決めたときにまず考えること どこで浪人生活を送るかが1年を決める
はじめまして。
現役医学部予備校講師の菊池大輔です。
受験生の皆様、受験お疲れさまでした。
合格をつかみ取った方はおめでとうございます。
そして惜しくも合格を逃してしまった方へ。
悔しい気持ちはあると思いますが、
どうか次に進むことを諦めないでください。
医学部浪人を選択する場合、
まず最初に決めなければならないことがあります。
それは、
「どこで浪人生活を過ごすのか」
ということです。
これは受験生本人だけで決められるものではありません。
医学部浪人は、学費・生活費を含めて大きな出費になります。
そのため、出資者である保護者との十分な相談と合意が必要です。
医学部浪人の1年は、努力量だけではなく、
どんな環境で過ごすかによって結果が大きく変わります。
ここでは、医学部浪人を決めたときに整理すべき選択肢をまとめます。
① 地元か、首都圏・大都市か
医学部浪人をする場所は、大きく分けて
地元
首都圏・大都市(東京・名古屋・大阪など)
の選択になります。
① 地元で過ごすメリット
・家族と暮らせるため生活リズムや生活の質を保ちやすい
・金銭的な負担が比較的小さい
・浪人生活を想像しやすい
② 地元で過ごすデメリット
・最新の医学部受験情報が入りづらい
・医学部専門予備校が近くにない場合がある
・ライバルが少なく、関係性が密になりすぎることがある
③ 首都圏・大都市で過ごすメリット
・医学部専門予備校の選択肢が多い
・同じ医学部志望の仲間(ライバル)を選んで付き合える
・オープンキャンパス等に参加しやすい
④ 首都圏・大都市で過ごすデメリット
・親元を離れるため、生活リズムが崩れやすい
・食生活が乱れやすい
・夜遊びなどの誘惑が多い
・都会特有の孤独感が負担になることがある
医学部浪人において「どこで過ごすか」は、
単なる場所選びではありません。
そしてその選択には「正解」はありません。
受験情報が少ないものの、志望校がはっきりしていたのでそこまで困らず、地元で落ち着いて勉強ができたケース。
首都圏で寮生活をすることによって、
仲間と切磋琢磨したことで成績が上がったケース。
自分に合った環境選びが重要になります。
② 医学部専門予備校か、理系上位対応予備校か
医学部浪人では、通う予備校選びも重要です。
医学部入試は他の学部に比べ、大学ごとの独自性が強く、
小論文対策も必要になるからです。
また、難問の理解には講師との相性も欠かせません。
① 医学部専門予備校のメリット
・医学部に特化した指導
・周囲も全員医学部志望のため覚悟の個人差が少ない
・理科講師が複数在籍しているため相性を選びやすい
② 医学部専門予備校のデメリット
・都市部に集中しているため地元にない可能性がある
・金銭的負担が大きい
③ 理系上位対応予備校のメリット
・医学部専門より費用を抑えられる場合がある
・大小さまざまな塾が全国にある
・映像授業、集団授業等の選択が可能であることが多い
④ 理系上位対応予備校のデメリット
・医学部に特化していない
・理科講師が少ない場合がある
・医学部以外の志望者と同じ授業になる
・工学部や理学部志望者と同じカリキュラムで非効率になることがある
医学部浪人では、「医学部志望だけの環境」に身を置くかどうかは、
想像以上に影響します。
③ 予備校付属寮か、一人暮らしか、独立型寮か
生活拠点の選択も、医学部浪人では重要です。
浪人生の基本は勉強。
しかし、住環境は勉強のパフォーマンスに大きく影響します。
自分に合った環境に身を置くことが大切です。
① 予備校(塾)付き寮のメリット
・周りが同じ予備校の生徒で生活リズムが揃いやすい
・予備校への通学が楽
・無断欠席時に予備校職員が訪問してくれる場合がある
② 予備校(塾)付き寮のデメリット
・トラブルがあってもその予備校から離れづらい
・住居と予備校が近すぎてオンオフの切り替えが難しい
③ 一人暮らしのメリット
・トラブル時に予備校を変更しやすい
・家庭教師をつけられる
・自分のリズムで生活できる
④一人暮らしのデメリット
・生活リズムを崩しやすい
・誘惑に負けやすい
・家具家電の準備が必要
・体調不良時に助けてくれる人がいない
⑤ 独立型寮のメリット
・生活リズムを保ちやすい
・予備校を自由に選べる
・家庭教師を呼べる
・炊事洗濯など日常生活を支えてもらえる場合がある
⑥独立寮のデメリット
・予備校への通学時間がかかる場合がある
・費用やサービス内容が寮ごとに異なる
医学部浪人で大切なのは「どの環境が合うか」
以上、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを挙げました。
医学部浪人において大切なのは、
どの選択肢が「正しいか」ではなく、
どの環境が自分に合うか
です。
そしてそれは、受験生本人だけでなく、
保護者を含めた関係者全員でしっかり話し合う必要があります。
そしてそのためには
自分の特性と向き合うことが鍵になります。
誰かがそばにいる方が落ち着くのか
1人の方が落ち着くのか
電車移動が気分転換になるのか
負担の方が大きいのか
人によって異なります。
つまり
「こういう浪人生活をすれば合格できる」
というテンプレートは存在しない。
様々な制約の中から
いかに自分に合った環境をカスタマイズするか。
浪人を決めたら、
まずテキストを開きたい。
過去問を解きたい。
しかしその前に
時間をかけて
どこでどのような浪人生活を送るのか
これを考えてほしい。
急がば回れです。
そうすると自然と
自分に何が足りなかったのか
合格には何が必要なのか
見えてくるはずです。
医学部浪人の1年は長いようで短い。
環境が合えば伸びます。
合わなければ消耗します。
どこで、どんな環境で浪人生活を送るのか。
最初の決断が、その1年を左右します。
医学部浪人生の親ができること
お子さんと一緒に現場を分析してください。
意見を述べる前に
現場を把握することが大切です。
実際の相談では、
「首都圏の方が有利ではないか」
「医学部専門予備校に入れれば安心ではないか」
といった“イメージ先行”の判断をされるケースも少なくありません。
また自分が医学部受験経験がある場合
「自分と同じ環境で勉強すれば合格できる」
と思い込まれていることがあります。
受験事情は日々変化しており、
浪人生の「常識」も親御さんの頃とは大きく異なります。
またお子さんの特性も
親御さんと同じとは限りません。
どうか
客観的な視点で
お子様の状況を把握するよう心がけてください。
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【執筆者プロフィール】
1988年生まれ。 東京都立大学卒業。 東京・静岡の予備校で講師として指導。 (当時)静岡県唯一の医学部専門予備校にて最年少で化学主任就任経験あり。 現在も医学部専門予備校・大手予備校を中心に指導中。
