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Goldman Sachsと米軍が採用したAI社員「Devin」の実力

あなたの職場に「AI社員」が配属される日が、もう来ている。

Cognition AIが開発した自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」が、Goldman SachsやNASA、米軍にまで導入された。これは単なるコード補完ツールではない。タスクを丸ごと任せられる「AI社員」だ。この記事では、Devinが何者で、なぜ今これほど注目されているのかを整理する。

Devinとは何か:「コード補完」の先にある存在

まず前提として、Devinは既存のAIコーディングツールとは根本的に立ち位置が違う。

GitHub CopilotやCursorは、あくまで人間のエンジニアが書いているコードを横から補完するアシスタントだ。人間がエディタを開いて、カーソルを動かして、AIが提案するコードを採用するかどうかを判断する。主導権は常に人間にある。

一方、Devinは「タスクそのもの」を受け取る。Slackでチケットを渡すと、自分でコードベースを調べ、コードを書き、テストを実行し、PRを作成する。人間がやるのはレビューと承認だけだ。

この違いは大きい。アシスタントと社員の違いといっていい。

なぜGoldman Sachsが「AI社員第1号」に選んだのか

Goldman Sachsには約1万2,000人のエンジニアがいる。その組織が2026年、Devinを「ハイブリッド労働力の最初のAI社員」として正式に採用した。

背景にあるのは、レガシーシステムの負債だ。金融業界は規制対応のために古いシステムを大量に抱えており、その維持・更新に膨大な工数がかかる。言語の移行、フレームワークのアップデート、依存関係の整理。どれも重要だが、エンジニアにとっては創造性の低い作業だ。

Devinはこうした「必要だが退屈な作業」を得意とする。マイグレーション作業で人間の5倍から40倍の速度を出した実績があり、Goldman Sachsは開発者の生産性が3倍から4倍になると見込んでいる。

米軍・NASA-JPLも導入した理由

2026年2月、Cognitionは政府向けサービス「Cognition for Government」を正式にローンチした。既に米陸軍、海軍、財務省、NASA-JPLで稼働している。

米国政府は年間ITコストに約1,000億ドルを費やしており、その80%が既存システムの維持に使われている。COBOLで書かれた数十年前のシステムが今も現役で動いている世界だ。人間のエンジニアを大量に投入してモダナイゼーションを進めるには時間もコストもかかりすぎる。

ここにDevinが入る。古い言語から新しい言語への変換、テストの自動生成、ドキュメントの作成。こうした定型的だが大規模なタスクを、Devinは休まず処理し続ける。

Devinの実力を数字で見る

SWE-benchスコアは13.86%。これは実際のGitHub Issueを解決できる割合で、従来のAIモデルと比較して7倍の改善だ。

「13%って低くない?」と思うかもしれない。だが、このベンチマークは実際のオープンソースプロジェクトのバグ修正タスクで、人間のエンジニアでも簡単には解けない問題が含まれている。13.86%は「現時点のAIエンジニアが、完全自律でどこまでやれるか」を示す正直な数字だ。

北欧のソフトウェア企業Vismaでの導入事例では、開発生産性が2倍になり、プロジェクトコストが半減した。これは実運用での数字であり、ベンチマーク以上に説得力がある。

企業利用は前年比80倍、評価額は約40億ドル

Devinの企業利用は前年比80倍に成長し、Cognition AIの評価額は約40億ドル(約6,000億円)に達している。

ただし注意点がある。Devinは現時点で個人開発者や中小企業向けのプランを提供していない。大企業向けの年間契約が中心で、料金は6桁から7桁ドル規模とされている。つまり、今すぐ誰でも使えるツールではない。

中間まとめ:「AI社員」時代の入口に立っている

Devinが示しているのは、AIが「補助ツール」から「チームメンバー」に変わりつつあるという事実だ。Goldman Sachsが公式に「AI社員」と呼んでいるのは象徴的で、これは単なるマーケティングではなく、組織設計そのものが変わり始めている証拠だ。

では、Devinは具体的に何ができて何ができないのか。日本の企業やエンジニアは今どう動くべきなのか。有料パートでは、導入事例の詳細分析、具体的な活用ロードマップ、そして今すぐ低コストで試せる代替ツールの比較を掘り下げる。

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