メンタルは「性格」ではなく「技術」である。――プロの現場で語られた「注意の制御」と、その先の身体論。
先日公開されたPIVOTの動画で、ソフトバンクホークスのメンタルパフォーマンスコーチ・伴氏と、元守護神・斉藤和巳氏が語った内容は、多くのアスリートやビジネスパーソンにとって「救い」となるものでした。
そこで語られた核心は、**「メンタルは鍛えられる技術(スキル)である」**という極めてロジカルな事実です。
https://youtu.be/H3Jqpa7Ipy0?si=AueLIzRaiNV3VyUu
1. 「心を整える」のではなく「注意を向ける」
多くの人は、メンタルを強くするために「自信を持とう」「ポジティブになろう」と、心そのものをコントロールしようとします。しかし伴氏は、**「気持ちを整えるのではなく、注意の向け先(集中)をどう扱うか」**が本質だと説きます。
ゴルフで「池に入れないようにしよう」と思えば思うほど池に意識が向いてしまうように、不安を消そうとすればするほど、不安に囚われます。
量子認知身体療法の切り口:
これは物理学で言う「観測」の問題です。不安を消そうとすることは、不安という状態を「強力に観測し、固定(粒子化)させている」ことと同じです。大事なのは、不安を消すことではなく、**「別の情報を観測し直す(クエリを送り直す)」**こと。注意の向け先を変えるとは、ホログラフィックスクリーン上の投影データを意図的に選び直す作業なのです。
2. 「管理者モード」というパフォーマンスの天敵
動画で強調されていたのが、**「管理者モード(セルフ・モニタリング)」**の罠です。
「自分は何をやってるんだ」「この角度で動かなきゃ」と、頭の中に監督がいるような状態で自分を監視すると、身体の滑らかな動きは失われます。特に真面目な日本人ほど、この「自分を裁く視点」に陥りやすいといいます。
量子認知身体療法の切り口:
管理者モードとは、自分を「巨大な粒子(固定されたブロック)」として定義し、その重い塊を力で制御しようとする行為です。これではエントロピーが増大し、動きに「しわ」が寄ります。
ここで必要なのは、自分を管理することではなく、**「中心にある何もない一点(ドーナツの穴)」**へ意識を戻し、そこから湧き出す自然な流れに身を任せることです。
3. 「戻す」という技術、そして「ブリッジ」
斉藤和巳氏が語った「帽子の角度ひとつで視野を変える」というエピソードや、緊張したときにリラックス時の行動を「ブリッジ(橋渡し)」として入れる手法。これらはすべて、逸れた意識を**「今、ここ」の最適な場所へ戻す技術**です。
• 視覚系: ぼんやりと全体を見る、あるいはミットの一点を凝視する。
• リズム系: 投球のテンポや呼吸の周期に意識を置く。
• 体感覚系: 指先のリリース感覚や地面の感触を捉える。
量子認知身体療法の切り口:
どの感覚タイプであっても、目的は一つです。それは**「世界との共鳴(クエリ)のチャンネルを合わせること」**。
「戻す」という行為は、粒子化して固まった現実を一度リセットし、ゼロポイントフィールド(鋳型)から新しい呼吸と動きを立ち上げ直すプロセス。足の震えすら「高まったエネルギー状態」として楽しむことができれば、震えは「ノイズ」ではなく「推進力」へと変わります。
4. 負け方は教わるが、良くなり方は「自分」の中にある
「負け方は周りが教えてくれるが、どうすれば良くなるかは自分で見つけるしかない」という斉藤氏の言葉は、人生の本質を突いています。
客観的なフィードバック(負け方)は過去のデータに過ぎません。しかし、どう身体を使い、どう世界を観測すれば「心地よい景色(パフォーマンス)」が立ち上がるのかは、本人の内側にある**「実存的な感覚」**の中にしか存在しないのです。
結びに:人生を「処する」ための身体知
小金持ち山を登るように、人生には様々なルートがあり、登り方があります。
どんなに足が震えても、どんなに急な坂道であっても、私たちの手元には常に**「どこに注意を向けるか」という自由**が残されています。
メンタルを技術として捉え、自分の感覚(視覚・リズム・体感覚)を頼りに意識を「戻し続ける」こと。その道中での身体感覚こそが、あなたの人生そのものであり、あなたが世界というホログラムに刻む唯一無二の物語になります。
結果(登頂)は、あなたが自分らしいクエリを投げ続けた後の「素敵な副産物」に過ぎません。
今日、あなたの「注意」はどこに向いていますか?
もし「管理者」に裁かれそうになったら、そっと呼吸の「鋳型」に意識を戻してみてください。そこから、新しい世界が書き換えられ始めます。
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