Immortality というゲーム

をやった。
いやー、久々に度肝を抜かれる作品たった。
90年代に『ミスト』や『ポリスノーツ』をやるような、あるいは普通のファンタジーSF・RPGだと思って『ゼノギアス』をやる感じだろうか。

予備知識なしでやったので、逆再生で偶然アレが見えたときにはビビったし、そのあと初めてあっちの世界に入った映像では「見るな!」と言われるし、かなりワクワクしながら進めることができた。
一通り謎の正体がつかめてきたところで仕様上のエンディングに。
その直後、2OEの歌のシーンが解放されて、逆再生でヴェルベットアンダーグラウンドの「Candy Says」の上質なカヴァーが流れ、トランスジェンダーを主題にした歌がそこからポストヒューマンなものへと見事につなげられるチョイスと、あまりにも切ない愛のテーマに脱帽。深く感動した。
アルト(というかむしろテナーに近い)の中性的なボイスと、ストリングスの美しいこちらのカバーバージョン、正直、原曲よりも好みだ。

いやはや、とてつもない傑作だった。映像を直接クリックしていくという単純操作が、どうもAIの活用によってまったくストレスなく探索要素として機能しているし、なによりも素材となっている映画作品の見事なこと。
アンブロシアは監督はヒッチコック風だがベルイマンとかそっち系のヨーロッパ映画の雰囲気(はっきりした元ネタがあるような気もするが思い出せない)、ノワールもののミンスキーはまあロバート・アルトマンかな。フィルムのテイストからストーリーから、どう見ても70年代のネオノワール作品にしか見えない。哀愁漂うラストも好きだ。そしてTwo of Everything は、あれもなんか既視感しかないが監督名は出てこない。が、明らかに90年代から2000年代。テイストはダーレン・アロノフスキーとかあんな感じかなあ?

ゲームクリエイターの作品なのに、どのクリップも映画としてめちゃくちゃ構図が良い。まったくゲーム用に作ったとは思えない。そして役者たちーーいやもう、役者ってどれだけすごいのか思い知らされる。リハの風景とかもたくさん収録されているのたが、ほんと倉庫みたいなとこで椅子並べてるだけでも、彼らが演技を始めたとたんその場の風景が変わる変わる。一瞬でほんとに空気がガラッと変わる。こんなに役者がすごいなら、監督はもう絵を成立させればいいじゃん!って思ってしまうくらいに。
いや、もちろん監督だってその他の裏方だってみんな超すごいのだろうけど、いやはや、役者というのは全員が小さな演出家であり監督なんだと思わされた。彼らのなかには数千パターンのいろんなジャンル、スタイル、キャラクターが入っていて、ここはこんなかんじってのをすぐさま引き出せるのだね。おまけに歌えるし、踊れるし、器用な人ばかり。

これほどのレベルの高い役者がなんと、どうもほとんど無名のバイプレイヤーか、そもそも新人レベルなのよね。
いったいどーなってんの!?

この作品、映画や舞台への憧れを死ぬほど喚起するかもだけど、同時に諦めたくなるほどこの世界の才能の溢れかえりっぷりを感じさせられるのではなかろうか。

で、肝心のクリエイターのことをぜんぜん語っていなかったが、サム・バーロウは既に前作、前前作でも話題作を作っていて有名らしい。たぶん両方やるだろうなー。

ま、内容というか描かれたものについてまったく語っていないですが、とにかく面白かったメモ。

アートというテーマとか、物語とは、不死とは、みたいなのは、もうさんざんこの手の哲学的なテーマに触れすぎたので正直、ふーんなるほどね、くらいになってしまったが、中学生くらいまでの子どもがやったら衝撃だろう。ただ、それにしてはちょっとエロ描写がキツいが。。。

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