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偏差値50台からの医学部受験。数打ちできない時代に必要なのは、学力だけではなく戦略だった。

医学部を目指すお子さんというと、もともと飛び抜けて優秀。

そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも実際には、偏差値50台から医学部を目指すご家庭も、決して珍しくありません。

そして多くの場合、その道は——思っていたより、ずっと長くなります。

塾の広告や合格体験記には、合格した人の話が並びます。

けれど、その途中で悩み、迷い、進路変更を考え、親子で現実と向き合う過程は、あまり表には出てきません。

今日は、親目線から見た医学部受験について、少し書いてみようと思います。

最初の選択肢:国公立か、私立か

医学部を目指そうと決めた時、最初から私立医学部一本で考えるご家庭は、それほど多くありません。

理由は単純です。

学費が、違いすぎるから。

私立医学部は大学によっては、6年間で2000万〜5000万円ほどかかることもあります。

当然、多くのご家庭は、まず国公立医学部を視野に入れます。

しかし現実は厳しい。

推薦枠の拡大で一般入試の席は減り、「比較的入りやすい」と言われる大学ほど受験生が集中して高倍率になる。

気づけば、少しずつ私立医学部が視野に入ってきます。

ただ、いざ私立医学部を受けてみると、思わぬ壁にぶつかります。

面接対策が間に合っていない。

小論文もほぼ手つかず。

私立特有の出題傾向にも対応できていない。

——こうして、浪人が決まります。

「一年あれば大丈夫」という思い込み

最初の浪人は、まだ余裕があります。

「医学部なら一浪は普通。」

「一年あれば、足りなかった分を取り戻せる。」

そう考えるご家庭も少なくありません。

でも、ここに落とし穴があります。

浪人すれば、成績は上がる。

——本当にそうでしょうか?

受験界隈でよく言われる話があります。

浪人して成績が大きく伸びるのは2割。

変わらないのが6割。

そして下がるのが2割。

もちろん個人差はあります。

でも、浪人=自動的に成績アップ、という世界ではありません。

そして、浪人は、スタートラインが全員同じではありません。

偏差値60台の子には、課題が見えていることが多い。

「英語を伸ばせば届く。」

「数学のこの単元を潰せばいける。」

課題と対策が、自分の中で整理できているケースもあります。

でも、偏差値50台の子は違います。

そもそも、

何から手をつければいいかわからない。

勉強法そのものを身につけるところから始まる場合もあります。

そうなると、スタートダッシュも理解のスピードも違う。

同じ「浪人一年」でも、全員が同じ場所から走り始めるわけではないのです。

だから、「一年あれば何とかなる」は、思っている以上に難しい話だったりします。

やるべきことが、増えすぎていく

「親に負担をかけたくない。」

「どうせ目指すなら国公立。」

そう考えるお子さんも少なくありません。

でも、国公立を諦めきれないまま私立も受けようとすると、

共通テスト対策。

二次試験対策。

私立対策。

やるべきことが、雪だるま式に膨らんでいきます。

十分な準備ができないまま、本番を迎えることになります。

一浪では決まらず、二浪へ。

このあたりになってようやく、

「国公立は難しいかもしれない。」

そう考え始めるご家庭も出てきます。

しかし、ここでもまた壁があります。

予備校問題です。

大手予備校は、構造上どうしても国公立寄りのカリキュラムになりがちです。

一方、私立医学部に強い個別指導型の医専予備校は、当然ながら授業料が高額。

資金に余裕がなければ、そもそも選択肢に入りません。

そして二浪ともなると、別の現実も見えてきます。

かつて一緒に勉強していた同級生が先に進み、自分は年下と同じ学年になる。

頭では理解していても、簡単に受け入れられるものではありません。

さらに、入試日程の改定によって、

「受けられるだけ受ける」

という戦略も、これから通用しにくくなっていきます。

昔のように、数で押すことが難しくなる。

限られた受験機会の中で、どこを受けるのか。

その判断が、以前よりずっと重要になっていくのだと思います。

では、勉強が苦手なお子さんには、もうなすすべがないのか。

——私は、必ずしもそうとは思いません。

実際、偏差値だけを見ると不利に見える受験生でも、結果が大きく変わることがあります。

なぜか。

医学部受験は、「勉強量」だけの勝負ではないからです。

大学ごとの配点。

問題傾向。

面接。

小論文。

そして、数多く受けられない時代だからこそ重要になる、出願戦略。

ここからは、偏差値50台の医学部受験で、私が「戦略として重要だ」と感じたことを書いていきます。

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