第二の人生に向けて、50歳から弓を引く
50歳は、人生の終わりに向かう年齢ではない。
むしろ、これまでの経験を抱えながら、
もう一度、自分の人生を
設計し直すための静かな始まりである。
長寿化によって、
私たちは以前よりもずっと長く働き、
学び、社会と関わることができるようになった。
けれど、社会の仕組みはまだ、
定年という一本の線で人の可能性を区切ろうとする。
年齢だけで役割を狭め、挑戦の機会を閉じてしまう。
それは、本人にとっても、組織にとっても、
社会にとっても、あまりにも惜しい。
50代に必要なのは、あきらめる準備ではない。
次の畑を耕す準備である。
これまで培ってきた経験を棚卸しし、
何ができるのかを見つめ直す。
新しい知識を学び直し、
変化に耐えうる身体と心を整える。
そして、自分はこれから何に情熱を注ぎ、
どこを目指し、何のために働くのかを、
もう一度、言葉にしていく。
人生二毛作とは、
過去を捨てることではない。
一毛作目で得た経験を土壌にして、
二毛作目に別の花を咲かせることである。
だから50歳は、終わりの入口ではない。
第二の人生に向けて、弓を引き直す時間である。
狙う的は、肩書きでも年齢でもない。
自分がまだ社会に届けられる価値である。
