古き良き ハリウッド・ロマンス『心の旅路』
マーヴィン・ルロイ監督
マーヴィン・ルロイ監督は
ロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーの『哀愁』や
『犯罪王リコ』『若草物語』『悪い種子』など
傑作がたくさんありますね。
主演の
ロナルド・コールマンと グリア・ガースンは
当時、日本でも人気のあった方で
ジャスミンも お名前だけは知っていましたが
映画は 今回はじめて観ました。
こんなロマンチックな映画
古い小さな名画座で
彼氏と観たら よかっただろうなあと
ため息の出るジャスミンです。
という訳で
まあまあ、突っ込みどころもあるのですが
観終わったとき
嗚呼、いい映画だったわと 幸せな気分になる
古き良きハリウッド・スタイルの恋愛映画です。
それでは ざっくりお話。
〇
1918年
イギリスの メルブリッチにある精神病院に
大戦で負傷し 記憶を失った状態の
陸軍大尉 (ロナルド・コールマン)が 収容されていたが
この第一次大戦が終結した夜
解放感で町中が賑わっている中
どさくさにまぎれ 病院を抜け出す。
彼は 夜の町をさまよい
ふらふらと入った小さな煙草店で
ポーラという 踊り子 (グリア・ガースン)に出会う。


大尉はスミスと 病院で呼ばれていた名を名乗ったが
彼女は親し気にスミシーと呼んだ。
病院に帰りたくないと言う
彼に同情したポーラは 自分の住まいに匿うが
やがて
精神病院から 脱走者が出たと騒ぎになり
彼に惹かれていたポーラは
踊り子の職を捨て ふたりで郊外の町に逃げる。
そして ふたりは結婚
小さな家を買い 男の子が生まれた。

桜の花の咲き乱れる 可愛い家。

つつましいが 幸せな暮らしが続くなか
やがてスミシーの送った記事が認められ
リバプールの新聞社から 採用通知を貰った彼は
契約の為、新聞社に向かったが
その途中、車に跳ねられてしまう。
幸いにも重傷ではなかったが
そのショックで 彼は過去の記憶が蘇り
しかし それと引きかえのように
病院を抜け出したことも
ポーラとの結婚生活の 記憶も失くしてしまう。
彼はチャールズ・レイニアという名で
大実業家を父に持ち 大邸宅に住む御曹司だった。
しかしチャールズが 勇んで家に戻ったその日は
父親の葬儀の日だった。
3年も行方知れずだった末に
こんな日に突然 帰って来たチャールズに
家族、親族は驚くが
彼はその空白を 取り戻そうとでもするように
父親の事業を引き継ぎ 精力的に働きだす。
ただ 時おり
じっと遠くを見つめる チャールズの手には
ひとつの小さな鍵が・・・
「これはどこの鍵なのだろう」
さて チャールズの働きもあり
大きく伸びた事業に
新しく有能な秘書を 雇うことになるが

面接の結果、採用となったのは
なんと ポーラだった。
顔を合わせ 会話をしても
何も思い出さないチャールズ。
ポーラは
リバプールに行ったまま戻らない
スミシー (チャールズ)を待ちわび
そんな時期に
ひとり息子まで 病気で亡くしてしまい
もう踊り子も出来ず
独り立ちするため 速記を勉強し
秘書として働いていたが
新聞でチャールズの活躍を知り
マーガレットと名を変え
秘書に応募してきたのだった。
彼女は秘書として 大変、有能な女性であり
チャールズは次第に 信頼を寄せるようになる。
やがて時が経ち
周りの後押しで 国会議員になったチャールズは
マーガレット (ポーラ)に プロポーズする。
マーガレットは承諾するが 心は淋しかった。
彼がすべてを思い出し
ポーラとして愛されたい・・
しかしどんなに話を向けても
何も思い出せないチャールズ。
そんなとき
メルブリッチにある チャールズの会社の工場で
ストライキが起き
急きょ、チャールズは現地に行き対応する。
メルブリッチ・・
そう、精神病院のあった あの町、
ポーラと出逢った町、
はじめてのはずなのに どこか見覚えのある町。
この小さな町の住民は
ストが上手く解決したことで 大いに賑わっていた。
ちょうど 戦争が終結した あの日のように。
その賑わいの中
何かに導かれるように歩きながら
その先を左に曲がれば 小さな煙草店があるはず・・
チャールズは
自分がそれを覚えていたことに驚き
それを きっかけに
不意にほどけて来た記憶の糸を 手繰り寄せながら
遂に ポーラと暮らした家に たどり着く。

「そうだ、この家だ」
鍵を差し込み廻すと カチャリとドアは開いた。
「スミシー!」
いつのまにか ポーラが後ろに立っていた。
チャールズが
メルブリッチに行ったことを知って 追って来たのだ。
「ポーラ!」

このとき
すべてを思い出したチャールズ。
美しい結末でした。
〇
原題は『Random Harvest』
なんと訳すのでしょうか。
完璧な美女の グリア・ガースンさん。
昔はこのレベルじゃなきゃ
スター女優にはなれなかった。

主演女優さんの アップのお顔には
必ず "女優ライト"が当てられ よりお美しい。

この書体が またまた泣かせますわ。
おしまい
