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福岡大学は、プロテクティブDNSでキャンパス全体のネットワークを先制的に保護

大学を取り巻くIT環境は年々複雑化しています。クラウドサービスの利用拡大やBYODの普及、学外からのアクセス増加により、従来の境界型セキュリティだけでは十分な防御が難しくなっています。

約2万8,000人が利用する福岡大学も例外ではありません。同大学では、教育・研究・医療を支える大規模なネットワーク基盤を運用する中で、管理負荷の増大とサイバーセキュリティ対策の高度化という二つの課題に直面していました。

そこで同大学が着目したのが、すべてのネットワーク利用者が必ず通過する「DNS」を活用したセキュリティアプローチでした。


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レガシーDNS運用が抱えていた課題


現在では安定したIT基盤を実現している福岡大学ですが、以前はLinux(*1)上のBINDベースDNSを利用しており、運用面に多くの課題を抱えていました。

DNSレコードの変更は手作業で行われ、設定変更のたびに再起動が必要でした。複数ドメインにまたがる大量のレコード管理は担当者の負担が大きく、人的ミスによる障害リスクも常に存在していました。

実際に設定エラーによるDNS停止や名前解決トラブルが発生することもあり、教育・研究活動を支える重要インフラとして大きな課題となっていたのです。

こうした状況を改善するため、福岡大学はInfoblox NIOS DDIを導入し、DNS・DHCP・IPアドレス管理の統合基盤を整備しました。

福岡大学 藤村 丞 氏


新たな課題は「境界のないネットワーク」だった


DNS運用の安定化に成功した一方で、大学を取り巻くセキュリティ環境は大きく変化していました。

キャンパス内には420台以上のネットワークスイッチと650台以上の無線アクセスポイントが設置され、最大3万人が同時接続できる環境を構築しています。

さらにBYODやゲスト端末の増加により、ネットワークには管理外の端末が数多く接続されるようになりました。

従来型の境界防御では、こうした多様な端末すべてを保護することは容易ではありません。EDRやNDRを全利用者へ展開することも、コストや運用負荷を考えると現実的ではありませんでした。

福岡大学が求めていたのは、端末ごとの対策ではなく、利用者全体を広くカバーできる効率的なセキュリティ対策でした。


注目したのは「DNSレイヤー」での防御


そこで同大学が採用したのが、DNSを中心とした多層防御の考え方です。

まずDNSSECを活用し、DNS応答の正当性を保証することで、キャッシュポイズニングなどの攻撃を防止しました。

さらに導入したのが、プロテクティブDNSソリューションであるInfoblox Threat Defenseです。

プロテクティブDNSは、フィッシングサイトやマルウェア配布サイト、偽サイト、C2サーバーなどの悪性ドメインへの名前解決をブロックし、脅威へのアクセスそのものを防ぎます。

つまり、通信が始まる前の段階で脅威を遮断できるのです。

加えて福岡大学ではOutbound Port 53 Blocking(OP53B)も導入。利用者が外部DNSサービスを直接利用することを防ぎ、すべてのDNS通信を大学の管理下にあるDNSサーバーへ集約しました。

その結果、管理端末と個人端末を問わず同一のセキュリティポリシーを適用できる環境を実現しています。

3,400万回以上の脅威アクセスをブロック


Infoblox Threat Defense導入後、その効果はすぐに現れました。

2026年2月には、単月で3,400万回を超える脅威ドメインへの名前解決要求をブロックしています。

分析の結果、多くはDoH(DNS over HTTPS)関連通信であることが確認されましたが、それだけではありません。マルウェア配布サイトやC2通信など、実際の攻撃につながる脅威も継続的に検知されています。

また、送信元IPアドレスを分析することで、不審な挙動を示す端末の特定も可能になりました。

これにより、

  • ネットワーク全体の脅威傾向の把握

  • リスクの高い端末の特定

  • 継続的な感染リスクの監視

を実現しています。

年間120〜170時間の運用工数削減も実現

効果はセキュリティ面だけではありません。

Infobloxの統合プラットフォームにより、DNS管理の自動化が進み、DNSSECの鍵更新なども含めて運用負荷を大幅に削減しました。

福岡大学の情報基盤センターに技術・運用の視点で支援しているNTT西日本の 平岡 征一朗 氏 による試算では、DNS管理業務だけで年間120〜170時間の工数削減効果が見込まれています。

かつて頻発していた手作業による設定ミスもほぼ解消され、運用品質と効率性の両立を実現しています。


NTT西日本 平岡 征一朗 氏


プロテクティブDNSが実現する「利用者に見えない防御」

福岡大学の事例で特に注目すべき点は、これだけ強力な防御を実現しながら、利用者への影響がほとんどないことです。

学生や教職員は特別なソフトウェアをインストールする必要もなく、設定変更も不要です。

しかしその裏側では、DNSレイヤーですべての通信を監視し、危険なアクセスを未然に防いでいます。

まさに「利用者に見えないセキュリティ」が実現されているのです。

まとめ:ゼロトラスト時代の現実的なセキュリティ対策とは

BYODの普及、クラウド利用の拡大、管理対象外デバイスの増加により、ネットワークの境界はますます曖昧になっています。

こうした環境において、端末へのエージェント導入に依存せず、すべての利用者を保護できるプロテクティブDNSは、教育機関だけでなく企業や自治体にとっても有効な選択肢となっています。

福岡大学は、DNSを中心とした多層防御によって、運用効率の向上と高度なセキュリティ対策を両立しました。

その具体的な導入背景や構成、運用効果については、ぜひ事例資料をご覧ください。

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*1: Linuxは、米国およびその他の国におけるLinus Torvalds氏の登録商標または商標です。

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