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【パパの英単語語源ノート(緊急企画①)】英語の発音はリズミカルに🎶🎹

英語の「正しい発音」とは何か?

もともと現在連載中のシリーズでは、英語がどのように他民族の支配を受けながら変化したのかについて書くつもりだった。しかし今朝、娘が英語の勉強中に、「admire の a は /ədˈmaɪr/ のように /ə/ の発音だが、名詞 admiration の a は /ˈædməˈreɪʃən/ のように /æ/ になる」ということをノートに発音記号と一緒に整理しているのを見て、「この勉強法ではダメだな」と感じた。そこで、急遽予定を変更し、「英語の発音」についての記事を書くことにした。

私は、約30年前に米国に6か月滞在したこと以外は英語圏に住んだことはないが、中学1年生の時から英語オタクになり、ハリウッド映画や英語教材を通して「米国人の発音」を聴き続けた。そのため、英語の発音はネイティブ・アメリカ人に近いと自負している。しかし、そもそも「正しい英語の発音」とは何なのか?という疑問を改めて考えたい。

「正しい英語の発音」とは何か?

日本の英語教育で学ぶ発音は、厳密にいうと「英語」ではなく、英語の影響を受けた「米語」であると考える。英語を共通語として使う国は、英国、米国だけでなく、カナダ、オーストラリア、シンガポール、インドなど世界70か国に及ぶ。では、「正しい発音」とは誰の発音を指すのだろうか?

仮に米国人の発音が正しいとしよう。しかし、米国の中でも地域や人種、教育水準によって発音は異なる。標準アメリカ英語(General American, GA)という概念はあるが、米国人同士でもGAに準じない発音をする人は多い。それなのに、英語が母国語でない私たちが「あなたの英語の発音は違う」「これは正しい発音だ」と評価するのは意味がないと考える。

しかし、日本の英語教育では暗黙的に「正しい発音=米国人が話す英語」と定義され、それが試験のリスニング問題などにも影響を与えている。そのため、試験勉強として「米語の発音」の背景を理解することは意味あるかもしれない。

今回は、admire と admiration のように単語内のアクセントの移動によって発音が変わる現象を理解する前に、まず英語と日本語の発音の根本的な違いを見ていきたい。

英語と日本語のリズムの違い

英語と日本語の最大の違いの一つは、リズム(韻律)である。英語は 強勢拍リズム(Stress-Timed Rhythm) の言語であり、日本語は モーラ拍リズム(Mora-Timed Rhythm) の言語である。言語学に深く入るつもりはないので、なるべく分かりやすく説明しよう。

1. 英語のリズム:強勢拍リズム(Stress-Timed Rhythm)

強勢拍リズムの言語では、音節の長さは均一ではなく、アクセントのある音節を長く、かつ強く発音する。逆に強調しない音節は短く、曖昧に発音される。そのため、モールス信号のように「長・短・短・長」といったパターンが形成されることがあり、「モールス信号リズム (Morse-code rhythm)」とも言われる。

代表的な言語:英語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語

分かりやすいイラストレーション!

例えば、"Thank you for your help." という文章を、日本語の感覚で「タン・タン・タン・タン・タン」と均等なリズムで発音すると、ネイティブには不自然に聞こえる。この文では Thank と help にアクセントがあり、「タン・ンンン・タン」と強弱のあるリズムになる。

また、強調する単語によってリズムや長さが変わり、ニュアンスが変わる。

  • I〜don't want to be a doctor.(彼は医者になりたがっているが、「私」はなりたくない)

  • I don't〜want to be a doctor.(「なりたくない」ことを強調)

  • I don't want to be a doc〜tor.(「医者」にはなりたくない)

上記のリズムを理解すると、"I can do it." と "I can't do it." の聞き取りが可能になる。この二つの文は意味が正反対であるが、"t" の発音がほとんどされないため、話者が "can" と言っているのか "can't" と言っているのか判別が難しいことがある。しかし、「できる」場合は "do" や "it" にアクセントが置かれ、「できない」場合は "can't" を強く、長めに発音するため、「キャン~」がはっきり聞こえたら "can't" であると判断できる。

英語のリンキング(Linking)

英語の発音を理解するためには、リンキング(単語同士を繋げて発音する現象)も重要である。特にアメリカ英語では顕著に起こる。対照的に、イギリス英語ではリンキングが少なく、日本人には聞き取りやすいと感じられることが多い。

これも分かりやすいイラストレーション!!

リンキングの例

Did you eat it? → Didju ea tit?(ディジュ イ ティッ?)
I love you. → I lo veyou.(アイ ラ ヴュー)

英語のリンキングは、フランス語のリエゾン(liaison)や韓国語の子音同化に似ているが、違いについては私も詳しくないのでスキップ!

2. 日本語のリズム:モーラ拍リズム(Mora-Timed Rhythm)

一方、日本語はモーラ単位で音の長さが決まり、すべての音節が同じ長さで発音される。例えば「ありがとう」も「かんたん」も、それぞれの音が均等な長さで発音される。

代表的なモーラ拍リズムの言語:日本語、ハワイ語など

日本語のモーラ(音節)拍リズムとは,音節が同じ長さで連続して現われるもので、英語母語話者にとっての日本語のリズムは機関銃のように「ダダダダダダダダ」のように単調なものに聞こえるという。

めっちゃ分かりやすいイラストレーション!!!

モーラ拍リズムの言語例を調べてみたが、日本語とハワイ語以外はあまり出てこない。その代わりに、音節拍リズム(Syllable-timed Rhythm)言語として、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語等、数多く出ている。音節拍リズムは、「強勢が弱く、音の長さが均等」という特徴があるが、今回は英語と日本語のリズムの違いがテーマなので、音節拍リズムについての説明は割愛する。

ネットで見つけたが、強勢(強制X)の漢字が間違っている。

このように、英語は日本語と違って、強調する単語を長く、強く発音することで、意味の焦点が変わる。一方、協調されない単語が小さく、曖昧に発音され、かつ前後の単語とリンキングしてしまうので、英語のリズムに慣れていない人には聞き取りにくくなる。

英語のリズムを理解し、適切な強勢を意識することで、より伝わりやすい発音が可能になる。それより、私たちのように英語を外国語として「勉強・学習」する人々にとっては、聞き取りのコツをつかむことがより重要と考える。

※参考サイト
https://youtu.be/UwuiWpHRo0A?si=pWpYx-EF8PCARftW&t=60
https://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/cat_stress-2.html
https://dr-d.jp/2018/05/27/syllable-timed-stress-timed/
https://www.nihongo-hatsuon-labo.com/introduction2.html
https://speek.jp/difference/
https://intl-hub.net/4890/

※ 免責事項(Disclaimer)
私は言語学者でも歴史学者でもない。ただ、言語と世界史、雑学を愛する者として、面白い話を聞くとそれで終わらず、多くのソースから情報を収集し、一番納得のいく説を蓄積している。そのため、本エッセイの内容はすべてが正しいとは限らない。しかし、読者の皆さんが言語や歴史に興味を持ち、自ら調べるきっかけになれば幸いである。

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