【物語】 貴婦人の予祝 《最終章》 最後に、再びあなたへ
《最終章》 最後に、再びあなたへ
あの丘での出来事の後、私はマダムに手紙を書きました。マダムが教えてくれたことをやっと理解できたことが、私には嬉しかった。こんなに幸せな気持ちになったのは生まれて初めてでした。
でもマダムと約束していたはずの、「表現する」ということについては、不思議なことに、私の記憶からすっぼりと抜け落ちていました。コロナ禍での忙しさもあったとは思いますが、その約束をしばらく忘れてしまっていたことで、逆に目の前のことだけに集中し、最終的に望んでいた意識の持ち方を理解することができました。今となっては、すべてが繋がっているように思えてなりません。
私はこれまで、マダム・ロゼという女性について誰にも話したことがありません。一番心を許している夫にさえ、話せていない。かなり不可思議な側面もあったし、全部を正確に伝えるには会話だけでは難しかったというのが本当のところです。こうして言語化できるようになるまでには、長い時間が必要でした。
マダムの最後の手紙で「やっと辿り着きましたね」という言葉にふれ、自分の中で空白になっていた記憶が蘇りました。その後、冒頭であなたにお伝えしたように退職した私は、第1章から第7章までの文章を書いてマダムに送ったのです。
それから程なくして、セシルから連絡をもらいました。マダムに原稿を送った後も、私は1日中パソコンの前に座って文章の細部を直し続けていました。そして、何らかの形でこの物語をあなたの手に届けたいと、その方法を考え続けていました。その最中に、セシルを介して私は受け取ったのです。
マダムが言っていた、「最上級の祝福」を。
その恵みは、この先の私の豊かな人生を十分に約束してくれるものでした。でも、その感謝を直接彼女に会って伝えることは叶わなかった。マダムは私に送ってくれた最後の手紙の後でこの世を去っていました。彼女が私の原稿を読むことはなかったのです。
「マダムは、あなたが必ず約束を果たされると信じていました。そして、こうもおっしゃっていました。それがどんな形になるのか、いつ完成するのか、それはさほど重要なことではないの。きっと彼女が最も望む形で実現される。私にとって価値あることは、それがしかるべき時にしかるべき人の手に渡るという確信を得たことなの。心の闇夜を抜けてすべての幸せを手にする勇気を「その人」が抱いてくれたら、私にはそれで十分。やっと、この体を脱ぎ去る時を迎えることができる」
おそらく、あなたがここまでこの物語を読み続けてくれたのは、あなたの内にも、自分の心に秘めてきた深い「思い」があるからなのではないでしょうか。
今回、このような出版の形をとったのは「速さ」を選んだからです。必要なタイミングで必要な人に届くように。私自身も本を買う際は、実際に書店で手に取りながら選ぶ方が好きです。でも、無名の私がそれを成し遂げる頃には、あなたはこのかつてない時、変化の絶好のタイミングを逃してしまうかもしれない。そう思って、インターネット上での発信と出版を選びました。文章や表現において、至らない部分もあるかと思います。読みづらいところなども含めて、お許し頂ければ幸いです。
あなたには素晴らしい価値があり、自分に対する意識が純粋な愛情に満ちていれば満ちているほど、その力は発揮されやすい。そして、あなたの夢と現実が重なり始めます。完璧なんかじゃなくていい。無条件の愛を向けるのは、まずは自分なのだと、そう理解して下さい。私もまだ、長く続く旅の途中です。きっと、これからもいろんなことに思い悩むでしょう。失敗し、望みを失い、涙を流す。でも、今は心に拠り所があります。この胸に授かった美しい緑色の輝きを曇らせることのないよう、私なりに生きてみようと思います。
「下なるものは上なるもののごとく」という言葉の通り、あなたが望む理想や夢は、1ミリの差もなくあなたが手にするに相応しいものです。何を目指すにしても、どうかそのことを覚えていて下さい。
自分を卑下しないこと。自分を愛すること。そしてその愛を周囲にも循環させること。意識をクリアにしてあなたの波動をどこまでも軽やかにし、「何でも好きなことを望んでいいのだ」と、自分に言ってあげてください。
これが、類い稀な美しさを持ったマダム・ロゼからの、あなたへのメッセージです。
最後まで読んでくれて本当にありがとう。心から感謝します。
今、思い描いているあなたの夢が必ず叶うよう、このささやかな物語がその予祝となることを信じ、あなたの人生に素晴らしい奇跡が訪れることを心から願っています。
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