30歳で東京から田舎へ。あれから30年、実際に暮らしてわかった「田舎暮らし」の本当のところ
「田舎暮らしって、のんびりしていていいよね」
今なら、そう言われたら、
「うん、そうだね」
と答えると思います。
でも、30歳で東京から田舎へ引っ越してきた頃の私は、田舎暮らしが30年も続くなんて思っていませんでした。
そもそも、最初はちょっとした遠足気分だったんです。
東京・大田区から田舎へ。
今まで暮らしていた場所とは、景色も生活も全然違う。
「わあ、東京と全然違う!」
そんな感じでした。
ところが、実際に暮らし始めると、すぐに気づきました。
田舎って……
思っていたより、ずっと不便。
そして私は、車の免許を持っていませんでした。
これが、あとになってかなり大きな問題になるとは、このときはまだ知りませんでした。
スーパーがない
東京では、買い物に困るなんて考えたこともありませんでした。
必要なものがあれば買いに行く。
スーパーもコンビニも、探せばある。
そんな生活が普通でした。
ところが田舎に来てみたら、近くにスーパーがない。
免許のない私は、夫が休みの日に週1回、スーパーへ連れて行ってもらってまとめ買い。
それでも足りなくなることがあります。
そんなときは移動スーパー。
そして、一番近いスーパーまで自転車で行こうと思えば……
往復1時間以上。
しかも、山の上に住んでいたので、
行きはただ下り。
帰りは……
ずーっと上り。
帰りは自転車を押して歩いていました。
「私、何してるんだろう……」
と思ったこともあります😂
しかも、頑張って行ったスーパーなのに、
高い。
そして商品もイマイチ。
もう泣きたくなる。
今はAmazonなどがあるので、昔に比べれば本当に便利になりました。
でも、30年前はそんなものありません。
欲しいものが欲しいときに手に入る。
それが都会では当たり前だったんだな、と後から気づきました。
子どもが病気になったら、もっと大変
買い物なら、まだ我慢できます。
本当に困ったのは、子どもたちの病院でした。
隣の村には総合病院がありました。
でも、小児科がない。
産婦人科もない。
小児科へ行こうと思ったら、
バス→電車→徒歩。
具合の悪い子どもを連れて、この移動です。
しかも、朝と夕方以外はバスも電車も2時間以上来ない。
東京にいた頃には、
「子どもを病院に連れて行く」
というだけのことが、こんなに大変になるなんて考えたこともありませんでした。
保育園や小学校の行事もそう。
早朝に草刈り。
修学旅行の集合。
「え? どうやって行くの?」
免許がない私には、そんなことが何度もありました。
田舎暮らしは、
車があることが前提になっている生活なんだ
と、暮らしてみて初めてわかりました。
でも、田舎って悪いことばかりじゃない
ここまで読むと、
「そんなに不便なら、なんで30年も住んでるの?」
と思いますよね。
私も、東京に戻りたいと思ったことはあります。
欲しいものが手に入らない。
子どもたちの習い事や学校の選択肢が少ない。
というより、
選択肢がない。
これは子育てをする上では、かなり不便でした。
でも、それでも田舎には、
「ここで暮らしていてよかった」
と思えることがたくさんありました。
子どもたちが通った学校は良かった。
みんな良い子でした。
ただ、競争心があまりなくて、
「もうちょっと頑張ってよ〜!」
とイライラすることもありましたけど😂
そして、田舎ならではのありがたさもありました。
野菜や果物をたくさんいただく。
近所の人から差し入れをもらう。
都会では、なかなかないことです。
家で何をしても、あまり気にしなくていい
これも、田舎暮らしをしてよかったこと。
騒音問題がほとんどない。
一軒家なので、子どもたちが大騒ぎしても大丈夫。
大声で叱っても、
「隣に聞こえたかな……」
なんて、いちいち気にしなくていい。
夫は歌や楽器が好きなのですが、それも好きなだけできる。
子どもたちも家の中で思いっきり騒げる。
都会だったら、もう少し周りを気にしていたと思います。
「静かにしなさい!」
と何度も言っていたかもしれません。
そう考えると、
不便だけど、自由。
これも田舎暮らしの大きな魅力だったんだと思います。
田舎の人間関係は……狭い😂
田舎に来て感じたことの一つ。
みんな、我が家のことを知ってる。
「なんで知ってるの?」
と思うこともあります。
おじさんたちも、結構うわさ好きだったりする😂
ただ、私はひどいうわさをされた経験があるわけではありません。
それよりも、
よくお茶に誘ってもらったり、
近所のおばあちゃんの家に遊びに行ったり。
人間関係は確かに狭い。
でも、みんなが冷たいわけではない。
むしろ、親切にしてもらうことも多かった。
田舎の人間関係って、
狭いけど、優しい。
そんな感じなのかもしれません。
それでも、なぜ30年も住んでいるのか
子どもたちがいた。
お金の問題もあった。
そして、いつの間にか東京は、
「住む場所」から「遊びに行く場所」
になっていました。
東京へ行けば楽しい。
欲しいものもある。
美味しいものもたくさんある。
でも、
「じゃあ、東京に戻って暮らしたい?」
と聞かれると、
うーん……となる。
夫の性格的にも、今さら都会暮らしに戻るのは難しいと思います。
そうやって気がついたら、
30年。
30年住んでみて、田舎暮らしって結局なんなのか
「田舎暮らしってどんな感じ?」
と聞かれることがあります。
のんびりしてる?
不便?
人間関係が大変?
自然がいっぱい?
どれも間違っていないと思います。
のんびりしている。
でも、その「のんびり」が悪いこともある。
不便。
でも、便利じゃないからこその良さもある。
人間関係は狭い。
でも、助けてもらうこともある。
都会にはないものがある。
でも、都会にしかないものもある。
そして30年経った今、私が思うのは……
「結局、フツーの生活だな」
ということ。
最初は遠足気分だった。
虫が想像以上に多くて驚いた。
スーパーが遠くて困った。
免許がなくて大変だった。
子どもの病院にも苦労した。
東京に戻りたいと思ったこともあった。
それでも、子どもたちと暮らして、
近所の人とお茶をして、
野菜や果物をもらって、
家で大声で笑って、
気がついたら30年。
田舎暮らしは、
「夢のスローライフ」
でもなければ、
「不便で最悪な生活」
でもありません。
ただ、
そこで毎日を暮らしていく。
それだけ。
30年住んだ私にとっては、
もう特別なものじゃありません。
田舎暮らしは、私にとって「フツーの生活」になりました。
もし今、
「田舎に移住してみたい」
と思っている人がいたら。
私が30歳で東京から田舎へ来たときには知らなかったことを、
これから少しずつ書いてみようと思います。
いいことだけじゃなくて、
「それ、先に教えてよ😂」
と思ったことも含めて。
30年住んだからこそ話せる、
田舎暮らしのリアル。
これから、少しずつ。
