連載記事 無機質な日々の中で 第2回
今日も疲れた。毒々しい環境の中で頑張った自分を褒めたい。
意外にも第1回の連載記事にいいねがついていて、嬉しかった。
こんな拙作を読んでいただき、ありがとうございます。
今日は前に執筆した自分の中でも一番出来の悪い
短編小説「偽善者たち」の一部分でも公開しようと
思います。
あと、この間の光景が何日経っても、胸を抉っています。
その時の様子を書きたいと思います。
「ねえ、ママ抱っこして」「いいよ。」「ママ、大好き」
この3回だけのやり取りだけどなのに、僕はどうして
胸を抉られたのか。
それは幼少期に無条件の「愛」を求めていたからだと思います。
「愛されたい」「愛したいけど誰かを愛する資格がない」「だって自分は本当の愛を知らないから」「本当の愛を知りたい」頭にはこんなワードたちが
浮かんでくる今日この頃です。
それでは短編小説「偽善者たち」の一部分を公開します。
読んでくだされば幸いです。
「偽善者たち」
僕は、ただ抱きしめられたかった。
「よくできたね」と言われたかった。
でも、家の中にはそんな声は一つもなかった。
姉は何をしても褒められ、僕は存在を無視された。
「あのね、今日は友達と――」
「うるさい!疲れてるからあっち行け!」
母の声は鋭く、胸を押し潰すように響いた。
「ほんとに、なんであんたはいつもそうなの!」
僕が机に向かってノートを広げ、声を出すだけで、母は罵った。
「誰もあんたの話なんて聞きたくないの! 家の中がうるさくなるだけでしょ!」
父が帰宅すると、恐怖は頂点に達した。
酒の匂いを纏った父の目が、僕を捕らえる。
「なんだ、その顔は!ふざけてるのか!」
手が背中を叩き、平手が顔に飛ぶ。
「痛い!やめて…!」
机に突っ伏す僕の背中に足が蹴り込まれる。
庭先に放り出され、冬の冷たい空気が全身を切り裂く。
濡れた服が肌に貼りつき、冷たさが骨の芯まで染み込む。
泣きながら、僕は夜空を見上げる。
「お願い…誰か、僕を見て…」
でも、誰もいなかった。
母は台所の古いシンクに立ち、埃まみれの布巾を絞るだけだった。
「泣いてばかりじゃ、情けない子ね」
言葉の刃が体よりも心を深くえぐった。
家の中は古び、壁紙ははがれ、床には埃が積もる。
暗い廊下の電球は点滅し、薄いオレンジ色の光が部屋をぼんやり照らす。
家具は擦り切れ、椅子の脚はガタガタと音を立てた。
台所には油のにおいと湿った木の匂いが混じり、息を吸うと胸がむせる。
暖房は壊れていて、冬は部屋の空気が冷たく、吐く息が白くなる。
食卓では、姉には温かいご飯が並び、僕の皿は空っぽ。
「お前なんか、食べる価値もないわ」
母の声が部屋中に響き、手は震えた。
黙って箸を握り、空っぽの皿を見つめるしかなかった。
学校でも孤独は変わらなかった。
特別支援学級に通うことをからかわれ、同級生たちは「バカ」「変なやつ」と嘲笑った。
ある日、ノートに書いた絵を見せると、男子が笑った。
「なにこれ、下手すぎ!」
僕は唇をかみしめ、涙をこらえた。
でも、ほんの小さな反抗もあった。
誰も見ていない隙に、こっそり絵を描き続けたり、庭先で凍った土を踏みしめながら、声に出さずに怒りを吐き出したりした。
それはほんの小さな希望だった。
「僕は、僕の世界を作れるかもしれない」
夜、ベッドに横になって天井を見上げる。
薄汚れた天井にはひび割れがいくつも走り、天井の隅には小さなクモの巣が張っていた。
小さな心の奥で、かすかな火を灯す。
「いつか、誰か僕を見てくれる日が来るかもしれない…」
でも、その希望も、父の拳と母の言葉に踏みにじられる現実に、毎日打ちのめされるのだった。
僕の孤独は深く、幼い心に刻まれ、後の人生を影のように追いかけてくる――。
最後に読んでいただきありがとうございました。
悲しいですが、フィクションをもとに描いた作品です。
明日も余力があれば「偽善者たち」続編をお届けしたいと思いまーす。
