ClariS カレンの加入から卒業までを振り返る【なぜ彼女は我々を魅了したか】
※サムネイル写真はアニメージュ+「【ClariS】現体制で最後のツアーは、カレンとの10年を振り返るセットリスト」より引用
はじめに
全国のClariSファンの皆さん、生きてますか?
ええ生きてない?そうですよね……
2024年11月10日にClariSのカレンは卒業してしまいました。
もう二度と逢えない彼女。今回はそんな彼女の足跡を辿り、思い出を振り返る記事となります。
内容はタイトルの通り、カレンの加入から卒業までを過去のインタビュー内容をもとに振り返ります。加えて、そこから推察できるカレンのパーソナリティを言語化し、卒業を決心するまでの道筋を紐解いて行こうと思います。
カレン卒業によって諸々が限界突破してしまっているオタクの戯言と泣き言になります。
記事は二章構成となっており、
第一章:加入から卒業までの振り返りと心情変化
第二章:カレンのパーソナリティ
となります。
引用内容も含めて20000文字弱の文章となっておりますので、お時間のある際にゆっくり読んでいただけたらと思います。
本文ではインタビュー記事を資料として活用し、私の考えを述べていますが、あくまでひとりのオタクから見る”ClariSのカレン”になります。温かい目で見守ってくださればと思います。
また、カレンの歴史を振り返ることはクララとカレンの関係性を遡ることと同義のため、上記の拙文と内容が重複している箇所がございます。ご了承ください。
以下補足事項
・インタビュー内容には資料の出典を記載しています。
・引用内容にカッコ内で記している部分は筆者による補足となります。
・引用内容に特別の記載がなければカレンの発言となります。
・「リスアニ!」本誌の内容は全て網羅してありますが、他の全てのインタビュー記事を把握できた訳ではないので、修正や追加内容がありましたらコメントください。
第一章:加入から卒業までの振り返りと心情変化
エピソードゼロ:前夜
加入から、とタイトルに書いたが、エピソードゼロとして加入前についても記していく。
「一言で言うと野生児」「野生児だったんですけど、そのぶんあまり人と話すことがなくて。周りが自然だらけだったので、たくさんの人の輪に入るのは苦手な性格でした。それがお母さんに進められて今の事務所のスクールに入ったきっかけでもあるんですよ。」
――カレンちゃんが芸能界に憧れたきっかけは?
私、もともとはすごく内気で人見知りで。
ホント、今では考えられないんですけど(一同笑)。
クララちゃんと出会ったスクールに親が私を入れてくれたことがきっかけで、私の人間性というか、性格がすごく変わったんです。
気が付いたら、自然と芸能の方に向かっていました。
本当に体を動かすことが好きで、ずっとずっとスポーツをやっていました。普通の中学生として友達と遊んだり、ごくごく普通の日々を送っていて。きっと、「まだ中学生だから」といって、夢を追うことに対して自分に甘いところがあったと思います。
そんなとき、今でも覚えているんですけど、『ミュージックステーション』のシングル・ランキングを見ていたら「irony」が流れていて、その下のテロップに「現役中学生」って書いてあって。「同年代でも頑張って夢を叶えている子がいるんだ……」と思って、すごく背中を押されたような気持ちになったんです。「自分自身の夢とちゃんと向き合っていかなきゃ!」と思うきっかけを与えてもらいました。
――それぞれ別の中学生時代を過ごしていた2人ですが、カレンちゃんはどんな思いで中学を卒業しましたか?
中学を卒業する頃には本格的に芸能界に進みたいと思って、個人的にいろいろなことに挑戦していました。でも、その頃はまだ女優さんに憧れる思いの方が強かったんです。ただ、ClariSや他の方の歌を聴いて、同じジャンルのテーマでもアーティストさんによって伝えたいことって全然違うなと感じたりしていた時期でもあるんです。歌に教えられることが沢山ありました。なので「女優さんも目指したいけど、歌手になるのも素敵だな」と思いはじめていた頃で。例えば「女優と歌手も両立できるかもしれない……」とか、少しずつですけれど、抽象的だった夢が具体的に絞られてきた頃でしたね。
まだどこにも言ってなかったことがあって、2014年の「 New Year's Festival 〜始まりの予感…〜」っていうイベントに私はダンサーのひとりとして出演させて頂いてたんですよ。それで、すごく近くで過ごしていく中で、ふたりの距離がすごく縮まっていって、それである日クララに「ClariSやらない?」って誘っていただけました。
憧れのClariSへの加入
――(ClariSに加入して)カレンさん、今の心境は?
とてもワクワクしています!私にとって初めての経験ばかりですが、どれも楽しみで。クララちゃんという素敵なパートナーと一緒に、音楽活動していけることがすごくうれしいです。
卒業したアリスちゃんの”太陽”は、自分から強く光り輝いてみんなを照らすイメージだったと思うんです。私は、まだその星は小さくても、強く輝ける光になりたいと思っていて。それに月と星は同じ夜空で輝いているので、クララちゃんと一緒に輝けるような、そんな存在になりたいと思っています。
(「Clear Sky」のレコーディングについて)
レコーディングに入る前のイメージは、もっとピリピリしていて、緊張感が張り詰めているのかなぁ……なんて思っていて。好奇心は強いのですが、実はすごく緊張してしまうタイプでもあって(苦笑)。「歌えなかったらどうしよう……」と思っていたのですが、実際はスタッフの皆さんがアットホームな雰囲気を作ってくださっていて、とても楽しんで歌うことができました。
(「Reflect」について)
歌詞で”心にしまっていた 揺れる気持ちも悩みも 君と話す度 不思議ね消えてていったみたい”というフレーズがあるのですが、ClariSに入ってから、やっぱり悩みや不安を抱えることもあって。でも、すべてをクララちゃんに打ち明けることで心がスッキリして、勇気や元気をもらえるんです。まるで私の気持ちを歌ってくれているみたいで、とても心に響きました。
(新生ClariSの2人による初舞台「リスアニ!LIVE-5」について)
私は最初、暗い所で目が慣れなくてドキドキしていて。
しかもステージに立ったとき、イヤモニの接続が悪くなっちゃったみたいで、「大変、これじゃ歌えない!どうしよう……」なんていろいろなことを考えていたら、だんだんと目が慣れてきて、見渡す限りにきらめいているペンライトが見えたんです。「この景色、夢みたい……」って、本当に思いました。そして歌い始めたら、本当にあっ!という間に終わっていて。
気分としては、ドラえもんみたいに自分の足が3ミリくらい浮いている感じだったんですよ(一同笑)! 足がちゃんと地面についた感じがしないし、その状況が自分でも信じられなくて。
(「ClariS 1st Live 扉の先へ」について)
「応援してくださるファンの皆さんがいるからライブができるんだ」という、感謝の気持ちもいっぱい込めてステージに立ちたいです。
武道館ライブと背負っていたもの
(4thアルバム「Fairy Castle」について)
私は、前のClariSのマネをするんじゃなくて、ClariSの良さを残しつつ、クララ・カレンの新しい良さを出せたかなと思うので、聴き比べて違うところを楽しんでもらえたら嬉しいです。
(武道館ライブMCでのクララからの感謝の言葉について)
ずっと泣かないように我慢したんですけど、トドメですよね(笑)。そのあとの「reunion」も私、ボロボロ涙がこぼれてたんですけど仮面だから涙がふけなくて(笑)。でも……曇ってたものが全部晴れた瞬間でした。私の中にあった不安とか悩みが全部なくなって、ClariSに入って良かったなって純粋に思いました。今、思い出しても泣きそうです。
(武道館ライブの「irony」について)
当時は私もファンだったClariSの始まりの曲を、クララとアリスと一緒に歌うことができて、アリスから背中を押されているような気持ちがしましたね。これからもクララと頑張っていこうというように自分も思えたので……あのときにしかできなかった、もう二度と作れない良い時間だったなと思います。やっぱり、私もどこかで以前のClariSを引きずっていた部分があったと思うので。元々クララとアリスが作っていた形を崩しちゃいけないという想いが自分の中にあったんですけど、今回アリスとも一緒に歌ったことで、クララと新しい形でClariSを作っていけたらいいなって思いました。
私は初めての武道館でkzさんと一緒のステージに立って「irony」を歌ったとき、初めて全身でClariSを感じたんです。上手く言えないけど、kzさんってClariSにとっては必要不可欠な存在だから。あの瞬間、初めてClariSが完成されたみたいな……。
(カレン作詞の「イロドリ」ついて)
この歌詞は武道館コンサートが終わったあとに書いたんですけど、今歌えているのは皆さんが支えてくださるからClariSでいられるという感謝の気持ちをいっぱいこめて書きました。
2ndパシ横コンサートと顔出し
私たちはファンの皆さんのことをファミリーのような存在だと思っていて、それなのに仮面をしているということは“家族に隠しごとをしている”ような感じというか......。
表情を隠していたら、伝えたいことの半分も伝わってないような気がして
今回のタイトルに〈はじまりのメロディ〉とあるように、またここからが新しいスタートだと思って、もっともっとみなさんの近くで歌を届けていきたいと思っています!
10周年を迎えて
――(10周年を前に)もう少しでカレンちゃんが入ってからの方がClariSの活動歴が長くなるんですよね。
私が加入したときは4年目で、まだ何もわからないまま5周年を迎えたんですけど、そのときは”5”という数字がすごく重く感じたんです。私が過ごしてない年月が長かった分、その数字に置いて行かれている感じがしたんですけど、今はクララや皆さんと一緒にたくさんの時間を過ごしてきて、自分で歩んできたものがあるので、10周年というものもClariSとして受け止めれるようになりました。そういう意味で、置いて行かれているような後ろ向きな気持ちは一切なくなりました。
(6thアルバム『Parfaitone』について)
――アルバムに収録される新曲についてもお伺いします。まずは『アイデンティティ』から。
この楽曲を聴いたときに、ClariSに加入した当時の自分を思い出して、すごく歌詞が心に染みてきて……。なにもない状態で飛び込んで、不安な部分とか自信がない部分がたくさんありました。でも活動していく中で、ファンの方や、クララ、スタッフさんがすごく愛をくださったんです。助けてくださったり、いろいろ教えてくださったり……そういうことがあったからこそ、いまのカレンという人間ができています。私が、いまの自分を好きだなって思えるのは、いままで出会ってきた方々のおかげなんです。この曲を聴いたときに、いままで出会ってきた、これからも大切にしたいなと思える方々が頭に浮かぶような楽曲でした。
コロナ禍明けとこれから
(「missing you」について)
そうだね。本当に離れ離れになってしまって、なかなかお会いできないファンの皆さんに向けて歌っています。私はそれ以外にも、去年亡くなったワンちゃんのことも浮かんできて……形あるものって絶対いつかなくなるけれど、記憶の中に残っているものって、自分が忘れない限りいつまでも、ずっと会えるじゃないですか。そういう意味で“ふたりだけの永遠”という歌詞が、すごく響きました。思い出せばいつでも会えるし、どこにでも一緒に行ける、そんな会えなくなった存在のことも、歌った曲だと思っています。
――8月11日に東京、13日に神奈川で開催されたコンサート『ClariS HALL CONCERT 2022 〜Twinkle Summer Dreams〜』では、『ALIVE』も披露されたとのこと。久しぶりのツアーだったそうですが、いかがでしたか?
ずっと皆さんに会えることを待っていた期間が長かった分、コンサートを終えてまだそれほど経っていないのですが、すごく時間が経ってしまったような気持ちです。ずっと待っていてくれた皆さんと会えたことは、とてもうれしかったですし、コンサート以外にもリリースがあったり、次に会える約束ができたり、私たち的には止まらず動けている夏というのがすごく久しぶりだったのでうれしく思います。感覚としてもやっと戻って来れたなというのが一番にあって、10周年を迎えてから皆さんに直接届けられなかった気持ちを、コンサートをきっかけに改めて伝えることができてすごくうれしかったです。
(ライブツアー「Neo Sparkle」について)
「Neo Sparkle」は、「新しいきらめきや輝き」といった意味になります。それをもっと発見して行きたいという、私たちの探究心の表れでもありますが、ClariSとして“もっと上を目指したい”という向上心も込められています。この先もきっと新しい出会いが、たくさんあるんじゃないかと思って楽しみにしています。
──(7thアルバム「Iris」の)11曲目の「未来航路」もアッパーで元気づけられる曲です。(後略)
またタイトルの「航路」は、未来に向かっていく滑走路を走り抜けている感じがして。いつも取材を受ける際、「ClariSとしての終わりを決めていないからこそ、1つひとつのことに全力で向かっていけるんです」とお話ししてきました。この曲のサビにも「終点なんてみえない この旅路は始まったばかり」が何度も登場しているのがまさに私たちのことを歌っているような気がして、お気に入りです。
そして卒業へ…
卒業の理由としましては、結婚して、私が育ってきたような温かい家庭を築きたい、という私のもう一つの夢を叶えるためです。
私の個人的な理由で、この勢いあるClariSの活動のスピードを止めてしまうのは自分が許せないと思った。
(ソロ曲「思秋期」について)
おっしゃっていただいたように、18歳くらいから10年間ClariSとして歩んで来て、全力でClariSに打ち込んで来たので、私の青春はClariSが全てだったと言ってもいいほどです。振り返ってもいい思い出ばかりで、それだけの愛をたくさんいただいた10年だったと思います。歌っている時は、そんなことを思っていたわけではなかったんですけど、改めて聴けば聴くほど「数年後の私の気持ちなのかもしれない」って思いました。
私にとって家族は本当に特別で、皆さんのことも「ClariSファミリー」と呼んでいますし、みんなも私たちのことを本当に家族だと思ってくださっています。その家族に中途半端な態度でモヤモヤが残ったり、素直に応援できなくなるのは違うと思って。家族に隠し事はしたくないじゃないですか。
歌に自信がありませんでした。ダンスなど体で表現する方が得意で、歌は好きだけれど人前で歌うのはすごく緊張するので苦手意識がありました。でもクララと一緒にやっていくうちに、歌も楽しいなって思えるようになったし。思ったことを口で伝えるのが苦手だったから、クララが代弁して私の気持ちを伝えてくれたこともあったし。もともと自分もファンだったユニットだから、加入した時はめちゃめちゃプレッシャーや緊張感もあって、クララが作って来たものについていくだけで必死でした。そんな私を一番に認めて、10年ずっと肯定し続けてくれたから、今胸を張ってクララの隣にいられるのだと思います。
(「Single Best 2nd」について)
――もちろん初期からのファンもいるだろうし、カレンちゃんが入ってから、ライブが活発になってからファンになった人もいるだろうし、そういうみなさんにとっても思い出を振り返るいいベストになっていますね。
いい意味で自分自身、10年前と変わっている感じはしないんですよ。もちろん、経験は積みましたし、想い出も増えましたけど、根本的な部分は変わってないなって。でも、これだけのシングルを出せることって、当たり前ではないじゃないですか。いろんな方や作品との出会いがあったり、ファンの皆さんの支えがあったりとか、そういった人の輪にすごく恵まれて、環境にもすごく恵まれて、自分たちのやりたいことをただただやれた10年だったので、自分で悩んだり葛藤したりすることがなく、ここまで来れたからこそ、変わってないと思えるのかなとも感じています。カレンとして活動していく中ですごくいいものをたくさんもらったな、1人の人間として成長させてもらったなって思いますね。
――(「Clear Sky」と「Clear Sky -2024-」を)聞き比べると違いに意味を感じてくれるんじゃないかと思いますね。温かいし、声のトーンが違うし。
「さっき「いい意味で変わってない」と言いましたけど、絶対に自信はついたんですよ。当時、みんなにどう受け入れていただけるんだろうって不安だった自分が、2人で歩んできた10年を経てすごく自信がついて、胸を張ってクララと今並んでいるという事実が、この新しい「Clear Sky」から感じていただけるんじゃないかなと思います。歌の聴こえ方も、不安よりも温かさやワクワク感のほうが皆さんに伝わる歌に変わっているという自信があります。」
月と太陽の光に負けそうであった小さな灯火は、10年の歳月を経て輝く一番星となりました。なんて綺麗なシンデレラストーリーでしょうか。
百折不撓の彼女の生き様に、敬虔ささえも感じてしまいます。
叶うことならば、彼女のこれからの人生が平和でありますように。
第二章:カレンのパーソナリティ
4つのパーソナリティ
さて彼女についてのインタビュー内容を引用してきたが、ここから彼女のパーソナリティは大きく4つに分類できると考える。
①天真爛漫、元気いっぱい、笑顔の輝く星のような側面
②努力家でストイック、健気にパフォーマンスを高める求道者としての側面
③家庭的で面倒見が良く、博愛的で思慮深い側面
④等身大に傷つき、落ち込み、心に影を持つ一人の人間としての側面
おそらく、ファンの皆さんが持っているごく一般的な共通認識であろう。それを改めて言語化させて頂いた。
①は語るまでもない彼女の一番外側のパーソナリティだ。”ClariSのカレン”という人物のパブリックイメージでもある。
クララ
「昔からそうなんですけど、「天真爛漫で元気いっぱい!」という言葉がふさわしいかもしれませんね。カレンがいるだけで周りの空気がすごく明るくなるんです。」
②についてはインタビューの端々から感じられもするが、ライブでのパフォーマンスを見て彼女の努力を疑う人はいないだろう。2時間半の公演で歌って踊ってステージの端から端まで行き来して、それでも笑顔を絶やさない。全身全霊で走り続ける彼女に我々は強く胸を打たれてしまう。
作詞の参考にするために、自分の感情を言葉にできるようにストーリーのある小説を読むのですが、自分が聞かれたことに対して返す言葉に偏りがないようにするために、自己啓発本を読んだりもしてます。あとは、トレーニングですね。体力が落ちないように(笑)。自宅でできる筋トレもしているんですけど、うちはラブラドールを飼っていて、散歩の量がすごく多いので、一緒に雪の中を走ったりしています(笑)。
③についても、我々は彼女から沢山の愛を貰っている。卒業に関してもその心中の多くを語ってくれた。また、ファンクラブコンテンツも併せて家族のエピソードがたびたび登場することから、彼女自身が愛されて育ったことが伺える。
(カレンが作詞した「陽だまり」について)
本当に大事なことは手紙にして書いて伝えるようにしてきたのですが、この歌詞もまさに手紙のように書きました。クララはもちろん、事務所のスタッフの皆さん、SACRA MUSICの皆さん、ライブスタッフの皆さん、家族や友達、そしてファンの皆さん……関わってくれているすべての人に届けたかった私の思いを込めて歌詞を書き、歌いました。
本当に私はクララと逆ですね。私は家族や兄弟も多いので、常に家に誰かがいたんですよ、プライベートが無くて。だから逆に一人の時間がすごく大事なタイプです。ほっとかれてちょうど良い距離感があることで、誰に対しても優しくできる感じですね。
※ちなみにカレンは4人兄弟(姉、弟2人)である。
④について、人気絶好調だったClariSの新メンバーとして加入するプレッシャーは想像するだけでも戦慄する。故に傷つき、不安を抱えていた心情がインタビュー内でも少なからず言及されている。
最初は嬉しさや、楽しさの反面、経験したことがないことに足を踏み出すことへの不安もありました。でも、自分が一番信頼しているクララとだったから、怖さというものは全然なかったです。ClariSでの活動を始めてみて、ファンの皆さんがとても温かく迎えてくださったことは、今でもとても感謝しているんですけど、ネガティブな意見もあって。それは当たり前だと思うんです。でもそんなネガティブな意見に気持ちが引っ張られてしまったこともありましたけど、ファンの皆さんの応援やクララがいつも隣にいてくれたことで、すごく励まされました。こう見えて私、クララよりメンタルが弱くてガラスのハートなんですよ(笑)。
ペルソナと素顔
この4点に関して、”ClariSのカレン”としてのペルソナと、仮面を被らない一人の女性としての素顔が複雑に入り組んでいると私は推察する。
イメージとしては、
①に近いほどペルソナに近くなり、④に近いほど素顔の心に近くなる。
②と③はペルソナと素顔が混ざり合っている状態ともいえる。便宜上②と③で区別したが、両方とも同じ階層ともみなせる。
理由については下記に述べていく。
強さと弱さ
まず
①天真爛漫、元気いっぱい、笑顔の輝く星のような側面
と
④等身大に傷つき、落ち込み、心に影を持つ一人の人間としての側面
について、この二つは相関関係にある。
彼女は天真爛漫な明るさの中に自身の弱さを隠している人間であるからだ。
彼女が輝く星のような人間であることは間違いない。しかし、その輝きの後ろには影があり、等身大の一人の人間としての葛藤を抱えていた。
その理由の際たるものは「アリスの後を継いでClariSとして活動することへの苦悩」であろう。
第一章「武道館ライブと背負っていたもの」と「10周年を迎えて」のインタビュー内容からそれは読み取れるが、改めて掲載する。
(武道館ライブの「irony」について)
当時は私もファンだったClariSの始まりの曲を、クララとアリスと一緒に歌うことができて、アリスから背中を押されているような気持ちがしましたね。これからもクララと頑張っていこうというように自分も思えたので……あのときにしかできなかった、もう二度と作れない良い時間だったなと思います。やっぱり、私もどこかで以前のClariSを引きずっていた部分があったと思うので。元々クララとアリスが作っていた形を崩しちゃいけないという想いが自分の中にあったんですけど、今回アリスとも一緒に歌ったことで、クララと新しい形でClariSを作っていけたらいいなって思いました。
――(10周年を前に)もう少しでカレンちゃんが入ってからの方がClariSの活動歴が長くなるんですよね。
私が加入したときは4年目で、まだ何もわからないまま5周年を迎えたんですけど、そのときは”5”という数字がすごく重く感じたんです。私が過ごしてない年月が長かった分、その数字に置いて行かれている感じがしたんですけど、今はクララや皆さんと一緒にたくさんの時間を過ごしてきて、自分で歩んできたものがあるので、10周年というものもClariSとして受け止めれるようになりました。そういう意味で、置いて行かれているような後ろ向きな気持ちは一切なくなりました。
”ClariSのアリス”の存在は余りにも大きかった。誤解を恐れずに表現させて頂くと、カレンにとっては目指すべき目標でありつつ、「呪い」でもあっただろう。
この苦悩は武道館ライブと、活動10周年を迎えたことでカレンの中から霧散したと考えられるが、裏を返せばこの二つを迎えるまで不安は晴れなかったということである。
武道館ライブではクララ・カレン・アリス、そしてkz氏と『irony』を歌うことで「呪い」から解き放たれた。
クララ
「そして「irony」で私たちが出てきて、アリスもいて、kzさんもいて……。やっぱりClariSはアリスがいたからこそ今があるものだと思うので、ああいう形で3人で歌うことができて、いい意味で新しいClariSがそこから始まっていくような瞬間になったかなと思います。」
冨田明宏氏
――こういう表現が正しいのかはわからないですが、あの「irony」ですべてが”赦された”という感じがして。
そしてClariSの活動が10周年を迎えて、クララ・アリスとして活動した4年間を、クララ・カレンとして活動した年月が越えたことでカレンは自身の道をやっと肯定できたのだと思う。
たゆまぬ努力を続けてきた彼女の成果である。
しかしながら、新生ClariSの活動初期は恐ろしく不安であったろう。
この苦悩から自身を守る壁であったのが①のペルソナではないだろうか。
①について、彼女が明るさと天真爛漫さを持つ人間であることは周知の事実である。
だが、インタビュー内容からは少し違和感を覚えることも多い。
(「Sweet Holic」について)
「今まで私は“元気”や“笑顔”のイメージがあったので、キラキラした要素が強かったと思うんです。でも、今回は楽曲のテーマがいたずら心や小悪魔っていう駆け引き上手な女性をイメージしたんですね。
特徴的な発言を引用したが、あくまで自分の「イメージ」と言っている。まるで他人事のようだ。周囲に望まれたからそうしているかのように。
クララ
「昔からそうなんですけど、「天真爛漫で元気いっぱい!」という言葉がふさわしいかもしれませんね。カレンがいるだけで周りの空気がすごく明るくなるんです。」
強調される「天真爛漫さ」もどちらかと言えば他己評価なのである。
――カレンさんは自分のことをどんな性格だと思っていますか?
好奇心は強いタイプだと思います。どんなに難しいことでも挑戦したくなっちゃうし、一度決めたことは最後までやり通したくなるタイプで。負けず嫌いな性格なのかもしれません。
新生ClariSが始動した「リスアニ!Vol.19」でのカレンの自己評価は上記の通りだ。クララの評価とはやや乖離している。本人の中の要素としては「好奇心」>「天真爛漫」なのだろう。(無論、自己評価が必ず他己評価とイコールになるわけではないので、これはカレンの謙遜なのかもしれないが。)
――(「Prism」を)実際に歌ってみていかがでした?
新しい自分を見た気がします。すごく明るい声で歌ったので「私もこういう歌い方ができるんだ!」って思いました。
また、私は上記のインタビューに驚いた記憶がある。カレンの声はもとから元気だったよ……?と言いたい。相対的に彼女の自分自身への自信のなさが読み取れる。
①天真爛漫、元気いっぱい、笑顔の輝く星のような側面について、”ClariSのカレン”としてのペルソナに近しいと私は言ったが、もちろん、本来の彼女自身がこのような人間ではない、という意味ではないことを改めて強調しておく。
彼女が①のような人間であることは他己評価からも揺るがない。
(カレンと武道館ライブで初めて対面した際に)
丸山(真由子先生)
「すごく明るい子で天真爛漫だと話に聞いていたんですけど、初対面はご挨拶だけだったので、クララちゃんの一歩引いたところにいる感じでした。でもその後、接してみると本当に聞いていた通りで、明るさと天真爛漫さと、グイグイ引っ張っていく強さや大胆さも感じるんですが、それだけじゃなくて引くべきところは引くという、空気に敏感なところも持ち合わせているように感じましたね。すごく魅力的な女の子だなと思いました。」
我らが丸山真由子先生も上記のように発言している。
改めて意味を定義すると、”ClariSのカレン”がClariSとして周囲から受け入れてもらうためのキャラ付け的なペルソナだと考える。
明るく・天真爛漫というのは、鈍感でおバカと露悪的に受け取らせることもできる。
ぽっとでの新人が絶大的な人気を誇ったアリスを継いだことに対して、批判を受けても気にしない、気にする性格じゃないということを内外にアピールするための殻であったのかもしれない。(余りにも穿ちすぎな考察ではあるが)
そしてカレン自身が「アリスの後を継ぐ」という戦慄く世界を進むために、弱い自分を隠すために、不安や葛藤を悟らせない壁としてのキャラ付けであったのではないか。
しかし、実際の彼女は等身大に繊細で、葛藤を重ねるひとりの女性であった。その事実は彼女を10年見てきた我々が良く知っている。
「ClariS Autumn Tour 2024 ~Via Fortuna~」の最終公演にて、カレンがMCにて「実は活動していく中で不安や悩みが沢山あった」という旨の発言をしていたが、私に言わせてみれば「そんなの知ってたよ」である。
不安や悩みを押し殺し、それでも笑顔を続ける姿こそが”ClariSのカレン”とその仮面の下の素顔の女性の魅力なのである。
人間としての強さと弱さが有機的に絡み合った姿にこそ我々は心惹かれ、夢中になってしまったのではないだろうか。
しかしながら、①のペルソナは偽物であったのだろうか。
私という人間を掘り下げたら、元々は引っ込み思案であったり、人見知りだったりして、そういうところは皆さんあまり知らないと思うんですけど、元から今のような性格だったわけじゃなくて、人との出会いや繋げてくださった縁によって自分が変わっていけたので、自分と似た境遇の方にも少しでも「なりたいと思えばなれるんだよ」っていうメッセージを常に発信できる人でありたいなと思います。
丸山(真由子先生)「アーティストの成長や変化の過程を眺めながら曲を作っていけるのは音楽家として喜びを感じますね。だからカレンちゃんは最初の「Clear Sky」から最新曲の「Starry」まで、ずっと成長と変化を見させてもらっていて。最初は声から伝わってくる緊張感がやっぱり印象に残っていて。」
カレン「そうだと思います。緊張が本当にすごくて……。」
丸山「始まりを感じられる歌で良かったよ!むしろ伸びやかに歌える今となっては貴重だよね。”努力の人”だなってすごく感じます。ライブを観ていても、自分が加入する前の曲からすべて自分のものにしていくのって大変だったと思うから。あとは持ち前の明るさと周囲を巻き込む力は天性のものだと思いますね。」
それは否である。カレンはそのペルソナを貫き通したのだ。偽物が真実になるまで。
そして今やカレンはClariSに欠かせない人物である。10年かけて彼女は己の存在を証明した。その事実には何とも胸が熱くなる。
10周年と自己開示
そして
②努力家でストイック、健気にパフォーマンスを高める求道者としての側面
と
③家庭的で面倒見が良く、博愛的で思慮深い側面
について、こちらは①と④より後に露わになってきたカレンのパーソナリティである。
具体的な期間を言うと、②と③が登場し始めたのはClariSが10周年を迎える前後である。
作詞の参考にするために、自分の感情を言葉にできるようにストーリーのある小説を読むのですが、自分が聞かれたことに対して返す言葉に偏りがないようにするために、自己啓発本を読んだりもしてます。あとは、トレーニングですね。体力が落ちないように(笑)。自宅でできる筋トレもしているんですけど、うちはラブラドールを飼っていて、散歩の量がすごく多いので、一緒に雪の中を走ったりしています(笑)。
自分に自信がもてるまでやらないと不安になっちゃうタイプで、ちょっとでも不安要素が残るとそれが出ちゃうんです。悪い癖なので治したいのですけど……。
――あえて聞きますが、ClariSじゃなかったらどんな人生を歩んでいたと思いますか?
カレン「多分児童福祉とか、そういう道に進んでたんじゃないかなと思います。今でもすごく興味があるので、本を読んで勉強したりとか、休みの日にはボランティアで活動させてもらったりもしていて、障害を抱えた方と社会を繋ぐ懸け橋になるような活動ができたらいいなというのはありますね。」
児童福祉を目指しているという点や他の内容からも、彼女本来のパーソナリティに近いと思われる。精神的にも自立し、他者を慈しむ姿が読み取れる。
(余談ではあるが、ClariSが2023年に奈良県の「みん芸フェスティバル」に参加した際、障害を持つ方と一緒に『CheerS』のパフォーマンスをしていたことを思い出した。あの瞬間はカレンの夢が一つ叶った瞬間でもあったのだろう。)
引用から察する方も多いだろうが、これらの内容はすべて「リスアニ! Vol.43.1 ClariS音楽大全“クラリスアニ!"」が初出である。この本は10周年を記念して作成され、2021年2月17日に発売となった。
内容はファン必見のものであり、ClariS史上初の超長文のインタビューが掲載され、多くのパーソナリティが開示されている。
もちろん、②と③についてはそれまでのライブ活動のMCやファンクラブコンテンツで明らかになっていた部分もあったが、初めて明文化されたのがこの「クラリスアニ!」であったと思う。(というか「リスアニ!」本誌以外のインタビュー記事が少なすぎである。)
また、10周年記念で制作され、ClariSが初めて声優に挑戦したオリジナルストーリーのボイスドラマ「ClariS 10th year StartinG 仮面(ペルソナ)の塔」も②と③の要素が多く散りばめられていた。
劇中のカレンはカバン職人を目指し、「職人気質」と友人に茶化されている。
また、劇中のカレンには弟がいる設定であり、その弟を失っている過去がある。物語終盤には弟を取り戻す様子も描かれている。加えて、ペットの「むいむい」に甲斐甲斐しく世話をする姿も見ることができる。
これは②と③に一致する。
(このボイスドラマは①と④の要素も多く、カレンのパーソナリティが非常に鮮明に表されている。)
※ちなみに劇中のクララはというと、レジスタンスのリーダーであったり、”魔剣”使いであったりとかなり設定が盛られている。等身大な要素が強いカレンとは非常に対照的である。
②と③は10周年を前後に意図的に開示されたパーソナリティだと私は考察する。これはひとえに、10周年のメディアへの完全な顔出しが理由であろう。
クララ
「ClariSとしては、やっぱり仮面を外すというのはすごく大きな決断になったと感じています。今までライブでは素顔で活動させていただいていましたけど、いつもライブに来てくださる皆さんだけではなく、たくさんの方に素顔の私たちを知っていただけるというのは、やっぱりClariSとして活動の幅が広がる1つの要素になるんじゃないかなと思っています。」
カレン
「私たちはファンの皆さんのことをファミリーのような存在だと思っていて、それなのに仮面をしているということは“家族に隠しごとをしている”ような感じというか......。」
クララとカレンは我々ファンと素顔で逢うために自己開示をしてくれた。自己開示しても良いと思えるほどに我々と関係性を育んでくれた。
ゆえに新たに開示された②と③は”ClariSのカレン”でもあり、仮面を被らない一人の女性としての素顔でもあるではないだろうか。
卒業への道しるべ
そして、この
②努力家でストイック、健気にパフォーマンスを高める求道者としての側面
③家庭的で面倒見が良く、博愛的で思慮深い側面
こそカレンの卒業理由につながっていると私は考える。

卒業の理由としましては、結婚して、私が育ってきたような温かい家庭を築きたい、という私のもう一つの夢を叶えるためです。
我々を震撼させた卒業発表であったが、この卒業理由は言うまでもなく③だ。温かい家庭で育ち、家庭的で博愛的な彼女だからこそ生まれた夢と願いである。
しかし、ClariSと両立して進む道もあったはずだ。だが、彼女はそれを選ばなかった。
私の個人的な理由で、この勢いあるClariSの活動のスピードを止めてしまうのは自分が許せないと思った。
理由は上記の通りである。②の要素だ。
ストイックにパフォーマンスのクオリティを求め、それを以て我々を魅了した彼女だからこその決断であった。
……私の本音を申し上げると、どんなにパフォーマンスの質が落ちても、カレンにはカレンとして活動を続けてほしかった。ただ続けるだけでも得られるものはある。カレンがカレンとして存在してくれるだけでも……
でもそれは、奇しくも我々が好きになった彼女のパーソナリティを否定することに繋がってしまう。皮肉なものである。
「私は育って来た環境もあってか、家族というものに人一倍の憧れがあって、自分の理想とする家族を作りたいと小さい頃からずっと思っていました。ClariSとの両立も考えましたけど、ClariSは常に新しいことにチャレンジしてパワーアップし続けたいと思っているユニットなので、私のことで活動にブレーキをかけてしまうのは、ClariSのいちファンとして違うと思いました。それでクララやスタッフの皆さんに相談して、今回こういう決断をさせていただきました。」
そしてこの章で最も述べたいことは、「卒業の内容自体は唐突であったが、彼女がその考えに至るまでの道筋は綺麗に整備されていた」ということである。
正直なところ、10年活動してきていきなり「結婚」というワードが登場するのはかなり唐突であった。これまでインタビューを振り返ってきたように、「結婚」もしくはその匂わせに関する情報は過去に欠片も存在しなかった。故に多くの人が困惑しただろう。
だがしかし、「カレンだったらそうする」「カレンだったら温かい家庭を築きたいと思う」と自然と納得ができていた自分も存在する。
今まで我々は、彼女が周囲を愛し、周囲に愛され、健気に努力を欠かさない姿をずっと見てきた。10年の活動の中でカレンが多くの自己開示をしてくれていた結果である。
卒業発表は唐突であったが、いわゆる「解釈違い」な行動ではないはずだ。我々が心に思い描くカレンならばそうするはずなのである。無論、その決断に至るまでの葛藤も容易に想像がつく。
だからこそ卒業は哀しいが、彼女のゆく道を応援したいと素直に思えるようにもなった。
今回卒業とその理由を公表したのも、カレンが我々に伝えても大丈夫だと判断してくれたからであり、大丈夫と思ってくれるほど関係性を育んでくれたからである。
――黙ったままソッとやっていくこともできたかもしれない。
私にとって家族は本当に特別で、皆さんのことも「ClariSファミリー」と呼んでいますし、みんなも私たちのことを本当に家族だと思ってくださっています。その家族に中途半端な態度でモヤモヤが残ったり、素直に応援できなくなるのは違うと思って。家族に隠し事はしたくないじゃないですか。
もしかしたら、アリスのように突然消え去ることもありえたかもしれない。
でもそうはならなかった。「ClariS Autumn Tour 2024 ~Via Fortuna~」を以てきちんと彼女を送り出すことができた。
アリスの卒業を経験している我々にとって、これは当たり前のことではない。
輝く星が導いた数奇な奇跡なのである。
クララ
「今までカレンは、そうやっていつも私を中心にClariSの活動を考えてくれて、いつも「それがいいね」って私の判断を推してくれました。そんなカレンが、初めて自分自身のことを大事に考えて決断したことだから、すごくうれしかったし応援したいと思ったんです。」
そして、周囲を大切にしてきた彼女だからこそ、今度は彼女自身の幸せを掴んで欲しいと思ってしまう。
10年彼女を見守り、10年彼女と歩んで来たひとりのオタクからの祈りである。
おわりに
結局のところ彼女の魅力とは何であったのだろうか。
結論から申すと、①~④のパーソナリティ全部!にはなるのだが。
①のように、輝く星のような光でいつも私たちを照らしてくれた。
②のように、圧倒的なパフォーマンスで私たちを満足させてくれた。
③のように、深い愛で私たちに気持ちを伝えてくれた。
④のように、ふと見せる影と健気さが私たちに憐憫の情を抱かせてくれた。
そして、ひとりの女の子が掛け替えのないパートナーと共に成長し、大きな輝きを放つまでのシンデレラストーリーに胸を打たれてしまうのである。
まったく彼女は罪な女性だ。こんな物語を味わされたら、応援するしかないじゃないか。本当にズルい……
この10年間の彼女の努力は並大抵のものではなかったはずだ。辛いこと、苦しいこと、絶望することが必ずあったに違いない。それでもなお、歩みを止めずに私たちに光を届けてくれた。
しかしながら、まったくもって不思議なことである。私たちは彼女の本名も、年齢も、パーソナルな情報は何一つも知らないのに、その心うちだけはありありと知っている。この数奇な事実がなんともこそばゆくも、誇らしい。
当たり前ではないその奇跡を噛み締めながら、私たちは今後も生きていくのだと思う。
最後にClarSのインタビューの中で、私が一番好きなものを載せてこの記事を終わりにしたいと思う。
クララ
「カレンは……私の人生に必要不可欠な人です。こうしてカレンが加入するというのは、デビューしたときは想像もしていなかったですし、加入したときもカレンのことは好きで、”この子とだったら”という想いはあったんですけど、じゃあその先どうなるかというのはわからなかったですし……。でも、私がClariSに加入してほしいとカレンにお願いしたことは、責任を感じていたんですよ。カレンが加入して再始動しても、うまくいかなかったらどうしようというのもありましたし、この歳で音楽の世界で活動していくのって、普通はあまりないことですし、特殊な世界ではあると思うので、そういうところに私の一方的な想いで加入してもらったという責任はずっと感じていたので……。ClariSとして一緒に何かを成し遂げて、いい思い出を作ってあげられたらいいなと思っていたんですけど、気づいたら逆にカレンに引っ張ってもらっていたというか。カレンのおかげで苦手だったダンスも好きになれて、パフォーマンスすることも楽しくなりました。」
(上記に対するカレンのアンサー)
カレン
「全然ないです。「ありがとう」 が感謝の最上限の言葉だとしたら、それ以上の感情は絶対にもってます。今まで当たり前に感じていたことも、 ClariSに入って1つ1つ感謝できるようになりましたし、「ありがとう」っていう気持ちが大事だなって気づけるようになったし、その気持ちを伝えたいと思うようになりました。 今が最高に幸せです。」
青春ぜんぶを懸けて“ClarSのカレン”というペルソナを背負い、走り切った一人の女性に心からの感謝と尊敬を込めて。
伊勢
