届かなかった応援
応援したら、きっと届く。応援したことは、叶う。
そんなふうに思っている。そしてきっと、それは合っている。
でも、届かなかった応援もある。
それは、息子の高校生活最後のラグビーの試合のことだ。
ラグビーは、彼の青春そのものだった。来る日も来る日も、練習に明け暮れて。
やがて三年生になって、もうこの大会を最後に引退しなければならない。そんな時を迎えつつあった。
ところが、夏の合宿で必死に練習に打ち込み過ぎて、靭帯を損傷してしまったのだ。
足が壊れてもいいから最後までやり尽くす。チームメイトには、そう言っていたそうだ。
息子の足よ、なんとか治ってくれ。
もう祈ることしかできない。
そして迎えた大会。トレーナーに何度もマッサージしてもらいながら、息子もスタメンで戦っているではないか。
私にできることは、力の限りに、声の限りに応援することだけだ。
選手も、監督も、クラスメートも、そして親たちも。
がんばれーー
がんばれーー
がんばれーー
なのだが。
相手チームに先制点を奪われ、そのまま取り返せず。
ノーサイドのホイッスルは、あまりにも残酷すぎた。
一瞬、時が止まったかのようだった。
そしてそのあとは、誰しもが溢れ出てくる涙を止めることができなかった。
グラウンドで座り込んだまま、動けなくなった選手たち。その中に息子もいた。
私はもはや、号泣することしかできなかった。
あんなに、あんなに、応援したのに。
スポーツの世界、勝負の世界だから、みんなが勝ちということはない。
それでも、なんとかこの応援が届いたらよかったのに。
あの時の光景を、もう15年以上経った今でも鮮明に思い出す。その度にまた、涙が止まらなくなる。
勝てなかったけれど、あの声援の中で最後まで戦い抜いた息子のことを、今でも変わらず誇りに思う。
