いつでも『最高の自分』に戻るための、5ステップ実践法:「B.R.A.I.N.」と「手放しの技法」
あなたの脳の「4つの住人」と、その「心の状態」
ジル・ボルト・テイラー博士の「4つの人格」と、デイヴィッド・R・ホーキンズ博士の「意識のマップ」。
この二つの理論を並べてみると、まるで「脳の取扱説明書(ハードウェア)」と、その時に体験する「心の状態(ソフトウェア)」の、完璧な対応表のようになっていることが分かります。
ここで、その「心の対応表」を、分かりやすく解説します。
1. キャラクター2 (左脳の「感情」) ⇔ 「ネガティブ」な状態 (レベル200未満)
ジル博士の定義:
「傷ついた子供」や「内なる批評家」と呼ばれる部分です。過去の嫌な記憶(トラウマ)を持っていて、いつも「危ないよ!」「どうせダメだ…」と、不安、恐れ、罪悪感、恥といった、ネガティブな警告を出し続けます。
ホーキンズ博士の定義:
これこそが、心が「フォース(力ずく)」で動いている状態です。ホーキンズ博士が示す、恥(20)、罪悪感(30)、恐怖(100)、怒り(150)、プライド(175)といった、レベル200未満のネガティブな感情エネルギーそのものです。
【つまり】
私たちが「手放し」をすべき、心のブレーキ役です。
2. キャラクター1 (左脳の「思考」) ⇔ 「理性的」な状態 (レベル400台)
ジル博士の定義:
「管理者」や「論理的な私」です。時間を守り、計画を立て、物事を分析する、社会生活に必要な部分です。「〜すべきだ」と考える、真面目な知性ですね。
ホーキンズ博士の定義:
これが「理性」のレベル(400台)です。科学や医学、論理的な思考を司る、非常に強力な心の状態です。
【つまり】
テイラー博士が、脳科学者としてバリバリ働いていた時の、得意なモードです。ただし、これ自体は「悟り」ではなく、「悟り」を理解するための強力な道具(ツール)、あるいは、悟りへの最後の障壁として機能します。
3. キャラクター3 (右脳の「感情」) ⇔ 「ポジティブ」な状態 (レベル200〜500)
ジル博士の定義:
「遊び心」や「冒険家」です。「今、この瞬間」を楽しみ、好奇心いっぱいで、感覚(味や音)を味わい、人とつながることに喜びを感じる部分です。
ホーキンズ博士の定義:
心が「パワー(真の力)」で動き始めた状態です。「勇気」(200)をもって新しいことに挑戦し、「意欲」(310)にあふれ、「愛」(500)によって他者とのつながりや喜びを感じる、創造的な心の状態です。
4. キャラクター4 (右脳の「思考」) ⇔ 「悟り」の状態 (レベル540以上)
ジル博士の定義:
「叡智(えいち)」や「本当の自分」です。博士が脳卒中ですべての悩みを失った時に体験した、「ただ、在る」という究極の意識です。「至福」や「ニルヴァーナ(涅槃)」と表現され、自分と世界の境界線が消え、宇宙のすべてと一体化した、穏やかで平和な状態です。
ホーキンズ博士の定義:
これこそが、「喜び」(540)、「平和」(600)、そして「悟り」(700以上)と呼ばれる、「すべてが一つである(非二元的)」意識レベルです。
【つまり】
キャラクター1と2(左脳の騒がしい声)が静かになった時、自然に現れる、私たちの「本来の姿」です。
ジル博士の「4つの人格」は、ホーキンズ博士の「意識のマップ」を、実際の脳の仕組み(神経学)の面から裏付ける、強力な証拠と言えます。
ホーキンズ博士が、心の「状態」の地図を描いたとすれば、
テイラー博士は、その地図の「場所」が、私たちの脳の中に、最初から「基盤」として組み込まれていることを、身をもって示してくれたのです。
いつでも「最高の自分」に戻るための、5ステップ実践法
次に紹介するのは、脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士が提唱する「B.R.A.I.N.」と呼ばれる5段階のプロセスと、精神科医デイヴィッド・R・ホーキンズ博士の「手放しの技法」という、二つの優れた方法を統合した、シンプルな実践法です。
私たちは日々、イライラしたり、不安になったり、落ち込んだりします。 ジル博士は、この状態を「キャラクター2(傷ついた子供)」が暴走している状態と呼びます。 ホーキンズ博士は、これを「ネガティブな感情」にとらわれている状態と呼びます。
どちらも言っていることは同じです。つまり、「過去の嫌な記憶や恐れ」が、今のあなたを乗っ取ってしまっているのです。
この状態から抜け出し、瞬時に、穏やかで賢明な「本当の自分」を取り戻すために、この5つのステップを活用してください。
【実践のタイミング】
イラッとした時、不安がよぎった時、カチンときた時など、ネガティブな感情に気づいた瞬間に、いつでも実行してください。
ステップ1:B = 呼吸する (Breath)
やること: まず、全ての思考と行動をストップします。
そして、ただ「呼吸」に意識を集中します。ゆっくり深く、90秒ほど(難しければ30秒でも構いません)続けてください。
なぜやるの?:
感情的な反応は、脳の自動的なパニックボタンのようなものです。呼吸に集中することで、この自動反応を物理的に中断させ、冷静な自分(観照者)が介入するための「時間」を作ります。
ステップ2:R = 認識する (Recognize)
やること: 今、自分の中で何が起きているか、客観的にラベルを貼ります。
「ああ、これは『不安』の感情だな」
「これは、ジル博士の言う『キャラクター2』が騒いでいるな」
「これは、ホーキンズ博士の言う『怒り』のエネルギーだな」
なぜやるの?:
「私が怒っている!」と感情と一体化するのをやめ、「私という意識の中で、怒りが観測されている」という視点に切り替えます。これが、感情に振り回されないための第一歩です。
ステップ3:A = 受け入れ、手放す (Allow & Surrender)
やること: ここが一番のポイントです。
その感情を「悪いものだ」と判断せず、変えようとせず、ただ「そこに在ること」を完全に許可します。
「なんでこうなったんだろう…」という頭の中のおしゃべり(ストーリー)を追いかけるのをやめます。
意識を、その感情が「体のどこで」感じられているか(胸の圧迫感、お腹の緊張など)に向けます。
その「体の感覚」そのものに抵抗するのをやめ、力を抜き、そのエネルギーが自然に燃え尽きて、消えていくのを、ただ静かに感じ続けます。
なぜやるの?:
ネガティブな感情は、私たちが抵抗すればするほど、居座り続けます。このステップは、感情のエネルギーを根本から解放し、心の圧力を抜き去るための、最も強力な方法です。
ステップ4:I = 尋ねる (Inquire)
やること:ステップ3で感情の嵐が静まり、心が穏やかになったのを感じたら(ジル博士の言う「キャラクター4」の視点です)、その静けさの中で、内なる賢明な自分に問いかけます。
「この状況で、本当に大切なことは何だろう?」
「愛に基づいた行動を選ぶとしたら、それはどんな行動だろう?」
なぜやるの?:
恐れや怒りに基づいた「自動反応」ではなく、あなたの最も深く、賢明な部分からの「答え」を引き出すためです。
ステップ5:N = 選択する (Navigate)
やること:ステップ4で得られた、静かで、穏やかで、建設的な答えに基づき、次の「思考」「言葉」、あるいは「行動」を、意識的に選び、実行します。
なぜやるの?:
いつもと同じ「感情的な反応」のパターンを断ち切り、意識的な「選択」によって、新しい、より良い現実を創造するためです。
この5つのステップは、テイラー博士の「瞬時に冷静になる技術」と、ホーキンズ博士の「根本的に感情を解放する技術」を組み合わせたものです。
これを繰り返すことで、日常生活のあらゆるネガティブな瞬間を、あなたの意識を成長させ、悟りへと近づくための、貴重な練習の機会に変えることができます。
【最終悟りへの追加ステップ】
ステップ 6: S = 「私」そのものを、明け渡す (Surrender the Self)
【実践のタイミング】
ステップ1〜5(B.R.A.I.N.)を実践した結果、あるいは瞑想によって、心が穏やかになり、「平和(キャラクター4)」や「喜び(キャラクター3)」に満たされている、まさにそのポジティブな瞬間にこそ、このステップは実行されます。
【やること】
「ラベリング(名前づけ)」を止める これが、ホーキンズ博士が説く、より深い段階です。「これは平和だ」「私は至福を感じている」といった、経験に名前をつける思考(マインドの働き)そのものを、手放します。思考による分析や分類を止め、ただ、経験そのものと一体化します。
「手放し」の対象を切り替える 手放す対象を、これまでの「不快な感情(恐怖、怒り)」から、「心地よい感情(平和、喜び、愛)」へと切り替えます。
「心地よさ」を手放す 「ああ、なんて平和なんだろう」「なんて至福なんだろう」と感じている、その「心地よさ」への、ごく微細な執着に気づき、それを手放します。
「観ている私」を手放す 次に、「平和を感じている私」「感情を観照している私」という、その中心にいる「観察者」の感覚、すなわち「私」という存在感そのものに、意識を向けます。
「存在」そのものを明け渡す 最後に、ホーキンズ博士が説くように、「存在し続けたい」「この意識であり続けたい」という、「存在そのものへの欲望」を手放します。
【なぜやるの?】
ステップ1〜5は、「私(エゴ)」が、より良く生きるためのツールでした。 しかし、ステップ6は、その「私」という主人公の座から、自ら降りるためのものです。
ホーキンズ博士の言葉によれば、この最後の「私」というアイデンティティが溶解するとき、もはや「選択する者」は残っていません。 そして、「最後のステップは、神によって踏み出される」のです。
これが、個人的な自己が完全に消滅し、普遍的な「真我(Self)」、すなわち神の臨在と合一する、「最終悟り」のプロセスです。
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