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Suzanne Vega 『Solitude Standing (孤独-ひとり-)』〜「Tom's Diner」 カテドラル・カスィ(th -θ-)ドラル〜

何でも去る4月1日はスザンヌ・ヴェガの2ndアルバム『孤独(Solitude Standing)』のリリースから38周年だったそうで。
FBのタイムライン上に表示される入会済みのグループにSuzanne Vegaの『Solitude Standing』の中で好きな曲は?というような質問が投稿されていた。欧米との時差とFBのアルゴリズムの関係で日本時間より少し遅れて、それを見て答えてみた、「ルカ」と「トムズ・ダイナー」と。

「トムズ・ダイナー」は夜のカフェで夜を明かし、明るくなるまで、目に写る他の人々の一晩の様子を描写した楽曲である。
ちゃんとメロディにはのせているが、ポエトリー・リーディングの要素も入ってる。
スザンヌ・ヴェガの「ルカ」はグラミー賞を獲得した事もあり、一応オンタイムで教養として知ってはいたが、高校生でかつ受験生であり趣味を制限していたり、充分なお金が無かった事もあり、89年か90年に後追いで『孤独(ひとり)』のCDを購入。当時は今以上にあまり英語が堪能とは言えなかった為、訳詞が載っている日本盤のCDを購入したのだった。購入したのは当時住んでいた小田急線沿線の千歳船橋か経堂のレコードショップであったように記憶している。『孤独(ひとり)』は僕の人生に於いて数々の聴き込んだアルバムの1つではあるが「ルカ」と「トムズ・ダイナー」以外の曲は『孤独(ひとり)』という作品を成す楽曲群として捉えていた為、他の曲は個として把握しておらず、あと聴き込んだのが30年以上前で、90年代前半以降、長い事このアルバムを高い確率で聴く事は無かった。それで他の曲のタイトルはすっかり失念。そういう理由もあり問の質問に答えたのが「ルカ」と「トムズ・ダイナー」になった次第。
久し振りに『孤独(ひとり)』を音楽の配信サービスのハイレゾ音源で聴き直してみた。

何ゆえハイレゾ音源で聴くのかというと、音質が良く各楽器に加えヴォーカルの聴き取りが良く出来るからである。これはよく音の分離性と表現される。語学を習得する場合は高音質で聴ける機器と性能が良いモニターヘッドホンがあると上達が早いと、ハイレゾを体験してからはよく思う。

閑話休題、『孤独(ひとり)』のオープニングナンバーの「トムズ・ダイナー」を聴いていると、
♪Oh, this rain it will continue
Through the morning as I'm listening
To the bells of the cathedral...
I am thinking of your voice...
という箇所があり、そうだよな、日本では『cathedral』をラテン語の影響かカテドラルと発音するが、英語ではカスィ(th-θ-)ドラルなんだった、という事を改めて認識する。

94年に実家がある長崎に友人が訪ねて来た事があった。
そして、浦上天主堂を案内もしたのだが、浦上天主堂の日本語と英語で併記された案内板に刻まれている文字を読んでいると、日本語の説明文ではカテドラルとなってる箇所が英語ではcathedralとなっていて、英語ではカテドラルをカスィ(th-θ-)ドラルと発音するのを思い出し、試しに友人に英語のここは何と発音する?と質問すると、日本語の案内文に引きずられ、カテドラル、と言っていた。
否、カスィ(th-θ-)ドラルだよ、と指摘すると、納得したのか、間違えたのが恥ずかったのか、友人は何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。
先程調べると日本語でカテドラルと発音するのはラテン語のcathedralisに由来しラテン語の発音記号は見つけられなかったので参考にラテン語系言語のフランス語のcathédrale の発音記号を調べると、ka.te.dʁalとなっていて、日本語で発音するとthéと綴る箇所は『テ(te )』と発音するらしい。
フランス語のcathédraleの発音を音声をウェブ上にある辞書を使い、自分の耳で聴いてみる。単語全体の発音は上手く聴き取りが出来ないものではあったがthéに当たる部分の発音は日本語では『テ』で間違いなかった。

改めてハイレゾ音源で『孤独(ひとり)』を聴いていると「ジプシー(Gipsy)」という曲になり、そのフレーズに
♪But night is the cathedral
Where we recognized the sign
というものがあり、ここにもスザンヌ・ヴェガによるカスィ(th-θ-)ドラルの発音があるのを発見して少し嬉しくもなった。

日本語ではカトリックと発音するcatholicも英語ではkˈæ・θ(ə)・lɪk の中に←thの発音を意味するθがあり、発音記号自体は読めなくても違うのが確認出来る筈。そして日本のカトリック信徒でもカトリックを英語の発音に寄せたカソリックと発音する人もたまに存在する。

「トムズ・ダイナー」はとあるラジオ番組のDJ(今でいうナビゲーター)が強く推していて『孤独(ひとり)』を買う前から僕は知っていたのだが、調べた所一般的にはDNAというユニットがカバーした事から再評価されたとの事。
今回は触れないが「ルカ(luka)」は当時問題になっていた幼児虐待の件をテーマにし、世界に一石を投じた曲としてよく知られたものである。僕はこのアルバムの分析研究をちゃんとやってないから最初に挙げた2曲以外には言及出来ないけれど、僕が改めて強調するまでもなく、『孤独(ひとり)』はとても良く出来たアルバムで、聴いた事がない人は是非聴いて欲しいアルバム。


余談にはなるが『トムズ・ダイナー』には♪And of the midnight picnic
Once upon a time before the rain began...
And I finish up my coffee
And it's time to catch the train
という箇所もあり、この中のthe midnight picnicという言葉は恩田陸の名著 『夜のピクニック』というベストセラー小説の題名の元ネタだと思われる。
2004年7月に刊行された『夜のピクニック』というタイトルを目にした時、おっ!これはスザンヌ・ヴェガの『トムズ・ダイナー』の歌詞の言葉the midnight picnicから借りてきたものだな!! 面白そう!!!とかつてスザンヌ・ヴェガの「トムズ・ダイナー」を愛聴した人達にとっては見事なアイキャッチになっており、名付け親は作者か編集者だかは不明であるが、この本が多くの人が手に取り購入し、本や大賞も獲り、そして映画化までされた要因の1つになっていると思われる。


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