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保育園を増やし、千葉県最大手になるまで

これまでのお話はこちらのマガジンにまとめています。初めましての方は、こちらもぜひご覧ください。


1,東京都の保育園開設が難しかった2015年

大きな認可保育園を増やしていこうと公募に応募をし始めた2015年は、あらゆる自治体で保育園の運営事業者募集の公募が増え、同業他社も同じように施設を増やしていた時期でした。

特に、補助金が手厚い東京都の公募は激戦で、大手の保育事業者を中心に応募数も多かった時代でした。

公募では、保育園の立地、事業者の実績、財務の健全性、保育計画、人員、地域貢献性といった項目にそれぞれ点数がつき、一番点数が高いところが選ばれる仕組みですが、特に事業者の実績については「東京都内で認可保育園を5年経営していること」などという要件もあり、当時の当社は応募もできませんでした。

仮に応募できたとしても、社歴も浅くて会社も上場していないため資本力では大手の上場企業には及ばず、立地の提案でも劣っていました。

待機児童が集中する東京都に多くの保育園を作りたかったのですが、東京都では施設が思うように増やせませんでした。

東京都は保育園を作るための土地が少ないため高い物件開発力が求められます。さらに、地価も高いため、資金力がなければ保育園が作れません。

保育士の採用も他のエリアに比べて非常に難しいため、保育士の採用実績のある大手の保育事業者が評価されるのは自然なことでもありました。

2,千葉県内の公募で施設を増やしていく

東京都の公募では苦戦しましたが、千葉県ではすでに保育事業者としての実績がありました。

実績があると、不動産会社から保育園のための土地を紹介してもらう際に物件の情報がもらいやすかったり、これまでの保育の評判を認められるといった強みが出せました。

大手の保育事業者も東京都の公募にはたくさん参加をしてきましたが、千葉県の公募には参加しないため、あまり競合になりませんでした。そればかりか、千葉県に詳しい大手の保育事業者も少なかったので内容でも負けることはありませんでした。

そこで、この強みを生かして千葉県の公募に積極的に応募していく方向に戦略を切り替えて、千葉県内でドミナント戦略を進めていくことになったわけです。

ドミナント戦略とは、「選択と集中」の経営戦略で、特定のエリアやターゲットに対してナンバーワンの地位を確立することを目指すものです。

認可保育園というのは自治体が作りたい場所で計画を立てられなければ作ることができません。そのため、土地勘があり実績のあるエリアで集中的に施設を増やしていくことを選択しました。

特定のエリアでナンバーワンになれば、そのエリアでの認知度が高まり、競争優位性が確立でき、短期間で同業他社に負けない状態をつくることができます。

こうして千葉県内に集中的に施設を増やしていったことで実績と評判が高まり、千葉県の公募では負けなくなっていきました。

結果、2015年には大手の保育事業者に勝てなかった東京都の公募も、2019年になると大手事業者にも負けず、一番点数が高い保育園事業者になることができるようになりました。

そこに至るまで、2014年の時点では保育園16施設、発達支援事業所2施設だったのが、2018年までに保育園43施設、発達支援事業所13施設まで増やしています。公募では、認可保育園と児童発達支援を1つの建物の中に融合して提供していることも評価されるようになりました。

ずっと東京都にこだわっていたら短期間でここまで多くの施設を作ることは難しかったので、自社の強みをいち早く理解して切り替えたことが、会社を大きくするための要因になっています。

現在、千葉県のAIAI NURSERYが60か所になったことで私立保育園数で最大手になりましたが、短期間で施設が増やせたのも千葉での強みを生かした戦略がうまくいったお陰です。

3,規模を大きくしながら、保育の質を高めていった

公募で負けなくなった理由は、単にドミナント戦略で実績を作っていっただけではありません。

一度は諦めかけていた人材育成に対して本格的に仕組みを考え、整えていくことができたことも非常に大きな要因になっています。

保育というのは保育士が提供するサービスのため、人材育成はサービスの質の向上に直結します。

保育事業者として過去を振り返ると、施設を増やしていきながら保育士を育てる仕組みを構築したことがAIAIグループの強みになり、独自性として選ばれる保育園になれたのだと思っています。

(次回)施設長と主任にライセンス制度を導入する

2015年、施設を増やしていった頃に初めて施設長ライセンス試験を行いました。これは、施設長になるための試験として、必要な業務知識があり、適切な視点を持った課題解決ができるかを測るものでした。

保育園の施設長というのは、保育の専門家という面だけでなく、人の採用や育成、係数管理などを踏まえた施設運営ができなくてはなりません。

そこで、保育園経営に必要な知識と論理性、施設の経営ができるかをライセンス試験によって測り、合格者が施設長になる仕組みを作って施設長の育成に注力しました。

次回は、なぜライセンス制度を作ったか、そしてその仕組みについてのお話です。


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