作用側・情報境界モデル|現在地
作用側・情報境界モデル|現在地
1|出発点
無限 valuation 列を
K∞ = prefix K_r + tail L
に分けると、対応する 2-adic 点は
x(K) = A_r + B_r x(L)
と書ける。
ここで
A_r = -Σ_{j=0}^{r-1} 2^{S_j}/3^{j+1}
B_r = 2^{S_r}/3^r
S_j = k0+...+k_{j-1}
したがって有限 prefix は、単なる「前半の情報」ではなく、
Φ_{K_r}(x) = A_r + B_r x
という tail状態への作用として表現できる。
2|最初の問い
K_r → (A_r,B_r) は本当に情報圧縮なのか、それとも再符号化なのか。
監査した結果、固定した prefix 長 r では情報損失の位置をかなり正確に特定できた。
A_r が保持する情報
A_r を整数化して
N_r = -3^r A_r
とすると、
N_r = 3^{r-1} + 3^{r-2}2^{S_1} + ... + 2^{S_{r-1}}
となる。
ここから項を順番に引き、2進付値 v2 を取ることで、
S_1 → S_2 → ... → S_{r-1}
を順次復元できる。
したがって、
k0,...,k_{r-2}
も完全復元可能。
一方、
k_{r-1}
は A_r の式そのものに登場しない。
よって、
固定 r では、A_r は先頭 r−1 個を完全保持し、最後の1座標だけを失う。
3|B_r が保持する情報
B_r = 2^{S_r}/3^r
なので、固定 r では S_r が読み取れる。
ただし S_r は valuation の総和なので、
B_r は総量を保持するが、配置・順序を失う。
つまり単独では強く lossy。
4|A_r と B_r を合わせる
A_r から
S_1,...,S_{r-1}
を復元。
B_r から
S_r
を取得。
すると差分から、
k0 = S_1
k1 = S_2-S_1
...
k_{r-1} = S_r-S_{r-1}
まで全部戻る。
したがって、
K_r
↓
(A_r,B_r)
↓
K_r を完全復元(A_r,B_r) は K_r の lossless encoding。
見た目は2係数まで圧縮されるが、prefix の情報自体は失われていない。
5|作用側の情報損失階層
ここまでを一枚にすると、
K_r = (k0,...,k_{r-1})
│
├→ A_r
│ 先頭 r−1 個:完全保持
│ 最後の1個:損失
│
├→ B_r
│ 総量 S_r:保持
│ 順序:損失
│
└→ (A_r,B_r)
prefix全体:完全保持
→ losslessこれで「情報を削った」という曖昧な話ではなく、
どの変換で、何の情報が、どこまで失われるか
を式から追跡できるようになった。
6|次に現れた新しい境界
単発では A_r は lossy。
ところが系列
(A_1,A_2,A_3,...)
として見ると事情が変わる。
A_r が落とした k_{r-1} は、次の A_{r+1} では内部に現れる。
つまり、
A_r
→ k_{r-1} を落とす
A_{r+1}
→ その k_{r-1} を保持
A_{r+2}
→ 次を保持
...となる可能性がある。
したがって次の監査対象は、
各 A_r は individually lossy なのに、無限系列 (A_r)_{r≥1} は lossless になるか。
ここが通れば、新しい構造が一本立つ。
単発情報
A_r
→ lossy
↓ 系列化
(A_1,A_2,...)
→ lossless ?これは今まで追ってきた、
有限の個々では失われる性質が、系列全体を一対象化すると回収される
という「有限→無限=型変換」と非常によく似た形を、情報保持そのものの側で再び観測することになる。
現在地
membership境界
→ 有限prefixでは閉じない
→ 無限列で閉じる
作用境界
→ (A_r,B_r) は lossless
→ A_r 単独は1座標lossy
次の問い
→ lossy な A_r を系列化すると、失われた情報はすべて回収されるか。
ここが次の監査点。
