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[映画]『WEAPONS ウェポンズ (ザック・クレッガー監督/2025)』


新宿ピカデリー

データ

 原題: Weapons
 監督: Zach Cregger
 製作年度: 2025
 製作国: アメリカ
 アスペクト比: 1:2.39f
 時間: 2h08
 公開日: 2025/11/28
 鑑賞日: 2025/12/26
 配給: ワーナー・ブラザース映画

はじめに

 『ジャグラー ニューヨーク25時』に続くハシゴ二本目はバリバリの新作。そして奇しくもジェームズとジョシュのブローリン親子の作品が続いた。親子揃ってパワフル。

↓ジョシュは子供の頃に飼い豚を食べさせられた! と父親ジェームズの食育に文句を言ってます笑

概要

プロローグ

 冒頭に女の子の声でナレーションが流れる。

 これは私の街で起きた本当の話。いつもと変わらない水曜日だったが、ジャスティン・ギャンディ(ジュリア・ガーナー)のクラスはアレックス・リリー(キャリー・クリストファー)を除いて誰一人登校しなかった。なぜならアレックスを除く17人の生徒は前日の深夜2:17に一斉に家を飛び出し、暗闇に消えていったから…。

 ナレーションはスカーレット・シェールという子役。同じ学校の別のクラスの生徒という設定だろうか。ただ"二度と帰ってこなかった"とか"警察は事件を解明できなかった"といった説明が続くので、どの時点の断面でのナレーションなのかしら、と映画鑑賞後にふと思った。

 以降は6人のキャラクターがそれぞれの視点で事件を再現していく構成となっている。

ジャスティン

 朝、いつものように教室に入るとアレックスしか登校していなかった。街はパニックになり、警察も捜査に入るが子供達は見つからない。ジャスティンは学校の説明会で父兄から非難される。ジャスティン自身、訳が分からないが、息子のマシュー(ルーク・スピークマン)が行方不明となっているアーチャー(ジョシュ・ブローリン)はジャスティンが事件に関与しているのでは…と糾弾する。

 ジャスティンに住民の嫌がらせが始まる。夜中にドアがノックされ、車に"witch"と落書きされる。ジャスティンはアレックスと話そうとするが、校長のマーカス・ミラー(ベネディクト・ウォン)はアレックスへの接近を禁止し、ほとぼりが冷めるまで自宅待機するように指示する。

 ジャスティンは元カレの警察官のポール・モーガン(オールデン・エアエンライク)とバーで逢う。ポールは禁酒したというが、ジャスティンは敢えてポールに酒を薦める。

 翌日、ジャスティンは酒屋で突然、女に襲われる。女はドナ・モーガン(ジューン・ダイアン・ラファエル)、ジャスティンは昨晩、ポールと関係を持ち、ドナはそれを知ってしまったらしい。

 ジャスティンはそしてアレックスの家を訪れる。ノックをしても応答は無く、また、家じゅうの窓ガラスに新聞紙が貼られていた。僅かな隙間から家の中を覗くと両親らしき男女がじっと座っていた。慌てて車まで戻り、屋敷を見張ることにする。ジャスティンもまたアルコール依存症に近い状態で、ウォッカか何かを割った飲み物を飲みながら見張り続け、夜、眠ってしまう。

 そこへアレックスの母親らしき女が忍び寄り、助手席に座り、鋏でジャスティンの髪の毛をひとふさ切り、去っていく。

アーチャー

 ジャスティンを逮捕しない警察を生ぬるく感じていたアーチャーは防犯カメラを何度も見直す。息子のマシューは深夜の2:17に誰かに誘わせることなく、ひとり、両腕を後ろに下げて、あたかも"爆撃機"のような格好で暗闇の中に消えていった。

 アーチャーは別の被害者宅の防犯カメラの映像を見せてもらい、向かった方向で重なる箇所を洗い出していく。

 さらに範囲を絞ろうと街中を車で走っていると、ガソリンスタンドにいるジャスティンを見かける。アーチャーはジャスティンに詰め寄るが、そのタイミングで校長のマーカスがジャスティンに襲い掛かる。マーカスは防犯カメラに写っていた子供たちと同様に両腕を後ろに下げ、向ってきた。

ポール

 パトカーで街を流す警官のポール。倉庫に侵入しようとする不審な男を見つけ捕まえる。男は森で暮らす麻薬中毒者のジェームズ(オースティン・エイブラムス)だった。身体チェック中に注射針のようなものが刺さってしまい、AIDS感染が頭に浮かんで激高したポールはジェームズを殴り倒す。

 しかしドライブレコーダーに一部始終が録画されていることに気づき、ジェームズを起こし、すぐに街を立ち去るように警告して解放する。

 警察署に戻ったポールは義父である署長エド・ロック(トビー・ハス)に事情を説明する。何事も起きなければレコーダーは1カ月で上書きされるが、それまでに被害者が訴えたら面倒なことになるぞ…と言われ、がっくりしていたところに、元恋人のジャスティンから連絡が入り、バーへ向かう。

 ポールはジャスティンに誘われるまま結局バーで酒を飲んでしまい、勢いでジャスティンと関係を持つ。朝帰りしたポールの雰囲気でドナはすべてを察し夫婦喧嘩となる。

 げっそりしたポールは署に戻るがそこで目にしたのはジェームズだった。再びジェームズを追いかけるポール。

ジェームズ

 森のテントで暮らす薬物中毒のジェームズは薬のために空き巣に入ったり、車上荒らしをしていたが、警官ポールに捕まり殴られる。そして街から離れるように警告を受けるが、懲りずに土砂降りの最中にアレックスの家に侵入する。

 窓という窓に新聞紙が貼られて真っ暗な室内でジェームズは高級そうな銀食器類を盗み出す。そして地下室を覗いてみると、そこには大勢の子供達がぼんやりと立ちずさんでいた。

 質屋で銀食器を換金しながら店に貼られたポスターをジェームズは目にする。そして行方不明になった子供たちの情報に対する懸賞金5万ドルが掛けられていることを知る。ジェームズは地下室で見つけた子供達こそその子供達に違いないと判断し警察へ。

 そこでジェームズはポールに発見され逃げ出す。そして森の中の自分のテントに逃げ込むが結局、ポルに捕まる。ジェームズはポールに子供達の話をして二人でアレックスの家に出かける。

 ポールはパトカー内にジェームズに手錠をかけて残し、一人、アレックスの家に入っていく。しばらくして屋敷から出てきたポールは有無を言わさずジェームズを屋敷に引きずり込む。

マーカス

 アレックスと面会したいとせっつくジャスティンを制止し、ジャスティンを納得させるためにアレックスの両親と面談する手筈を整える。しかし実際にやってきたのは叔母と称する女、グラディス(エイミー・マディガン)だった。両親は"労咳"のため自分が変わりに来たというグラディスに対して、両親以外とは会話はできないと拒絶するマーカス。

 パートナーのテリー・ミラー(クレイトン・ファリス)と週末を寛いでいたマーカスのもとに突然、グラディスがやって来る。休日だから…と渋るマーカスだったが、テリーが親切心から家の中に入れる。グラディスは愛想よくエリックの両親との面会の話をするが、途中から木の枝を使った奇妙な儀式を始める。

 そして枝を折った途端にマーカスはテリーに襲い掛かり、嬲り殺す。そして子供たち同様に両腕を後ろに下げて家を飛び出す。

 マーカスが向かった先はジャスティンだった。

 アーチャーがマーカスを抑え込み、その間にジャスティンは車を走らせる。アーチャーを振り切ったマーカスはジャスティンの車を追いかけるが、交差点で車に轢かれる。

 病院でジャスティンはアーチャーに礼を言い、アーチャーは自分の調査状況を説明する。ジャスティンは子供たちの消えた方向で交差している箇所にアレックスの家があることを知る。

アレックス

 アレックスは両親((ホイットマー・トーマスとキャリー・シュッテラ)からあったこともない叔母と同居する話を聞かされる。夜中に叔母グラディスが言えに到着するが、衰弱しきっていた。

 数日後、アレックスが学校から帰宅すると両親は食卓についたまま膠着していた。そしてアレックスを出迎えたグラディスは初日に観た時とはくらべものにならないぐらいに若々しくなっていた。

 グラディスはアレックスに両親を意のままにできることを誇示し、自分のクラスの生徒全員の持ち物を持ってくるように指示する。グラディスは何かしら持ち物を儀式に用いればその持ち主を意のままに扱うことができることを知り、アレックスは両親のためにクラスメートの名札をすべて盗み出す。

 グラディスは深夜に儀式を行い、2:17に子供たちが次々とアレックスの屋敷の地下室に集まってきた。以降、アレックスは硬直化した両親とクラスメートの食事係となる。

グラディス

 グラディスは子供たちの精気で若返ろうとしたが、身の危険を感じ、当地を去ることを決心する。そこへジャスティンとアーチャーが屋敷に入って来る。

 しかしグラディスのコントロール下にあるポールやジェームズ、そしてエリックの両親たちが"ウェポン"化し、ジャスティンやアーチャー、そしてエリックに襲い掛かる。ジャスティンはポールから奪った拳銃でポールとジェームズを射殺する。

 最後は両親に追いつめられたアレックスがグラディスの儀式用の道具で、地下に居た子供たちを"ウェポン"化させグラディスを襲われる。グラディスは必死に逃げるが、最後は子供たちに八つ裂きにされる。

 現場にやってきたアーチャーは息子のマシューと再会できた。

エピローグ

 ナレーションにて後日談が語られる。アレックスの両親は元に戻らず施設に入れられ、アレックスは親戚に引き取られる。親元に戻った子供達の中には話ができるようになった子も居た…。

感想

 評判は聞いていたが内容を全く知らないまま観たが、これはなかなか面白かった。主要人物の視点でエピソードをつないでいくやり方は『パルプ・フィクション (Pulp Fiction/1994)』を始め、いくつかうまくやっている作品があったと思うが、このパズルが埋まっていくような快感はなかなか味わえるものではない。最初にナレーションで子供たちが自らの意志(ではないんだけど)で家を飛び出す…という説明があり、現実的な謎解きものではない、ということはわかるが、では、落としどころはどうするか。

 これがまた古式ゆかしい魔女ものだった。かつて大ヒットした『ブレア・ウイッチ・プロジェクト (The Blair Witch Project/1999)』は公開当時、モキュメンタリー構成ばかり話題になったが、これもメリーランド州バーキッツヴィルに伝わる魔女伝説に対するアプローチで、人知では計り知れない不気味な世界観を描いた佳作だった。

 本作品は被害者であるはずのジャスティンが住民の疑心暗鬼に逢い魔女扱いされる。ジャスティンの車に"witch"と落書きしたのは、商売上、ペンキが身近にあるアーチャーの仕業かもしれない。理解できないことがあると魔女の仕業と思うのは土地柄なのか? 国民性なのか?

 いずれにせよ後半は魔女グラディスの暗躍が中心になり、どんな落としどころがあるか楽しみにしていたのだが、その落としどころが若干不満だった。

 魔女という現実離れしたキャラクターが出現し、そのアンタッチャブルな世界に触れてしまったジャスティンとアーチャーは徹底的に悪夢的な世界に取り込まれる…そんな展開を期待していた。よもや、グラディスの儀式を横目で見ていたアレックスが見様見真似で儀式をやってみたらうまくいった…という終わり方はなんとも幼稚で、ここだけがっかりした。

 事態が収束するにしても訳が分からないまま嵐が去った…という、最後まで"あれはなんだったんだ?"という終わり方が相応しかったと思った。なんでもかんでも理尽くめにすると映画ならではのムードが消えてしまうこともある。

 こんな解りやすい終わり方は期待していなかったのだ…。

 とはいえ、久しぶりにワクワクしながら2時間ちょっと楽しめた。1981年生まれのザック・クレッガーの『お願い!プレイメイト (Miss March/2009/Trevor Mooreと共同監督)』『The Civil War on Drugs (2011/Trevor Mooreと共同監督)』『バーバリアン (Barbarian/2022/配信のみ)』に続く劇場4作目。自ら脚本もこなすクレッガー監督はホラーやコメディが好みとのことで次作は『バイオハザード』のリメイクらしい。これはこれである程度ベースのある企画をどう料理するか楽しみでもある。

 魔女役がエイミー・マディガンであることを知りびっくりした。多くのひとがそうであるように『ストリート・オブ・ファイヤー (Streets of Fire/1984)』のマッコイ役が思い浮かぶ。

 他にも『プレイス・イン・ザ・ハート (Place in the Heart/1984)』や『アラモベイ (Alamo Bay/1985)』も忘れられない。以降、テレビドラマを中心に出演を続け、映画も最近は『ザ・ハント (The Hunt/2020)』に出演(ガソリンスタンドの夫婦役)していたが、キャリア随一の怪役となったのでは。

さいごに

 2025年に鑑賞した最後の作品となったが、面白い作品でした。『ジャグラー ニューヨーク25時 (Night of The Juggler/1980)』とハシゴしたときには、もう一本いけるかな…と思ったけれど、意外とやることが多くてかなわず。2026年の一本目はどんな作品になるやら。
 
 皆様、良いお年を。

 

 

 


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