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お相撲さんが塩をまくのは、なぜ?——相撲が神社の“奉納神事”から生まれた話

テレビで大相撲を見ていると、力士が土俵に上がる前に塩をパッとまきますよね。あの所作、実はただのパフォーマンスではありません。相撲はもともと、神さまに捧げる「奉納」の神事から始まったと伝えられています。名古屋場所でにぎわうこの季節、知っておくと観戦がぐっと面白くなる、相撲と神社の深いつながりをのぞいてみましょう。

相撲の起源は、神話の「力比べ」

日本最古の歴史書にも、相撲の原型といえる場面が登場します。『古事記』の「国譲り」神話では、建御雷神(タケミカヅチ)と建御名方神(タケミナカタ)が力比べをする場面が描かれ、これが相撲の起源のひとつとされています。また『日本書紀』には、野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)が力を競ったという伝承が記され、のちに「相撲節会(すまいのせちえ)」という宮中行事へとつながっていきました。相撲は、はるか昔から「神さまの前で力を奉じる」神聖な行為だったのです。

土俵は「神さまをお招きする場所」

本場所が始まる前、土俵の上では「土俵祭(どひょうまつり)」という神事が行われます。行司が祝詞(のりと)を奏上し、土俵の中央には米や塩などの「鎮め物」を埋めて、その場に神さまをお招きするのです。取組の前に力士がまく塩は、土俵を清めるお祓いの意味。足を高く上げて大地を踏みしめる「四股(しこ)」も、邪気を祓い、大地の力を呼び起こす所作だと言われています。土俵は、ただの闘いの場ではなく、神さまの宿る神聖な空間なのですね。

今も、神社で受け継がれる「奉納相撲」

この伝統は、今も全国の神社に生きています。お祭りの日に、境内で「奉納相撲」を行う神社は各地にあります。子どもたちが元気に取り組む姿は、五穀豊穣や無病息災を神さまに祈る、昔ながらの神事そのもの。奈良県桜井市には、野見宿禰と当麻蹴速が力を競った地と伝わる場所に「相撲神社」があり、相撲のルーツを今に伝えています。神社を訪ねたとき、土俵や力士像を見つけたら、その土地に息づく相撲の歴史に、そっと思いをはせてみてください。

まとめ——次の観戦が、もっと楽しくなる

相撲は、神話の力比べに始まり、神さまへの奉納として受け継がれてきた、日本文化の宝物です。土俵の塩まきや四股ひとつにも、長い年月をかけて積み重ねられた祈りが込められています。次に大相撲を見るとき、そして神社で奉納相撲や土俵に出会ったとき、その背景にある神さまへの敬意を、少しだけ思い出してみてください。そうやって「知る」ことが、この美しい伝統を未来へつないでいく、いちばん身近な応援になるはずです。この週末、近所の神社に土俵がないか、探してみるのもいいかもしれませんね。

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