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私と深夜ラジオ「あのころ私は若かった」

団塊世代の私。
気持ちは若いつもりでも、身体は正直です。
寝付きは極めて良いのですが、その分、朝早く目が覚めるようになりました。
 
そんなとき、枕元に置いたラジオに手を伸ばします。
まだ外は暗い。
静かな部屋で、ラジオから聞こえてくる声に、なんとなく耳を傾けています。
すると、ときどき思い出すのです。
私が若かったころの深夜放送を。
 
◆深夜放送を聞きながら勉強したころ
私の青春時代、深夜放送を聞いていたのは、受験勉強中の若者やトラック・ドライバーの人たちが多かったように思います。
私の記憶に残っているのは、「セイヤング」「オールナイト・ニッポン」「パックイン・ミュージック」「走れ歌謡曲」など。
 
ラジオから聞こえてくる声には、不思議な親しみがありました。
「レモンちゃん」こと落合恵子さん。
土居まさるさん。
「なっちゃん」こと野沢那智さん。
「チャコちゃん」こと白石冬美さん。
名前を書いているだけで、あのころの夜がよみがえってきます。
 
由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」や、ザ・カスケーズの「悲しき雨音」、荒木一郎さんの「空に星があるように」。
ラジオから流れてきた歌とともに、当時の自分まで思い出します。
 
◆「ながら勉強」も青春だった
今考えてみれば、勉強に集中していたのか、ラジオに集中していたのか、怪しいものです。
いわゆる「ながら勉強」です。
机の上には教科書とノート。
その横にはラジオ。
勉強しているつもりなのに、好きな曲が流れると鉛筆が止まる。
DJの話がおもしろければ、また止まる。
 
それでも本人は、「ちゃんと勉強している」つもりでした。
今の高校生が、スマホをそばに置いて勉強しているのと、案外変わらないのかもしれません。
 
◆そして、またラジオを聞いている
あれから何十年もたちました。
若いころ深夜放送を聞いていた世代が、今ではシニアになりました。
私も、その一人です。
 
今、ラジオを聞いていると、同じくらいの年代と思われる人からの便りやリクエストを耳にすることがあります。
そんなとき、「この人も、若いころ深夜放送を聞いていたのかな」などと勝手に想像しています。
 
ラジオというものは不思議です。
テレビのように映像はありません。
聞こえてくるのは声と音楽だけ。
だからこそ、その向こう側を自分で想像します。
そして、たった一人で聞いているのに、誰かとつながっているような気持ちになります。
これは、昔も今も変わらないのかもしれません。
 
◆あのころ私は若かった
深夜のラジオに耳を傾けながら、ふと若かったころを思い出す。
机に向かっていた自分。
ラジオから流れていた音楽。
DJの声。
 
ずいぶん遠い昔になりました。
「あのころ、ぼくは若かったなあ……」
もっとも、
「昔を懐かしがるようになったら、人間もうおしまいだよ。」
そんな話を、どこかで聞いたような、聞かなかったような……。
 
まあ、いいでしょう。
今夜もラジオを聞きながら、もう少しだけ「あのころ」に戻ってみることにします。

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