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せりふ三題噺/【短編】オチる彼女

はらとけい 様、いつもお題をご提供頂き有難う御座います。
約1800字弱短編小説となりました。
三題が直接出てこないとChatgptに怒られましたがご容赦下さい。
お楽しみいただけましたら幸いです。

今週のお題
■セリフ
「調べないほうがいいよ」
■三題
・合皮
・シーグラス
・将棋


女の子を拾った。

残業で遅くなりやけ酒くらった帰り道、彼女は自販機の光に照らされ立ち尽くしていた。
夜も遅いし心配して声をかけてみたら何故か懐かれて家までついてきた。
三文ラノベでも今更誰もやらない展開が、今まさに起こっている。

作りもののように均一で染み一つ無い、しっとりとしてツルツルと滑らかな白い肌。
長い漂流のうえ磨き上げられたかのような丸みを帯び、透きとおった瞳。
その容姿は私の理想を体現していた。
そして私は女の子が大好きなラノベオタクである。ぐへへ。
結果、どういう科学反応が起きたか、おわかりいただけただろうか?
普通に1週間が経過しようとしている。
今更後に引けない、バレたら社会的に抹殺される……そもそも彼女は誰なのか?
「調べないほうがいいよ」
私のゴーストがそう囁いている。
人類の基本的スキル『問題先送り』も強く推奨してきた。
帰ると部屋に明かりがついている、誰かが待っていてくれる。と言うだけで普段の生活に潤いがもたらされたのだ。尊い。
名前を聞いたら、『レイ』とだけ答えてくれた。
レイは無口だったけど、無反応では無い。後、パーソナルスペースが凄い狭い。一緒に寝起きしていると思わずドキドキさせられる。
あ、ゲームも得意だ。特に対戦ボードゲーム。
盤上の兵士の生死を自在に操り、自らの局面へと誘導する怜悧な頭脳。どこまでも私の性癖に突き刺さる子なんだろう。好き。

一生一緒にいて欲しい。なんて甘い未来を夢想した矢先のことだった。

黒いスーツをピシッと着こなした、人当たり良さそうな美人とその後ろに付き従う用心棒みたいなガタイのおっさん二人組が訪れた。

「ワタクシー、こういう者デスー」
そう言って美人は名刺を手渡した。

D.E.M.com 現地渉外担当

「D.◯.M.com?うちは利用してませんけど?」
「ああ、そっちじゃー、ないんデスよー。
Deus.Ex.Machina.comー、
弊社はー、あらゆる世界に『オチ』をご提供するー、いわばー、『終末の総合商社』でー、御座いますー」
「すいません。何言ってるか分かりません」
ヤベーのだった。
「ああ、この世界のー、生命体にはー、ご理解いただけるー、商売じゃー、ございませんでしたー」
うっかりー。とか言いながらディスられた。
「勧誘とかならまにあってますので……」
これ以上関わらないよう、ドアを閉めようとしたらハイヒールをねじ込まれ失敗した。
「違いますー、こちらでー、お預かりー、頂いているー、弊社試作品のー、回収にー参上した次第デスー」
「試作品?何の事です?」
うちには謎の美少女を居候させているだけだ。
「1週間程前からー、マーカーが動いてー、おりませんー。
汎用人型終末兵器『神造人間デウス.エクス.マキナ』ー、通称『0』ー、貴女が保護して下さったー、人型デスー」
「彼女が?……何?冗談でしょ?」
あんなにネコみたいに可愛いレイが兵器なんて。
「利益にならないー、コミュニケーションはー、いたしませんー。ご理解ー、いただけたらー、早速ー、回収させてー、いただきますー」
そう宣言すると、彼女が私を拘束し後ろに控えていたおっさんが、おんなじ顔したおっさんズがゾロゾロと部屋へ侵入していった。
「レイ!逃げ……」

ドガシャッ

「「え?」」
おっさんだったものが壁を吹き飛ばし、電子部品の中身を露出させバラバラになって玄関に吹き飛んできた。
「えぇー。緊急停止コード……エラーが出ますー。マスター登録されているー?まさかー、体液を取り込み済みー?この女ヤバ!……コホン。これはー、少し不味いかもデスー」
部屋からレイが何の気負いも無く出てきた。
「お姉ちゃんを離して……」
「これはー、下手に刺激してー、『絶滅エンド』になってはー、私の査定にー、響き兼ねませんー」
「じゃあ……」
「取り敢えずー、貴女にー、お預けしますー。あ、少額デスがお手当もー、申請しときますー。それでよしなにー」
後始末は後ほど専門業者が参りますのでー。と言い残し私を解放して、そそくさと撤退していった。
「お姉さん、大丈夫?」
近づいたレイは私に抱きついて上目遣いでそう聞いてきた。
「私は大丈夫よ。守ってくれて有難う」
レイの頭を撫でて上げると気持ち良さそうにシーグラスのような目を細めた。
「でも、暫くどうしようか?」

跡形も無く吹き飛んだ部屋と近づいて来るサイレンの音を耳にしながら呟いていた。

ご覧の提供でお送りしました。


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