スウェーデンウインク【毎週ショートショートnote《裏》】
少年は、少女を守るべくショートソードを抜いて立ち塞がった。
海の向こうから来た略奪者は村を破壊し、すべてを奪い去ってゆく。美しい女は連れ去られ、奴らの本国で奴隷として売り捌かれるのだという。
眼前の略奪者は長身で、両の手にそれぞれ手斧を持っている。その後ろに、さらに数人がやってきた。自分が、すべてを倒す以外にない。
少年は男に突きを入れるべく駆け寄ろうとしたが、正面から腹を蹴られて前屈みになった。その頭頂に、遠慮なく斧が落とされる。
半狂乱になった少女には、平手打ちが送られた。身体ごと飛ばされるほどの衝撃で、地面に倒れ込んだ少女は一点を見つめて静かになった。
「まあまあだな。このあたり、昔に比べて当たりが少ない気がしないか?」
「そりゃあそうだ。何百年も奪い続けているんだぞ?
この島はもちろん、岬の向こうまで、千年経ったって美人は生まれて来るもんか。一方、こっちは有名になるだろうな。」
「どんなふうに?」
「美人の国になるのさ! ガハハハ!」
完
(本文424字)
