青白橡|穏やかな緑に込められた、落ち着きのある配色レシピ
はじめに|伝統色で、配色に“意味”を。
配色に迷ったとき、
「この色、なんとなくいい気がする」で選んでいませんか?
直感は大事。けれど、デザインの現場では、
「なぜこの色にしたのか?」を言葉にできることが、説得力につながります。
私たちが運営する 「いろふだ」 は、
日本の伝統色に込められた意味や背景をもとに、“理由のある配色”を提案するシリーズ
たとえば、かつて天皇の装束に使われた色、
和歌に詠まれた花の色、四季の風景を表す繊細な色――
それらの色は、ただ美しいだけではなく、
文化や感情、ストーリーが宿った「語れる色」でもあります。
今回は、柔らかで落ち着いた緑灰色「青白橡(あおしろつるばみ)」を中心に、
その魅力をじっくり味わっていただける配色帖をお届けします。
今回の主役:青白橡(あおしろつるばみ)
16進数カラーコード:#BFBA92
CMYK:C23 M18 Y43 K0
RGB:R187 G186 B146
印象タグ: 静けさ・知性・奥ゆかしさ
由来: 「橡(つるばみ)」とはドングリを意味し、その実で染めた色が語源。
そこに“青”と“白”のニュアンスが加わったのが「青白橡」。
平安期の装束や、天皇の正装にも使われてきた、格式ある伝統色です。
「青白橡(あおしろつるばみ)」は、
どんぐりの木=橡(つるばみ)で染めた、くすんだ緑茶色に由来
“橡”はブナ科の樹木で、実であるどんぐりを煮出して得られる茶系の染料は、古来より武士や公家の衣服、そして位の高い人々の装束に使われてきました。
そこに“青”と“白”という、清らかさと静けさを象徴する色名を重ねることで、この色はより上品で穏やかな印象を持つ色として位置づけられるようになります。
平安時代の作法書『西宮記』には
「麹塵と青白橡は同じもの」
と記され、
この色が天皇の正装にも使われた高貴な色であることがわかります。
また『栄花物語』では「青き白橡」と表現され、当時は青の一種として親しまれていたようです。
このように、自然から生まれた素朴な色でありながら、格式と深みを持つ色、それが青白橡なのです。
配色パターン(DIC日本の伝統色から構成)
🎨 パターン①:やわらかな華やぎ(赤系)
主色:青白橡(あおしろつるばみ) #BFBA92
組み合わせ1:洗朱(あらいしゅ) #FC8D7D
組み合わせ2:若葉色 #A5BE51

落ち着いた灰緑に紅色の深みと華やかさを加えた、優雅でやわらかな印象。
🎨 パターン②:素朴な陽ざし(黄系)
主色:青白橡(あおしろつるばみ) #BFBA92
組み合わせ1:鳥の子色(とりのこいろ) #F3DCB7
組み合わせ2:白茶(しらちゃ) #BCA68B

明るすぎず落ち着きもある中間色を合わせることで、柔らかな陽光のような印象に。
🎨 パターン③:みずみずしい静寂(緑系)
主色:青白橡(あおしろつるばみ) #BFBA92
組み合わせ1:若竹色(わかたけいろ) #65C195
組み合わせ2:千歳緑(せんざいみどり/ちとせみどり) #35533A

みずみずしい自然の緑を感じさせるグリーン系と組み合わせ、静かで知的な空気を演出。

クライアントの希望に応える派生提案
「青白橡、由来から考えると納得だけど……もう少し“青っぽくて誠実な印象”が欲しいんだよな〜」そんなクライアントの一言に応えるため、JIS慣用色「青(#0071BC)」と青白橡を組み合わせて、**新たな“意味ある青”**を提案。
🎨 派生グラデーション|青白橡 × 青(JIS)

●乗算(Multiply)
#165870
深み・堅実・信頼
●オーバーレイ(Overlay)
#7EA4D1
さわやか・親しみ・軽やか
●ハードライト(Hard Light)
#0088C7
スマート・印象的
●スクリーン(Screen)
#C2D1E9
明るさ・透明感・余白感
デザインに込めた“意味”を守りつつ、クライアントの印象要望にも柔軟に対応。色の説得力が、提案の力にもなります。
まとめ|色に、説明できる理由を。
「なぜこの色にしたのか?」に、文化と感性で答えられると、
デザインには深みが生まれ、相手にも届くようになります。
青白橡は、伝統の中で生まれ、現代の仕事にも応える柔軟な色。
そんな“意味で選べる色”を、これからも一緒に増やしていきましょう。
※サムネイルや図解の色はモニターの設定色により色の見え方が変わりますので、ご注意ください。
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