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なぜ怒られるのか?

怒られている内容が、本当の問題とは限らない

幼稚園や保育園に入園すると、担任の先生から指摘を受ける機会が増えます。
「落ち着きがありません」 「順番が守れません」 「お友達とトラブルになります」
そんな話を聞くと、
「うちの子は大丈夫なのだろうか」 「何か大きな問題があるのではないか」
と不安になることもあるでしょう。
しかし、私は「怒られている内容」と「本当の問題」は必ずしも一致しないと考えています。
子どもの行動には必ず理由があります。
その理由を探り、本質を理解することが、家庭に求められる大切な役割です。

怒られる理由は4つに分けられる

子どもが怒られる理由は、大きく4つに分類できます。

① 家庭では許容されていたが、園では認められない

幼稚園や保育園は、人生で初めて外部の集団に所属する場所です。
そこには家庭とは異なるルールがあります。
例えば、
「先に○○をしたい」 「今はやりたくない」
という行動が家庭では許容されていても、集団生活では順番や時間を守る必要があります。
これは子どもが悪いのではなく、求められる環境が変わった結果です。

② 「ふさわしい状態」が変わった

家庭では「元気で明るい子」と評価されていた行動も、集団生活ではそのまま通用しないことがあります。
一方的に自分の意見だけを主張していては、周囲との関係が成り立ちません。
しかし逆に、まったく自己主張をしないことも望ましい状態ではありません。
幼稚園や保育園は、自分の気持ちを表現しながら相手も尊重する、そのバランスを学ぶ場所です。

怒られている内容=できないこと?

ここで重要になるのが次の2つです。

③ わざと行ってはいけないことをして怒られる

④ 意図せず行ってはいけないことをして怒られる

実はこの2つは、表裏一体です。
「わざと」と聞くと反抗や悪意を想像するかもしれません。
しかし、その背景には別の理由が隠れていることがあります。
例えば、
·       本当にやりたくてやっている
·       苦手なことやできないことから目をそらしたい
というケースです。
以前、私は次のような例を経験しました。
歌がうまく歌えないため、ラジカセの音量を最大にして怒られる
一見すると問題は「ラジカセの音量」です。
しかし、本当の課題はそこではありません。
本人は歌いたい気持ちはあるものの、うまく歌えないことに困っているのです。
努力してもできないことで怒られるくらいなら、別のことで怒られたほうが楽だと感じることがあります。
つまり、
怒られている内容が問題なのではなく、その背景にある困りごとこそが本当の問題である場合があるのです。
不自然な内容で繰り返し怒られているときは、その理由に目を向ける必要があります。

家庭で大切にしたいこと

家庭で特に意識したいことは2つあります。

本当の原因を探ること

まず、
「なぜその行動をしたのか」
を考えます。
表面的な行動だけを見るのではなく、その裏にある感情や困りごとを探ることが大切です。
ラジカセの例であれば、問題は音量ではなく「歌うことへの苦手意識」かもしれません。

理由(本質)を説明すること

もう一つ大切なのは、理由を説明することです。
「○○はダメ」 「言われた通りにしなさい」
だけでは、子どもは考える機会を失います。
そうではなく、
·       なぜダメなのか
·       なぜ必要なのか
·       そのルールは何のためにあるのか
を丁寧に説明することが重要です。
理由を理解することで、子どもは状況に応じて判断できるようになります。

親は子どもの通訳者

子ども自身が、
「本当は頑張っている」 「うまくできないことに困っている」
という背景を大人に説明することは簡単ではありません。
だからこそ親の役割があります。
例えば担任の先生から、
「毎回ラジカセの音量を最大にします」
と相談を受けた場合、
「歌おうと努力しているが、うまく歌えないことに悩んでいる」 「本人なりに頑張っていることも見てほしい」
という背景を共有できます。
親は子どもの代わりに状況を説明する、いわば『通訳者』なのです。

親も成長する・しましょう 成長の好循環

ここまで書いてきたことは、正直なところとても手間がかかります。
理由を考え、子どもと対話し、先生とも共有する。
時間も体力も必要です。
そうしたことに取り組める親に成長する必要があります。
しかし、その過程で私たちは子どもの新しい一面を知ります。
そして、
「そもそもなぜそう考えるのだろう」
という子どもらしい柔軟な発想に触れることができます。
それを負担と感じるか、子育ての醍醐味と感じるか。
そこには親自身の成長も関わっています。
単純な「好き・嫌い」や「良い・悪い」だけで判断するのではなく、理由を基に考え、適切な意思決定ができるよう導くこと。
その積み重ねは、子どもだけでなく親自身の成長にもつながるのではないでしょうか。

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