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隈研吾建築と、海辺のひととき

— 瀬戸内の港町に、ちょっと贅沢な日常を見つけに行く。

音戸イロリバHOUSEから歩いてすぐ。海沿いの静かな町に、世界的建築家・隈研吾が手がけた建物があるのをご存知でしょうか。
それが「音戸市民センター」。図書館、行政窓口、多目的ホールを併設した複合施設で、外観にはおなじみのルーバーが配され、内装にも彼らしい繊細なデザインが息づいています。

2007年竣工と少し前の建築ですが、その佇まいは今も新鮮。遠くから眺めると、まるで昔ながらの市場や工場のように、町の景色にしっとりと溶け込んでいます。
実際、設計にあたっては「古民家が多く残るこの地域に、どう現代建築を馴染ませるか」に心を砕いたと、当時の『新建築』でも語られていました。

そして最近、この場所は地域の新たなハブとして再注目されています。
夏になると、センター前の広場にはキッチンカーが集まり、海を望むロケーションでフードイベントが開催されるように。瀬戸内の海風に吹かれながら、飲んだり、食べたり、音楽に耳を傾けたり。地元の人も旅人も一緒に、ゆるやかな時間を楽しむ場所になっています。

旅先で出会う、思いがけない建築。
そして、そこに集う人々の笑顔や、海辺の空気。
そんな偶然のひとときこそが、旅の記憶を濃く、あたたかくしてくれます。

ちなみに、音戸市民センターの図書館は、海が見える気持ちのいい場所にあります。
長期滞在の合間に、ふらりと立ち寄り、地元の本を手に取る。
本と海、風と光が交差する時間も、音戸で暮らすように滞在する一部なのだと感じます。

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