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肥満の漢方は「三つの状態」で決まります|冷え・血糖値・血圧で選び分ける

肥満でお悩みの方から、「食べる量は減らしているのに、体重が落ちない」というご相談をよくいただきます。

漢方では、肥満を「体重の数字」ではなく「体の状態」で見ます。同じ体重の方でも、冷えがあるのか、血糖値が高いのか、血圧が高いのか。それによって、先に手をつけるところが変わってきます。

この記事では、仙台の漢方薬局・運龍堂の薬剤師「かんぽぽ博士」が、肥満の漢方の選び方と、毎日の養生をわかりやすくまとめます。動画でもお話ししていますので、あわせてご覧ください。

はじめに:漢方は「体重を減らす薬」ではありません

最初にお伝えしておきたいことがあります。漢方は、体重そのものを直接減らす薬ではありません。

漢方が大切にするのは、ためこみやすくなった体の状態を整えることです。めぐりが落ちている、胃腸が弱っている、余分な水分や老廃物がたまっている。そうした土台を整えていくと、結果として体が軽くなっていく、という考え方をします。

ですから、いきなり食事を減らすのではなく、まずはご自身の体を知ることから始めましょう。

まず確かめたい「三つのこと」

漢方薬を選ぶとき、最初に確かめたいことが三つあります。① 冷えがあるか ② 血糖値が高いか ③ 血圧が高いか。どれも体のめぐりと、たまりやすさに直結しているからです。

① 冷えがありますか。手足が冷たい、おなかが冷える、寒がりで厚着になりやすい、夏でも冷房がつらい。こうした方は、体のめぐりそのものが落ちています。体が冷えていると、水分も脂肪も動きにくくなります。どれだけ食事を減らしても変わらない、ということが起こりやすいのはこのためです。冷えがある方は、体重を落とすことより先に、まず冷えの対策を優先してください。

② 血糖値は高くないですか。健康診断で血糖値やHbA1cを指摘されている方は、体重より先に、まず血糖を整えることを優先してください。血糖の上がり下がりが大きいと、おなかが空いていないのに食べたくなる、ということが起こりやすくなります。つまり、血糖を整えることは、食べすぎを抑える助けにもなります。

③ 血圧は高くないですか。血圧が高い方は、体重の数字だけでなく、血液の流れも一緒に考える必要があります。ためこんだ状態が続くと、血管に負担がかかり、流れが悪くなりやすいからです。この場合は、あとでご紹介する製剤を組み合わせて、めぐりを助けていきます。

早見表:状態ごとの選び方

冷えがある → まず冷えの対策を優先

血糖値が高い → まず血糖の対策を優先

ほかに大きな問題がない → 植物発酵エキスのプチ断食

血圧が高い → プチ断食 + エイセニア・フェティダ + 田七人参

漢方から見た肥満とは

漢方では、肥満を「消化の力が弱って、余分な水分や老廃物がたまりやすくなった状態」と考えます。食べた分だけそのまま太る、というより、さばききれずに体の中に置き去りになっていく、というイメージです。

ですから、やみくもに量を減らすのではなく、食べすぎを見直しながら、胃腸をしっかり休ませることが第一歩になります。

こんなサインはありませんか。体が重だるい、朝からすっきりしない。足や顔がむくみやすい。舌を鏡で見ると、白い苔が厚くついている。甘いものや脂っこいものがやめられない。ひとつでもあてはまる方は、余分なものがたまりやすい状態かもしれません。体重計の数字よりも、こうした毎日のサインのほうが、体の声をよく表しています。

土台になるのは「植物発酵エキスのプチ断食」

ほかに大きな問題がない肥満の方におすすめなのが、植物発酵エキスによるプチ断食です。

植物発酵エキスとは、たくさんの野菜や果物、海藻などを、長いあいだかけて発酵させたものです。酵素やビタミン、ミネラルを含み、体にやさしく吸収されます。固形の食事を休ませながら、必要な栄養は届ける。それが、この方法の考え方です。

やり方はかんたんです。取り入れやすいのは、朝食を植物発酵エキスに置きかえる方法。こうすると、前の日の夕食から次の日の昼食まで、固形の食事をとらない時間を長めに作ることができます。胃腸がしっかり休まり、食べすぎの見直しにもつながります。

無理に何日も続ける必要はありません。まずは週に一日、二日から始めて、体が軽く感じられるかどうかを見てみてください。

血圧が高い方に加える二つ

肥満に加えて血圧が高い方には、プチ断食に「エイセニア・フェティダ」の製剤を組み合わせます。エイセニア・フェティダは、血液の流れをよくする助けになるとされる素材です。血圧が高い方は、ためこんだ状態が血管にもあらわれやすく、流れがとどこおりやすくなります。

あわせて「田七人参(でんしちにんじん)」も組み合わせます。田七人参は、血(けつ)のめぐりを整え、血管を守る助けになる生薬です。昔から、傷んだところを立て直す生薬として大切にされてきました。

体重を落とすことと、めぐりを助けることを、同時に進めていきましょう。

毎日の養生5つ

① 控えたいものを見直す。甘いもの、油っこいもの、味の濃いもの、そして冷たい飲み物のとりすぎです。清涼飲料水や甘いお菓子が続くと、体に余分なものがたまりやすくなります。とくに冷たい飲み物は、胃腸の力を直接落としてしまうので、常温か温かいものを選んでみてください。

② 取り入れたい食材。はと麦・小豆・冬瓜・大根・海藻・きのこ。どれも、余分な水分や不要なものを外に出すのを助けてくれる食材です。はと麦はお茶にすると毎日続けやすく、小豆は砂糖を使わずに煮て、そのまま食べるのがおすすめです。

③ よく噛んで、ゆっくり。ひと口三十回を目安に、噛む回数を意識するだけでも、おなかがいっぱいになったというサインが届きやすくなります。食べる順番は、野菜や汁ものから先に、ごはんやパンはあとに。それだけで、血糖の上がり方がゆるやかになります。

④ 無理のない運動。ウォーキング、軽い体操、ストレッチなど、すこし汗ばむくらいでじゅうぶんです。大事なのは強さではなく、続けること。エレベーターを階段に変える、ひと駅歩く。そんな小さな工夫から始めてみましょう。

⑤ ストレスをためない。ストレスがたまると、食べすぎにつながることがあります。漢方では、ストレスはめぐりをさまたげると考えます。趣味の時間、深呼吸、散歩。夜ふかしを避けて、しっかり眠ることも、食欲を整える助けになります。

まとめ

まず三つ、冷え・血糖値・血圧を確かめてください。冷えがある方は冷えの対策、血糖値が高い方は血糖の対策を先に行います。

ほかに大きな問題がない方は、植物発酵エキスによるプチ断食。血圧が高い方は、プチ断食に、エイセニア・フェティダと田七人参の製剤を組み合わせます。

肥満は、急に起こったものではありません。ですから、あせらず続けることが、いちばんの近道です。毎日の食事・運動・休養を、すこしずつ整えていきましょう。

杜の都の漢方薬局・運龍堂では、お一人おひとりの状態をうかがったうえでご提案しています。ご自身に合う選び方でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※治療を受けている方は、必ず主治医とご相談ください。体調に不安があるときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。

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